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【こころがととのう】感謝の言葉「いただきます「と「ご馳走様」

私たちは、自然の恵みや人同士の支え合いがあり、食事ができていることをつい忘れがちになります。
お金を払えば、食べ物を買うことができます。レストランでは、食事が提供されます。ウーバーイーツ等で食事を届けてくれます。冷凍食品を温めるだけで食べることができます。これらは、私一人では絶対にできないことで、一人一人がその仕事をして役割を担っているからこそなのです。
この、当たり前に感謝出来る言葉、「いただきます」と「ご馳走様」。小学生の頃は、学校で言っていましたが、高校生・大学生・社会人になるにつれて言わなくなっていないでしょうか。少なくとも、私は言っていない時期はありました。
この「いただきます」と「ご馳走様」に意味を理解して、食に感謝できるこころをもう一度ととのえてみたいと思います。


「いただきます」の語源は?

「いただきます」は、「もらう」や「受け取る」の謙譲語で、相手を敬うときの表現として使われています。「いただく」は、神様にお供えした食料を食べるとき、また貴人(身分の高い人)から物を受け取るときに、頂(頭の上)に掲げたことから、「食べる」「受け取る」の謙譲語として使われるようになったそうです。
古代から日本では、この世の中にあるすべての自然物や動物・植物、自然現象までも霊威や霊魂が宿っていると考えてきました。これをアニミズムと言いますが、台風や日照り、洪水などで農作物が傷つかないように神様に祈ったり、豊作になるとそれをもたらしてくれた神様に感謝したと日本史の授業で習った気がします。そのようなアニミズムの精神が、およそ1万年前から脈々と私たち日本人のDNAに受け継がれているのでしょうか。

「いただきます」の意味を考える

「いただきます」には2つの気持ちが込められているそうです。
一つは、食事に携わってくれた人たちへの感謝。もう一つは、食材への感謝です。
私たちは、肉や魚、野菜や果物にも命があると考え、それらの命をいただき、私たちの命に代えさせていただいているという感謝の気持ち。こちらが本来の意味だと考えられているようです。
2つめは、食材への感謝。肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があると考え、「○○の命を私の命にさせていただきます」とそれぞれの食材に感謝しており、こちらが本意だと言われています。

「ごちそうさま」の語源と意味

漢字で「御馳走様」。「馳走」とは、奔走するという意味で、冷蔵庫もない時代に、お客様のためにおいしい食べ物を用意するために奔走した様子を表しています。大変な思いをして食事の準備をしてくれた人への感謝と敬意を込めて「馳走」に「御」と「様」が付き、食事を終えた後に「御馳走様」というようになったと言われています。
実は「馳走」という言葉は仏教用語でもあるそうです。「韋駄天(いだてん)」という足の速い神様が、お釈迦様のために駆け回って食材を集めてきたという話に由来するとも言われています。
様々な力を経て食事に至ります。
「ごちそうさま」を漢字で書くと「御馳走様」。昔は今のように冷蔵庫もスーパーマーケットもありませんから、食材を揃えるのは大変なことでした。「馳走」は走りまわるという意味で、食事を出してもてなすために奔走する様子をあらわしています。
やがて、丁寧語の「御」をつけた「御馳走」にもてなすという意味が含まれるようになり、贅沢な料理をさすようにもなりました。
そして、いろいろと大変な思いをして食事を準備してくれた方への感謝を込めて「様」がつき、食事のあとに「御馳走様」「御馳走様でした」と挨拶するようになったのです。

何げない日常に潜む日本の文化 ~「いただきます」「ごちそうさま」編~ | 日本文化を探る | いろり - 人と語らうコミュニティサイト - (1200irori.jp)

食事への感謝がこころをととのえる

普段、何気なく使っている言葉の意味を調べることで、昔の人々から受け継がれている感謝の精神を学ぶことができます。日本語には、美しい意味を持った言葉がほかにも沢山あると思います。そのなかで、最も身近で私たちが生きるにはなくてはならない物、食事で感じることができます。
目の前に食べ物があることを当たり前と思ってはいけませんね。知らない誰かが土を作り、種をまき、育て、収穫し、運び、販売し、調理をし、私たちの前にある。それらには沢山の人がそれぞれの役割を担っています。もちろん、畑を耕すための工具、運ぶための動力、販売するシステム、これらを支える人々も居るわけです。人が支え合っているのです。これを忘れてはいけませんね。
人だけでなく、私たちは自然に感謝しなければなりませんね。そもそも、自然があるからこそ私たちが生きていて、食べ物を作ることができるからです。すべては自然の恵みです。

美しい言葉「いただきます」と「ご馳走様」をもう一度

この美しい言葉を、もう一度、毎回言う習慣を身につけていきましょう。ただ、形式的に言うのではなく意味を理解して、感謝を込めて言っていきましょう。言うことは恥ずかしいことではありません。むしろ、言わない方が恥ずかしいと言ってもいいでしょう。感謝されること、感謝することを悪いと思う方は一切いないと思います、それであれば、言った方が良いですね。
感謝の気持ちを込めて「いただきます」「ご馳走様」を言って、【こころがととのう】習慣を過ごしていきましょう。

このメッセージが、少しでも皆様の役にたてば幸いです。
最後まで読んでいただいた方に感謝申し上げます。有難うございます!






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