関係構築=飲み会の時代はもう終わり!スマートに『仲間』になる方法
『たった90分の打ち合わせで、何回もの飲み会と同じくらい関係性を深められる方法があるんですよ!』
と、いきなり聞かされたら嘘だと思いますでしょうか?
仕事を早く終わらせて時間を取らなくても、お酒を飲まなくても、関係構築に特化した打ち合わせを行うことで実現する方法があります。
今日はリーダーとして新しいチームに早く溶け込むために『リーダーズインテグレーション』という90分のイベントをチームメンバーと一緒に行った経験を記事にしました。
『知らない人は敵であると感じる』という人間の習性を理解し『たくさん知ってもらって仲間になる』を目的として行うものです。
特にコロナ禍の現代において、若者が会社の飲み会を嫌がる時代において、『歓迎会』や『親睦会』を以外の方法でチームに溶け込むことができるため、非常におすすめです。
新しいチームに『仲間』として溶け込むため
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
課長就任2年目は怒涛の2課兼務・部下の数3倍増という大変化からスタートしました。
そこで、新たに一緒に仕事をすることになったチームとの相互理解を高めるためのイベントを行いました。
そのイベントとはズバリ『リーダーズインテグレーション』です。
リーダーズインテグレーションとは?
リーダーズインテグレーションの『インテグレーション』とは『統合』という意味です。
新しいリーダーがチームと早く統合(一体化)するために行うイベントです。
新しいリーダーのことを知り、メンバーのことを知り、チームが抱える課題を本音で共有することでチームのまとまりを急速醸成する方法です。
人間とは『知らない人は敵』と考える生き物
リーダーズインテグレーションというものを知ったのは『ザ・ファシリテーター』を読んだことがきっかけでした。
『ファシリテーション』という会議の進行・誘導するスキルを使って組織の意識を変え、組織の力を引き出す方法をストーリー仕立てで教えてくれる本です。
2課長兼務が始まる前に、尊敬する会社の先輩に紹介されて読んだ本です。
『リーダーズインテグレーション』がなぜ有効であるかをざっくりと解説するとこんな感じです。
人間とは、まずお互いを知らないといつまでたっても防衛関係(敵として接する)関係から脱却できない生き物だそうです。
人見知りなので体験を伴って理解できました。
『ジョハリの窓』で関係性レベルを可視化
では、この防衛関係から始まる状態を打破するためにはどうすればいいのか?
この本では『ジョハリの窓』と呼ばれる概念で説明しています。
この図にある『公開』の部分が広ければ広いほど『知らない人』から遠ざかる。
つまりは『防衛関係(=敵)』から遠くなると言えます。
『知らない人』から遠ざかるためには?
この『公開』部を広げるために2つの方法が紹介されています。
1つ目は『開示』です。
自分のことを他人に『開示』して、他人に知ってもらう行為です。
そして2つ目は『フィードバック』です。
自分では気づかない『他人からどう見えているのか?』という点を『フィードバック』してもらう行為です。
この2つを意識してお互いが共有していることを増やすことが防衛関係から遠ざかる。
つまりは仲間としての関係性を構築する上で重要だと説いています。
飲み会とは別の方法で。スマートに。
一昔前の日本であれば『よし!お互いを知るために飲みに行こう!!』が当たり前でした。
しかし、コロナ禍の現代において、若者が会社の飲み会を嫌がる時代において。
『歓迎会』や『親睦会』を繰り返してチームの関係性を深めるのことがいつまでも唯一の正解ではなさそうです。
そこで登場するのが『リーダーズインテグレーション』です。
リーダーズインテグレーションのゴール
少し遠回りしましたが、新任リーダーとしてチームに溶け込むためにリーダーズインテグレーションを行う場合。
リーダーズインテグレーションの場を使って『開示』と『フィードバック』を起こす必要があります。
リーダーズインテグレーションの具体的な内容
このゴールに向かうため、新しく一緒に仕事をするメンバーに会議室に集まってもらい、各自にペンとポストイットを配りました。
そして、こんな風にお願いしました。
これは『フィードバック』を狙った質問です。
まず『開示』から始めてしまうと、メンバーが『もうたくさん聞いたから他に知ってることなんてないよー』となってしまうことを避け、一番初めに質問ました。
各メンバーに書いてもらったポストイットをホワイトボードに張り出し、全員で共有しました。
ここではこんな項目が上がりました。
・怒ると怖い
・エンジニアだけど売ることもちゃんと考えている
・自転車で通勤をしている
・子供がそろそろ生まれる
・週末はバスケの試合を見るのが好き
・バンドでギターを担当している
新しく上司と部下の関係になるとは言え、大きく見れば同じ部署にいたのでかなりいろんなフィードバックをもらいました。
『怒ると怖い』と思われているのは、現代社会においてはマイナスなのでこういった点は今まで以上に気を付けなければいけないなと気づきました。
そして次に開示に向かうためにこんな質問をしました。
次は『知りたい事』=『知らない事』です。
この『知らない事』について回答していくことで開示要素が増えることを狙いました。
ここでもたくさんのことを質問してもらいました。
いくつか例を挙げると
・お子さんの性別ってわかってるんですか?
・勉強もして、多趣味で、いったいいつ寝てるの?
・この部署をどういう方向に導きたいと思ってますか?
・異動してきた時にこの部署はどう見えてた?
これも同様にポストイットを1つ1つホワイトボードに貼っていき、すべての質問に回答していきました。
たくさんの質問をもらい、たくさん回答することでかなり開示が進みました。
そしてさらに開示を進めるために、質問とは別に事前に用意していた『自分年表』をメンバーに見てもらいました。
この『自分年表』には、生い立ちや学生時代の過ごし方といったプライベートな内容から、なぜこの会社に入ったか?これまで10数年間どんな仕事をしてきたか?などの仕事的要素も紹介されています。
質問事項への回答とは別に、リーダー側からの積極的な『開示』を進めたわけです。
(余談ですが、一番ウケたのは高校受験の時に当時好きだった女の子を追っかけてかなり背伸びして進学校に合格したのに、その女の子は不合格だったために青春開始早々途方に暮れた話でした)
その後は以下のように質問を続けました。
前任の課長の仕事を振り返ったうえで『新任の課長に求める仕事』をフィードバックしてもらいました。
『上司としてメンバーに何を求められているか』はジョハリの窓でいう『盲点』にあたり、これを直接的なフィードバックなしに気づくのは簡単なことではありません。
しかし、今回のリーダーズインテグレーションを通じてかなりの部分を自然に共有できました。
『リーダーに求める事』なんて、リーダーの人柄によっては直接的に部下から言われたら怒る人だっていそうです。
だからよっぽどのことがない限りは部下側から発信なんてできません。
そこをリーダー側から『教えてください!』という事で自然に意見や希望を言い合える関係構築ができました。
リーダーズインテグレーションをやった感想
そもそもリーダーになったのも昨年の話なので、このリーダーズインテグレーションというイベントを主催することが初めてでした。
しかし、結果はかなり満足のいくものになりました。
ほんの数年前なら『歓迎会』や『親睦会』という名前の飲み会で少しずつ距離を縮めて構築していた関係性が、たった90分の時間と数枚のポストイットというコストで実現しました。
いわゆる『飲みにケーション』の効用を否定するわけではありませんが、飲みに行けない時代だからこそこういったイベントの必要性もメンバーに伝わったと思っています。
全ての同僚だけでなく、これを読んでくださっているあなたにも是非やっていただきたいです。
自分が新しくチームに加わるリーダーの場合も、新しくリーダーを迎える場合でも、どちらでもトライしていただきたいイベントです。
その時にこの記事が参考になればとてもうれしいです。
まとめ
今日はリーダーとして新しいチームに早く溶け込むために『リーダーズインテグレーション』という90分のイベントをチームメンバーと一緒に行った経験を記事にしました。
『知らない人は敵であると感じる』という人間の習性を理解し『たくさん知ってもらって仲間になる』を目的としてイベントを行いました。
結果は大成功。
コロナ前の世界であれば『歓迎会』や『親睦会』を繰り返す中で時間をかけて縮めていた距離を、たったの90分で縮めることができました。
初めての経験でしたが、これを読んでくださっているあなたにもおススメです。
あなたがリーダーとしてチームに加わる立場でも、逆に新しいリーダーを受け入れる立場でも、是非とも経験してください。
その時に、この記事が参考になればとてもうれしいです。
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