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生まれ変わったら朝起きられる人になりたいと言ったケンジ君へ
彼はきっと、覚えてはいないだろう。
ケンジ君が私のクラスに転入してきたのは、小学三年生の春だった。
学校指定ではない、黒光りをしたランドセルが目を引いた。
朴訥で、名前だけでなく容姿も某童話作家を彷彿とさせ、音楽の時間に歌いたい曲を訊かれて彼が答えた「少年時代」の選曲は、渋い感性だなと今になって思う。
小学校三年生といえば、男子と女子は顔を合わせなくても戦争を勃発させている年頃だ。
彼はきっと、覚えてはいないだろう。
ケンジ君が私のクラスに転入してきたのは、小学三年生の春だった。
学校指定ではない、黒光りをしたランドセルが目を引いた。
朴訥で、名前だけでなく容姿も某童話作家を彷彿とさせ、音楽の時間に歌いたい曲を訊かれて彼が答えた「少年時代」の選曲は、渋い感性だなと今になって思う。
小学校三年生といえば、男子と女子は顔を合わせなくても戦争を勃発させている年頃だ。