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【知られざる女性パイロットの生きざま】映画『エア』感想【東京国際映画祭】
東京国際映画祭3本目はロシア映画『エア』。
このご時世、ロシア映画の新作をスクリーンで観れる機会もなかなかないだろう(ただでさえ映画祭で上映される映画だし)ということでこの作品に決めた次第。
舞台は第二次世界大戦時のレニングラード包囲戦。
歴史の表舞台に出ることのなかった女性パイロットと女性技師たちの生きざまが描かれる。
監督は『宇宙飛行士の医者』、『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』のアレクセイ・ゲルマン・Jr。
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歴史の中から女性パイロットと女性技師を掬い上げたところは素晴らしいと感じるが、ストーリー自体はそこまでハマることはなかった。
戦時中、しかも戦況も厳しいということもありとにかく人が死んでいく。
劇中でも言われているが、登場人物の名前を覚えていく前に死んでいくので誰が誰だが分からない(なので感情移入もしにくい)。
この監督の作品は初めて観たが、淡々とした作風が特徴的なのだろう。必要以上に感情を煽らず淡々と進んでいくところからは戦争の虚しさを感じさせる。女性も子供にも一切容赦のない描写やダイナミックな映像は戦争の非道さ、悲惨さが際立っていて素晴らしい。
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淡々とした作風も映像も好みだったが、ストーリーと展開が自分とは合わない。
物語は映画祭のコンペでは珍しいくらいの王道。
嫌な書き方になるが、女性兵士を主人公にした時に思いつくような話を全て詰め込んだように感じた。
それはまだ良いのだが、先の展開が悪い意味で読みやすい。
例えば主人公と他の人物が2人っきりで話すような場面がある。その時の台詞回しとかから「この登場人物、これからきっと何か起こるんだろうな」と思っていると大抵その通りになる(大体死ぬ)。これが繰り返されるので飽きてしまう。
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劇中、何度も登場するドッグファイトも似たような展開の繰り返しにしか感じない。そもそもの映画の方向性が違うということもあるが『トップガンマーヴェリック』のドッグファイトの面白さや見せ方を再認識することとなった。
全編を通じて重苦しい雰囲気が支配しているし、決して戦争を美化してる訳ではないとは思う。
だが、主人公の「だから私は戦う」という台詞は今のロシアと重なって見えてしまい「プロパガンダ映画」っぽく感じられたのも合わないと思った理由かもしれない。
ただロシア(ソ連)の空軍の軍服姿は男女ともに格好良い。
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※東京国際映画祭の審査委員長であるヴィム・ヴェンダースによるインタビュー(東京国際映画祭公式HPより)。コンペ作品について語っているが『エア』に関しては同意。そもそもコンペに選ばれたのが疑問…
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