観察眼がなくて生徒に怒られた話
今回は、観察眼のなさを中2女子生徒に咎められた話です。
先日、ある中学2年生の女子生徒の授業を受け持っていたときのことです。
そのときは英語の授業で、生徒は英語の問題をノートに解いていきました。ファイルに収めたままのルーズリーフに、どんどんと問題を解いていきます。普段からしっかり勉強できている子で、今回の単元も順調に解けています。その様子を見ていた時、ふいに問われます。
「先生、気づかないですか?」
「……?」
問題もよく解けているし、分からない箇所を質問したいような感じでもなかったし、私から見て、特に問題はなかったように見えます。
「いつもと違いますよね?」
気づかない私に、女子生徒は畳みかけてきます。
まさか、髪の毛を切っていたのか……?
だったら、さりげなく褒めて、雰囲気が変わったことを指摘してあげなかればいけない問題です。
と、その生徒の髪に目をやるも、彼女の雰囲気も、以前来たときと変わりありません。だとしたら筆箱を変えたのかと、筆箱に目をやるも変わった様子は見られません。
「ノート変わってますよね?」
「……んんん?!!」
たしかにこの生徒は、今までルーズリーフは使っていませんでした。それが今日は、真新しいファイルに、真新しいルーズリーフが数枚挟まれています。
そして、よく見ると、色分けしたインデックスで、教科ごとに区別してファイリングできるようになっています。
「おお! ノートじゃなくてルーズリーフになってる!!」
彼女に言われたことを、大げさに繰り返しただけです。あっさいリアクションに、女子生徒はあきれ顔。
「先生、観察眼なさすぎです」
その女子生徒は、新年度に向けて、新たにルーズリーフとファイルを新調したんでしょう。それも、教科ごとに色分けしたインデックスをつけて、他教科の勉強に向けての準備もばっちりでした。元々、そういうマメに物事に取り組む生徒だったので、今回のこのことも普通のこととして眺めていました。
しかし、その子からしてみたら、新年度に向けて、勉強に気合い入ってますよ、という意思表示だったわけです。
これに気づかないとは、指導者として未熟です。なんて呆けた指導者でしょう。
子どもの気持ちやメッセージを受け取るチャンスはいくらでもあります。それを見落とさず、しっかりと受け止め、メッセージを返してあげないといけないんですね。
今回は、自戒の意味を込めて、この記事を書いてみました。
お読みいただいて、ありがとうございます。
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