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記事一覧
シルバーたこ子ちゃん
シルバーたこ子ちゃんは、生まれながらに身体がメタリックであった。出自も家族も知らぬ、物心ついた頃には一人ぼっちで宇宙を徘徊していた。この国に辿り着いたときに初めて、己がタコであること、そしてそれは普通のタコではないメタコリックであること、世界は広く己は天涯孤独であること、を知った。たこ子ちゃんは絶望しかけたが、まだ知らぬ未来に想いを馳せることで何とか生き延びた。頭脳は明晰であったので、この国の言葉
もっとみるミスターサンダーバード
ヘイヘーイ、ワタシハ、ミスターサンダーバードデース。タトエ、セケンガクラクテモ、ワタシタチハ、ココロヲピカットアカルク、ヘラヘラトマイリマショーウ。モシモ、ヘロヘロ、ツカレタラ、スワレバイイノデース。ナンダーソノカオ。サンダーバード。ハッハッハ。トトノイマシタ。カミナリトカケマシテ、コイトトキマス、ソノココロハ、オチルトヤケドスルデショーウ。ミスターサンダーバードデシタ。バイバイ!
コンプリートコンプレックスコンクリート
トホホな人生、全くもってやり切れないですよ。困った困ったコマンドサンボ。あれは凄い格闘技です。最も実践的かつ論理的な格闘技ではないですか。コマンドサンボの達人は、強いというよりも、弱いところが無い、という感じなんですよ。死角無しっていうか。ぼくは四角なんです。本当はもう少し丸みを帯びたいんです。性格は、自分で言うのもアレですが、丸いほうなんです。踏まれても、唾かけられても、怒ったりはしませんよ
ロボ・ギャングW4H
ロボ・ギャングのW4Hは、いつものように愚連隊の仲間たち、G5XやMNO69らと、夜の街へと繰り出した。ガソリン・バーで飲んでいると、途中、CGC先輩がやって来た。その姿にW4Hたちは驚いた。何と、CGC先輩の耳から金のボルトが飛び出ているではないか。それだけではない。顎の辺りはチェーンで巻かれているし、へそにはプラチナ・ボルトが埋められている。最高にクールなCGC先輩だった。皆が羨望の眼差し
ルドルフ・コールナーJr
ルドルフ・コールナーは、北欧にある小さな国の農夫であった。牛を飼い、畑でトウモロコシの栽培をしていた。しかし、あるとき国の独裁者の卑劣な裁定により、牛と畑を奪われてしまうこととなる。彼には妻がいた。牛と畑を奪われるということは、つまり仕事を失うということであり、明日からの食糧もままならぬこと、それはすなわち家庭の死を意味していた。正義感の強いルドルフ・コールナーは独裁者への復讐を胸に、一人立ち