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かお

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様々な場所にある顔について文章を書きます。
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記事一覧

シルバーたこ子ちゃん

シルバーたこ子ちゃんは、生まれながらに身体がメタリックであった。出自も家族も知らぬ、物心ついた頃には一人ぼっちで宇宙を徘徊していた。この国に辿り着いたときに初めて、己がタコであること、そしてそれは普通のタコではないメタコリックであること、世界は広く己は天涯孤独であること、を知った。たこ子ちゃんは絶望しかけたが、まだ知らぬ未来に想いを馳せることで何とか生き延びた。頭脳は明晰であったので、この国の言葉

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片耳パンダちゃん

片耳パンダちゃんには左耳しかないので、右から何か言っても聞こえない。ちんちん、とこっそり呟いてもキョトンとしている。片耳パンダちゃんに大切なことを伝えるときは、必ず左側に立って、言うこと。

片耳しか無いけれど、別にどうってこと無い。そんなことは我々にとって何の問題でも無い。見たくないものは見なくて良いし、聞きたくないものは聞かなくて良い。街には狂人たちが溢れていて、そこら中で、目を疑う悲惨な光景

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ミスターサンダーバード



ヘイヘーイ、ワタシハ、ミスターサンダーバードデース。タトエ、セケンガクラクテモ、ワタシタチハ、ココロヲピカットアカルク、ヘラヘラトマイリマショーウ。モシモ、ヘロヘロ、ツカレタラ、スワレバイイノデース。ナンダーソノカオ。サンダーバード。ハッハッハ。トトノイマシタ。カミナリトカケマシテ、コイトトキマス、ソノココロハ、オチルトヤケドスルデショーウ。ミスターサンダーバードデシタ。バイバイ!

ガス坊



ガス坊は甘えん坊で、誰にでも懐いた。その母性本能をくすぐる可愛さと愛嬌を、嫌う人はいなかった。くりくりの瞳で見つめられると、どうしたんだいガス坊、と皆が相手した。そうして頭を撫でられるガス坊もまた、ご満悦の様子であった。

しかし彼はガスである。それも、人体には極めて有害なガス。吸引すれば途端に毒が全身に回り、呼吸困難、心臓麻痺、左心房圧迫、脳細胞破裂、血液逆流、網膜分裂、三半規管轟転、末端神

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ぶっかけ如来

玉森ポチョムキン監督は頭を悩ませていた。今作品、水沢りぃ子主演「ぶっかけ如来~恥辱の秘仏~」における大悪鬼役の男優が、撮影当日にバイク事故を起こして即入院となり、現場に来られないというのだ。今作品は、女如来がエロスの境地に至り悟りを開くも、大悪鬼によって恥辱を受ける、そしてクライマックスは大悪鬼と餓鬼たちによる計30回の射精ぶっかけシーン、というものであったが、肝心の大悪鬼がいなくては話にならぬ。

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暗パンマン



暗パンマンは生まれながらに焦げていた。それだけでは無い。腐食して、色もドス黒く、表面は硬くなっていた。バイ菌だらけであった。そのため、誰にパンを分け与えても食べてはくれない。性格は自然と捻くれて、暗パンマンは、無口で無愛想で俯きがちの、根暗なヒーローとなってしまった。

きみは失敗作なんだねぇ、と邪夢おじさんは口癖のように言った。邪夢おじさん的には冗談のつもりでも、暗パンマンにとっては、辛い、

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ブルーエイ



「ふふ。ていうかさぁ、どうするつもりなん?そっちから急にぶつかっといてさぁ、その態度は、無いやん?何か言うこと無いん、と思ってさぁ。別にぼくも揉めたいわけやないけど、それなりに筋は通してもらわな、困るやん?いや、謝ったから済む問題とかちゃうやん。謝る謝らへん以前の問題っていうか。ぼくの言うてることそんなおかしいかなぁ。ふふ。何か逆に笑えるわ。え、舌打ちしたやん。あ、今すごい嫌そうな顔した。え、

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マスク・ド・コーン



マスク・ド・コーンはメキシコ南部の田舎で生まれた。父は昔ルチャリブレで名を馳せたマスク・ド・フェンスである。子供の頃から厳しいプロレス練習を重ねたマスク・ド・コーンであったが、デビュー以来、勝ち星は無かった。一度ボディスラムなどでマットに倒されると、そのまま立ち上がることが出来ずに転がることが大きな敗因であった。得意技はトップロープから飛び跳ねて相手に突き刺さるローリングヘッドドリル、と豪語し

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エレ坊



エレクトリック・ベイビィこと、曽根光一は、エレ坊、と呼ばれていた。

エレ坊は生まれながらにして、自ら発電することが出来た。エレ坊の母親は、産後そのまま感電死した。父親は蒸発し、行方は誰も知らない。病院での精密なる検査の末、国指定重要危険性乳児に認定されたエレ坊は、本名は光一、通称エレクトリック・ベイビィ、と名付けられて、北関東にあるセンターへと移送された後、科学者たちによる研究対象となった。

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コンプリートコンプレックスコンクリート



トホホな人生、全くもってやり切れないですよ。困った困ったコマンドサンボ。あれは凄い格闘技です。最も実践的かつ論理的な格闘技ではないですか。コマンドサンボの達人は、強いというよりも、弱いところが無い、という感じなんですよ。死角無しっていうか。ぼくは四角なんです。本当はもう少し丸みを帯びたいんです。性格は、自分で言うのもアレですが、丸いほうなんです。踏まれても、唾かけられても、怒ったりはしませんよ

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道化のぬりかべ



妖怪仲間である唐傘小僧がこの度メス河童と結婚することとなり、ぬりかべは正装の上、式に出席した。タキシードはXXXXXXXLLLLLサイズの特注物だった。久しぶりに会う妖怪たちは皆ひとつも変わっておらず、当時のままのノリで和気あいあいと再会を楽しんだ。また、唐傘とメス河童の嬉しそうな顔を見ている内に、普段は無表情のぬりかべも、自然と込み上げてくるものがあった。式は、子泣き爺が号泣しながらスピーチ

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明魚人イェップ



明魚人(めんぎょじん)とは、明太子と人間の、あいの子である。半魚人に明太子が足されたと考えると分かりやすいかもしれぬ。とはいえ、魚卵と魚が合わさったような生き物が人の顔面をして人の言葉を話す、と言われても、大概の人には到底理解し難いものであり、この奇妙奇天烈な化物は長らく認知されることも無く、田舎のドブでひっそりと集落を形成して暮らしていたそうである。

イェップは、メスの明魚人である。両親は

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ロボ・ギャングW4H



ロボ・ギャングのW4Hは、いつものように愚連隊の仲間たち、G5XやMNO69らと、夜の街へと繰り出した。ガソリン・バーで飲んでいると、途中、CGC先輩がやって来た。その姿にW4Hたちは驚いた。何と、CGC先輩の耳から金のボルトが飛び出ているではないか。それだけではない。顎の辺りはチェーンで巻かれているし、へそにはプラチナ・ボルトが埋められている。最高にクールなCGC先輩だった。皆が羨望の眼差し

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ルドルフ・コールナーJr



ルドルフ・コールナーは、北欧にある小さな国の農夫であった。牛を飼い、畑でトウモロコシの栽培をしていた。しかし、あるとき国の独裁者の卑劣な裁定により、牛と畑を奪われてしまうこととなる。彼には妻がいた。牛と畑を奪われるということは、つまり仕事を失うということであり、明日からの食糧もままならぬこと、それはすなわち家庭の死を意味していた。正義感の強いルドルフ・コールナーは独裁者への復讐を胸に、一人立ち

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