見出し画像

睡眠の質を高める5つの方法

睡眠は脳の成長に欠かせない行動です。「寝る子は育つ」といいます。適切な睡眠の重要性は、古来より多くの人が感じてきただけでなく、科学的にも証明されています。朝起きた時に、頭がすっきりしていなかったり、日中眠かったりするのは睡眠が不十分な可能性があり、運動のような肉体的にも、勉強のような認知的にも、怒りや不安のような感情的にも、自分の能力を発揮することが難しくなります。そして、不完全な自分によって自分の人生を積み重ねることは、人生の幸せを感じる力にも悪影響を及ぼしかねません。

また、質の高い睡眠をとることは、自己認知の力を高める大切なステップでもあります。今回は、筑波大学の柳沢正史教授の動画を参照しながら質の高い睡眠に関して考えてみたいと思います。


24時間周期と90分周期を意識する

体内時計という言葉がありますが、24時間周期を持つ地球で暮らす人間が、24時間周期の体内時計を手に入れたのは必然のような気がします。もう一つ重要なリズムに90分周期があり、主に睡眠の研究によって明らかにされています。脳に刻まれたこの二つのリズムを意識して生活することで、睡眠の質だけでなく、日中の活動の質も大きく向上させることができます。

例えば、90分周期4回分で6時間になります。自分の最適な睡眠時間が何回分の周期に相当するのか、寝る時間と起きる時間を意識して調整することは睡眠の質を向上させる効果があります。また、日中の集中力にも90分周期があるとされています。つまり、集中力の持続は、大体最初の90分が最も質が良いというものです。例えば、会社のミーティングなども、この90分周期を意識してスケジュールすることで、効率的に行えるかもしれません。ちなみに、集中することで疲弊した脳をリセットするのに効果的なのは、広い視野を使って外界を感じることだとされています。20分程度が良いようです。

起きたら太陽の光を浴びる

日が昇り、日が沈み、また日が昇る。太陽の光とともに私たちの脳に刻み込まれたこのサイクルは、目覚めたときに太陽の光を浴びることでリセットされるとされています。起きた時に太陽の光を浴びることは、自分の24時間周期が始まることを脳に教える効果があり、そのリズムを意識して自分の生活の中に取り入れることで、24時間周期の後半に訪れる睡眠の質を高める効果があります。睡眠の準備は、目覚めた時から始まるのです。

自律神経を整える

睡眠と脳の成長は密接に関連していますが、脳が興奮している状態だと、なかなか寝付くことができなくなる経験をお持ちの方もいると思います。そんな時は、自律神経を整えることで、この脳の活動をリセットする効果があり、スムーズな睡眠へ導くことができます。ここでは三つの方法を紹介したいと思います。

二吸式呼吸(Double inhale)

まず、鼻から二回息を吸います。鼻から軽く息を吸った後に、もう一度鼻から力強く息を吸いこみましょう。すると、上半身、特に胸やお腹周り、が膨らむような感覚とともに、肩がスッと持ち上がる感覚が得られると思います。次に、口から少し長めに息を吐きます。最初の息は、ため息をつくように少し強めに吐き、その後細く長く息を吐きましょう。これを一回から三回程度行います。時間にしてわずか五秒~十秒程度ですが、自律神経が落ち着いてきます。

左右の眼球運動

目を閉じて、目を左右に30回ほど動かします。そうすることで、頭や胸の中で感じていたモヤモヤした感情が薄れていき、自律神経が落ち着いてきます。もし、モヤモヤが消えないようでしたら、40回、50回と数を増やして試してみてください。

胃腸癒し

食事をするときにゆっくり噛みながら、食べ物が体に取り込まれていく体の内側を感じます。お腹にやさしく手を当てて、自然な呼吸で動く体のリズムを感じながら、体の内部に意識を移すことで、自律神経が落ち着いてきます。食事なしで、自分の呼吸だけで行っても似たような効果が得られますので、覚えておくと良いでしょう。一方で、食べているときの方がより落ち着けるでしょう。

日中の眠気を軽視しない

日中に脳の活動が麻痺すると、眠気が襲ってきます。これには様々な理由が考えられますが、睡眠の質の問題があるかもしれません。例えば、電車で揺られたり、とても退屈な授業を受けたり、昼食を食べ過ぎたりすると、眠くなる人もいると思います。しかし、そのような日常の中でも、特別な何かがあるわけでもないのに、日中に眠気を感じる人もいると思います。そのような場合は、睡眠の質に問題があり、脳が十分に休めていない可能性を疑ってみてもいいかもしれません。睡眠時無呼吸症候群などの病気が関係しているかもしれません。寝具や室温などの環境の問題かもしれません。カフェインやアルコールなどの食事の問題かもしれません。昼寝をすれば復活するから大丈夫と安易に考えるのではなく、日中の眠気は危険のサインだと考え、自分のできる最大限の努力をすることをお勧めします。睡眠にはそれだけの価値があるのです。

リラックスを知る

「リラックスしましょう」と言われることがあると思いますが、それがどんな状態なのか教えてもらったことがある人は、ほとんどいないのではないでしょうか?日常生活は、肉体的にも、感情的にも、とても複雑で忙しく、睡眠を乱す原因になります。リラックスした状態を知り、リラックスできるようになることは、睡眠の質を高めるうえでとても大切なことです。

ヨガニドラは、リラックスした状態を知るとても効果的な方法で、良い睡眠との深い関係性も指摘されています。二吸式呼吸などで自律神経を一度整えてから、ヨガニドラを15分ほど試してみましょう。これを知れば、昼寝をしなくても済むようになるかもしれません。


ご愛読いただきありがとうございます。その他の記事はこちらのマガジンからどうぞ。

感情知能のトレーニングを始めたい方は、こちらのマガジンからどうぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?