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【140文字小説】 一瞬

※月々の星々応募作品

テーマ:「放」










鞘から切先が放たれる。



空気が揺れる。



風が唸る。


両者の放つ殺気が舞う。





お互い敵の間合いだ。


鞘を引け。



呼吸を止めるな。


切先が敵の左米神に入る。


そのまま刀は右顎まで走る。


項垂れる敵。




敵は右手に刀を持っていなかった。






「何故だ。」



「俺に友は斬れん。」






最後まで奴が寝返った理由が解らなかった。

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