私たちが、わざわざ作る理由、書く理由(後編)
やっと、人間らしくなれた感じがする。ずっと、無理して生きてきた。自分が人間だってこと、女性だってこと、自分は自分だってこと、おさえつけてきて、辛かったんだなあって、思うよ。
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こんばんは。天然石の手仕事ジュエリーひかりのいしむろの原口あゆみです。昨日の前編では、私たちやっぱり作りたいから作ってるし、書きたいから書いてるんだよね。というお話を書きました。(昨日の記事はこちら)
今日は、スキボタン予告のとおり「生産と癒し」について。
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ハンドメイドは、普遍的な人間の営み。
私たちの普段の生活、あまりに消費に塗れている。全部自給自足したいとは思わないけど。少しずつでも、生産する方向へ進めたら、もっと人間らしい自然な感覚がもっともっと蘇ってくるんじゃないか。
というのも...
私たちは、手を動かして何かを生み出すことで自分を癒すことができるのではないか。自然と、大地とつながり直すことができるのではないか。
ハンドメイドという行為は、文明がいくら進歩しても価値のある、非常に原始的で人間の基本的な営みのひとつなのではないか。
だから、頼まれてもいないのに作ってしまうのではないか。
ハンドメイド作家のパートナーの話や自分の体験、そしてこの現代においてもあまりに多くの人が「ハンドメイドすること」に夢中になっているのを見ると、全部仮説ではあるけれど、そう思えてならない。
ここで、パートナーとの会話に戻る。
手を動かすと、心が癒され、脳が鍛えられる
私「手で作るのって、どんな感じなの?」
パ「うーん。地に足がついているっていう感じかな。完成までの一つ一つのプロセスを大事にするから、その一種一瞬にいられるとうか、いわゆるイマ・ココにいられる感じがする...」
私「なるほど。作ってると落ち着く感じ? 癒しというか。頭を忙しく使わないからってことなのかな」
パ「そうだね。目の前の糸のことをひたすら考えてるから、それ以外のいろんなことを妄想する感じがないよね。一目一目編むことで前頭葉が鍛えられてる気がする」
私「前頭葉?」
パ「うん。前頭葉っていうのはざっくり言うと理性を司る脳なんだけど。今まで私、怒りとか感情に振り回されて、ずっと刹那的にしか生きてこれなかったから...。こうやって一目一目進めていくことで、じっくり腰を据えて理性が育っていくような感じ。」
私「ほおお。それはすごいセラピーというか、トレーニングだね。マインドフルにならざるを得ないという。」
パ「ほんと、そうなんだよね...。マクラメは、マクラメだけじゃないと思うけど、作品をちゃんと完成させたいと思ったら、ゆっくりにならざるを得ないところがあって。私には良いトレーニングになってるって思うんだよね。
ぜひみんなにも編むことを体験してみてほしいなって思うよ。マクラメって、もちろん作品を身につけるのもいいけど、多分いちばんいいのは自分で編むことだから。」
私「そうかぁ、なるほどね。それは分かる気がするわ。だって、レイキ(※)も本当にそうだもん。受けるのもいいけど、やっぱりどうしてもレイキする側のほうが心身改善しちゃうと思うんだよね。作品を見たり買ってもらったりするだけじゃなくて、”自分で作る”ことをやってみるワークショップとか、やってみたいね」
(※レイキ:私の取り組んでいる自然療法の1つ。ご興味ある方は私のマガジン靈氣記(れいきっき)をご覧ください)
地球の物をお借りしている感覚
パ「あと、編みながら石と対話してる感じになるのがいいんだよね。私、マクラメ編みながら石包んだりしながら、天然石って魅力的だなあって思うようになったの。」
私「石と対話かあ〜! 私は石自体がすでに好きだったけど、なるほど、作りながら好きになることもあるんだね。」
パ「このマクラメっていう、石と糸の作品を手で作るのって、地球のものをお借りして手で加工させてもらってる、という感じがして。なんかさ、『みんな地球の子どもなんだ!!』っていう感覚がするんだよ。」
私「そうなんだ、そんな体感、まさに地に足が付いている感じだね。」
書くこととはまた違う種類の癒し
また私の話。以前、ブログにはまっていた私は「ブログセラピーのすすめ」という記事を書いたことがあった。自分の思っていること・感じていることをとにかく書くと心理的な改善があるよ、癒されるよ、というお話。
書くことで癒される。これは100%絶対にあると言いきれる。疲れている人、傷から少し回復したような人、書くことに抵抗がない人全員にお勧めしたい。
ただ、手を使って何かを作ることはそれはそれで、また別の癒しがあると思っている。2つ体験を紹介させてほしい。
一度だけ、私もマクラメ作品を作ったことがある。私の大好きなマクラメ作家さんのワークショップで本当に簡単なアイテムを作った。この時、みんなのおしゃべりが徐々にやみ、静寂中ひたすら編み続けていたあの時間。頭の中が空っぽになること、編む瞑想という言葉がぴったりの経験だった。(以下の写真はその時のもの)
それから、私は会社員だった頃、自炊って癒しだなと思っていた。夜遅くまで仕事をして、すきっ腹でふらふらになりながら帰り、さらに持ち帰り仕事まで完全に終わったら、冷蔵庫と冷凍庫を駆使して自己流の白米入りの雑煮などを作る。
野菜を切ったり卵を溶いたりしている間は、それ以外のことを何も考えなくてよかった。しかも、短時間で出来上がり、仕事と同じくらいの達成感があった。さらに、おいしい。どのくらいの頻度でそんな料理をしていたかは忘れてしまったけれど、私にとっては貴重な癒しの時間だった。
最近、色々忙しくしてしまって、そんな時間をほとんど取れていませんが…
私も久しぶりに何か作りたいな。
みなさんもぜひ、料理でも手芸でも、折り紙でも。何かつくることに夢中になる時間を取ってみるといいことあるかもしれません!
*ひかむろのヒトコマ*
梅雨明け、蝉の声の降りしきる公園で。「宇宙の一粒」の石、ラブラドライトの動画です。(同じ種類の石なんです!)
この青い光、私たちは「青ギラ」と呼んでいます。そのまま...笑 違う角度からはもっと複雑な色に見えます。蝉の声が出るのに注意しながら、ぜひ動画を覗いてみてくださいね〜!