夫の一言が、元拒食症の私を支えている
タイトルをどうするかと悩んでいたが、ちょっとナイーブそうな感じになってしまった。
元拒食症。
診断されたわけではないが、今振り返れば自分ではそうだったと感じる点が多い。
考察好きな私でも、自分自身のこのことに関してはあまり考えたくなかった。
というか、考えてしまうと自分が負けたようで嫌だった。
あのときの経験を思い出して泣きそうになるし。
まぁ終わったことだ!自分乗り切ってすごい!と切り替えていた。
小学生からバスケを始めて、たくさん食べて大きくなれ!と言われてたくさん食べてきた。おかげで食欲旺盛で、よく食べる子でした。好き嫌いなく、よく食べた。
身体測定時の体重では、いつも肥満度は平均肥満度+5〜10%くらい。ぜんぜん太っていないが、痩せてもいない。ちょっとまるっこいくらいの体格だった。親友はいつも肥満度マイナス。ほっそりしてていいなぁと思っていた。
中学に上がると、思春期ということもあり、自分の体型が気になってきた。シャツインしなければならない校則。お腹を入れると自分のお腹が出ていて、嫌だった。ソックスも、なるべく長いハイソックスを履き、ふくらはぎが少しでも細く見えるようにしていた。ふくらはぎの中央の丈のソックスを履いたら、脚がすごく太かった。
同じバスケ部の子はみんな締まって細い脚。ウエストも細い。ユニホームを着るのも何ら抵抗がないのだろう。私は、いつもユニホームを着ると落ち着かなかった。なんかみんなよりもムチムチしている気がして、いやだった。
高校時代、部活のストレスから食べられなくなった。53kgだった体重が42kgになったのを覚えている。たったの2ヶ月で。
おにぎり1個が限界だった。2個食べようとするとどうしても気持ち悪くなった。覚えているのは、朝ごはんは電車でマドレーヌなど1個、お昼におにぎり1個、夜はトマトジュースとパン一個を食べられるところまで。食べられる日は、塾終わりに家族の夕飯の残りをつまんだ。
毎日を生きるのが辛かった。
いつも胸が、喉の奥がつっかえる感じで、早くこの時間が終わってくれと思っていた。
でも友人、家族、周囲の人には恵まれていた。たくさん心配をかけた。だからこそ、辛かった。
早くいつもどおりになれ、と願って過ごしていた。
でも。
今まで太り気味だった自分が初めて痩せたとき、全く食べられなくて死にそうだったけど、体型に満足できていた。
お腹が出ていない。写真でほっそりしている自分を見て、太ってない、いい感じだ。と思っていたところもある。
あんなにいやだったユニホームも嫌じゃない。靴下も、積極的にふくらはぎのミドル丈を履くようになった。それを履いても細く見えるから。私服でも、タンクトップもショートパンツも着られるようになった。
そんな自分は、知らない間に自分のボディイメージをぐちゃぐちゃにしてきたのではと思う。
今は、栄養を考えることも大好きだし、筋トレ、ランニングも好き。
私が健康思考が強いのはこの経験のせいであり、この経験のおかげだ。
昨年、年末年始の暴飲暴食からお腹が出てきたことでショックを受けた。
私が夫に「太ってるよね?やせないとだよね?」と焦りを示すと
「しぃちゃんのことを太ってるなんて、一度も思ったことないよ。」
と一言。
今まで一緒になってからもう数年経つけれど、これはなんとも嬉しかったのだ。
いちばん大切な人が、自分を認めてくれている。
体型なんてほんの小さなことだったんだ。
自分の中の小さな悩み。人との勝手な比較。
夫の一言は、自分の体型を認められない自分をふわっと包む安心感そのものだった。