『金持ちジュリエット』#ショートショートnote杯
「江藤氏のバイタリティーって、どこからくるのですか?」
『活躍する経営者』という雑誌の企画のインタビュー中だった。
「反骨精神ですね。子どもの頃、いじめられっ子だったんですよ」
「へえー、それは意外ですね」
「その頃のあだ名が『金持ちジュリエット』で」
「いじめられていた子のあだ名のようには感じられませんが?」
「英語の授業のとき『ジュリ・エトウ』って先生に呼ばれたのが切っ掛け。『ロミオとジュリエット』のイメージと程遠いブスでデブだったし、家も服もボロボロの貧乏だったから、二重に嫌味だったわけですよ」
「そこからどうやって反骨精神が芽生えたのですか?」
「メイクとスポーツを頑張って美人風に見せて、アルバイトやネットビジネスでお金を稼いで、服や持ち物を高価なものにしたんです。嫌味を現実にしてしまえば、だれも嫌味で『金持ちジュリエット』って言わなくなりました」
「ほう」
「でも、本当はいちばん変わった内面を認めて欲しかったんですね」
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