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3本のろうそく -3歳&0歳4か月との週末-

土曜日
 とっても楽しみにしていた週末の始まり。母と姉一家が関西から遊びに来て、娘の誕生日会をするのだ。

 昨晩、子供たちが寝たあと部屋の片づけをして、壁にHappy Birthdayのガーランドをつけておいた。起きてきた娘が、さっそく見つけて「お母さん、ありがとね!」と大喜びで、寝不足が報われた。

 「みんなもう来る? もうすぐ?」と、ワクワクの娘。私がサラダとタコのカルパッチョを作っている間に、壁に飾る用の風船と、数字の3の形の風船を夫が膨らます。娘は自分の引き出しからワンピースを取り出し、「これ着る!」と、主役の装い。

 最近、娘の顔が一気に面長になった気がする。ぷくっと丸顔だったのに、シュッと顎が出て、急に大人びた。抱きしめる体も、柔らかくて丸みがあったのに、いつの間にかしっかりと固くなった。たまに横顔を見ていて、もうすっかり少女の顔でドキッとしてしまう。もう3歳なんだね。

 仕事に行っていた夫が、予約していたケーキをピックアップして帰ってきて、パーティーのメイン料理、唐揚げを揚げ始める。部屋中がいい匂い。

 お昼ごろ、姉たちが到着。娘はいとこたちに会えてうれしくって大興奮。椅子が足りないので、リビングにローテーブルを出し、娘と姪っ子たちの子供用テーブルにした。大人はノンアルで、子供たちはお茶で、乾杯! 娘はちゃっかり、保育園の誕生日会でもらった紙の冠を頭につけていた。おいしい、おいしいと言い合いながら、みんなで1.5キロもあった唐揚げを完食した。夫の唐揚げはみんなの大好物。

 娘が「あっ、ケーキも食べなきゃ」なんて、うっかり忘れてたふうに言うのがおかしかった。前から「ピンクのいちごのケーキがいい!」ってリクエストされていたのだ。

 ケーキの箱から出てきた、初めて見るホールケーキ。ろうそくを3本立て、部屋を真っ暗にして、火をつける。みんなでハッピーバースデーを歌う間、ろうそくの炎を見つめる娘の瞳がキラキラとうれしそうに輝いていて、思わず泣きそうになった。

 「吹き消して」と言うと、一生懸命フーフーして、3本とも自分で消すことができた。1年前の誕生日ではできなかったけど、今回はちゃんと自分で吹き消した。

 そのあと、お待ちかねのプレゼント。姪っ子から絵本、母からはキティちゃんのお医者さんセットをもらった。娘がリクエストしたもの。姪っ子の影響でキティちゃんが好きになったみたい。

 夕方から近所の温泉旅館へ移動する。翌日仕事の夫を置いて、私と子供たちだけみんなと一緒にお泊り。

 チェックインしてすぐ、みんなで温泉に入った。大きなお風呂はちょうど貸切状態で、気兼ねなくおしゃべりしながら入れた。

 浴衣を着て、晩御飯を食べて、寝るまでキャアキャア騒いで、なんとか21時過ぎにチビっ子たちを寝かしつける。

 そのあと、私と姉と小学生の姪っ子の3人で再びお風呂へ。最近の私のお風呂って、子供2人を同時にゴキゲンに入れることがミッションなので、ゆっくり体を伸ばしてお風呂に浸かるのが久しぶりで本当にうれしかった。

 小学生の姪っ子と話していると、小学生になったらこんな感じなのか~って娘の将来を想像してうれしくなる。小学生になったら、もうどこでも一緒に行けるし、なんでも一緒にできちゃうね。一緒にやりたいことがいっぱい。

 姪っ子が寝たあとも、姉と二人でいろいろ話して夜更かしした。こんな夜は久しぶり!

日曜日

 朝ごはんを食べているとき、給仕してくれているスタッフの人がぽろっと言ったことを、私が面白がってマネしたら、その私のマネを娘がマネしてしまい、大人たちが笑ったことで得意になり、いつまでもマネしていて困った。ほんと、自分の発言に気をつけないと。

 子供たち用の朝ごはんはパンケーキだった。あまりに美味しそうなので「お母さんにもひと口ちょうだい?」と言うと、「いいよ」とパンケーキをくれて、「一緒に食べるとおいしいね」と言ってくれた。これ、確かに私がよく言う言葉なんだけど、こうして娘から言われると最高にうれしい。

 チェックアウトのあと、母と姉たちとバイバイして、私と子供たちは家へ。お昼に夫が仕事から帰ってきたあと、夫と娘が2人でスーパーへ買い物に行ってくれた。

 しばらくして、大荷物で帰ってきた二人。夫が「今日は娘ちゃんの欲しいって言うもの、すべて買う日にした」とのこと。なんて楽しそうな買い物! マグロのお寿司、カッパ巻き、かんぴょう巻き、半額に値引きされたゆでガニ、ゼリー、オレンジジュース、みかん、アンパンマンのクッキー... ごちそうがいっぱい。

 夕方、クレヨンとペンを出してお絵描きをした。先週、大学の学祭で喜んでいたマッキーでのお絵描きを再現したくて、初めてペンも出した。ペンはクレヨンよりさらさら描けるし、キャップを開け閉めするのも楽しそう。

 こげちゃ色のクレヨンを持って、「これ、何色?」と聞かれたので「こげちゃ」と言うと、「ソーセージに似てるけどちょっと違うね」だって。

 はがきサイズの紙に絵を描いてもらい、裏面に私が住所を書き、おじいちゃんとおばあちゃんに、お誕生日プレゼントのお礼の絵はがきを出すことにした。娘が書いた絵は、色と大きさの違う丸が4つで、丸の中に目と口らしきものが描かれている。「お父さんとお母さんと娘ちゃんと弟ちゃん」とのこと。みんなでピクニックしているらしい。こんなのが描けるようになったのか! と驚きだった。

 絵はがきを描いたあと、シールの切手を一緒に貼って、近所の郵便局まで投函に行った。息子と夫は家でお留守番で、久しぶりに娘と二人きりで外を歩く。小さなどんぐりを拾ったり、学校の運動場で中学生たちがサッカーをしているのを見たり、野良猫を見つけたり。秋のお散歩、楽しい。

 家に帰って手を洗うとき、いつも私がサポートしていたのに、いつの間にか全部自分でできるようになっていた。自分で水を出し、手を洗い、石鹸をつけ、水で流して、水を止める。タオルで手を拭く。これを自分でやってくれるだけで、めちゃくちゃ楽だ。ありがたい。

 晩御飯は、夫と娘が買ってきたカニとお寿司。娘はカニがかなり気に入ったみたい。アレルギーがないのは分かってたけど、こんなにたくさんカニを食べさせたのは初めてだった。夫はお寿司を食べさせながら、「これが、かんぴょう巻き。こっちが、かっぱ巻き」と名前を教えていた。

 食事のときはEDISON箸やスプーンを使っているんだけど、最近、大人用のお箸に興味深々で、今日は「お箸、練習してみる」と言い出した。本人のやる気のあるうちにやらねばっ! と、張り切って教えようとしたけど、うまく教えられない。「娘ちゃんには難しいからやめる」と言われてしまった。まずは私がお箸の教え方を練習しないと。

月曜日(振替休日)

 朝、最近お気に入りの粘土遊び。100均で買ったキラキラ粘土がスライムみたいな感触で、手も汚れないし、触ってて気持ちいいし、何度も繰り返し遊べるし、重宝している。くるくる丸めて団子やパンケーキを作った。

 夫が帰ってきてから、近所の公園でやっているイベントへ。もう11月だというのにポカポカ陽気で、私は今日も半袖だった。

 公園には、移動動物園が来ていた。娘はウサギを撫でて、エサをやるのを楽しみにしていたんだけど、いざ動物たちを目の前にすると、怖くて固まってしまい、ずっと夫に抱っこしてもらっていた。

 半年前にも同じ移動動物園に来たけど、その時も怖がって、結局カメの甲羅にちょんっと触っただけで終わったのだ。半年経っても慎重なところは全然変わっていなかった。今回は、私が手に乗せたヒヨコの頭をちょこちょこっと撫でていた。

 動物園を出て、屋台でごはんを食べた。娘は夫に綿菓子を買ってもらっていた。先週も学祭で綿菓子を買ったんだけど、結局食べきれないのだ。少し食べたあと、すぐに手や口のまわりがべとべとになって嫌になって、大人が食べる羽目になる。大人になってから、こんなに綿菓子を食べることになるとはな。

 ごはんを食べたあと、出店を見てまわった。子供向けにワークショップをやっているお店がたくさんあって、娘はビーズがずらりと並んだお店の前で立ち止まって、動かなくなった。「ほかのお店も見ようよ」と言うけど、私のシャツの裾をつかんで離さない。娘は何か欲しいものがあるとき、「欲しい欲しい」と言うのではなく、黙ってその前で立ち止まり、動かないタイプだ。

「やりたいの?」
「うん」
「一緒にやってみよっか」

 好きなビーズを選んでオリジナルボールペンを作るというワークショップだった。娘が選んだビーズを、私も手伝いながら一緒に金具に通し、ボールペンの完成。半年前に同じイベントに来たとき、もう少し大きくなったら、こういうワークショップも一緒にできるのかな~なんて見ていたのが実現して私がうれしかった。

 息子がぐずり始めたので帰ることにしたけど、娘はスーパーボールすくいもやりたいと駄々をこねだした。説得して連れて帰ったけど、帰り道はグズグズ。これは疲れてるな~と思って、家に帰って一緒にベッドで横になって絵本を読んでいると寝てしまった。普段、昼寝はほとんどしないけど、連休の疲れが出たのかな。

 息子が最近、みんなが食事しているのを見てダラダラとよだれを垂らす。もしかして食べたいんじゃないか? ってことで、夕方、夫が十倍がゆを作った。少量の米を小さな鍋で煮て、すりばちですって、とても丁寧に作っていた。

 ファーストバイトは娘から。娘が使っていた離乳食用のスプーンを「弟ちゃん使っていいよ」と、お姉さん発言。息子は、大きく口を開けて、やる気満々で、少し食べてくれた。まだ4か月だしちょっと早いけど、少しずつスプーンに慣れさせていこうと思う。娘も嬉しそうで、ぐいぐい弟の口にスプーンを入れていた。

 少しずつ、娘が赤ちゃん返りする時間が短くなってきている気がする。息子の離乳食の最初のひと口は娘にやらせようと言い出したのは夫で、いつも娘の気持ちを最優先に考えていて、夫もいつの間にか立派な父親だなあと思った。

 姪っ子たちのおかげで、娘の誕生日を盛大にお祝いできて大満足の三連休だった。

 引きこもりだった夏を終えて、外に出るのが楽しい季節になった。行きたいところもいっぱい。夫は週末も仕事が多いし、私と子供たちだけで行ける場所も増やしていきたいな。


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