中高生のための就職ガイダンス「コミュニケーション」
コミュニケーション
コミュニケーションというと、何だか難しいように思いがちですが、決して難しいものではありません。
仕事に限らず、日常生活において、無意識にやっていることです。
会社でのコミュニケーションを分解すると、軸は挨拶とホウレンソウです。
コミュニケーションで大事なことは、長さではなく、頻度です。
短いコミュニケーションでもいいから、数多く接することです。
まず、挨拶から入りましよう。
挨拶は、初歩的・基本的コミュニケーションですが、非常に大事なコミュニケーションでもあります。
挨拶は、自分は味方であり友好的であることを、目の前の相手(お客様や上司・同僚等)に知らせるサインでもあります。
明るい挨拶は、明るい職場の基本です。
挨拶は、意識するとかえって難しくなるものです。
あえて練習したり、教えられたりしないと、なかなか身に付かないものでもあります。
会社でも、新入社員教育では、必ずと言っていいくらいに行われるメニューです。
「オアシス運動」といって、朝礼などで日常的に挨拶励行に取り組んでいる会社もあります。
「オアシス運動」で唱和するのは、以下のようなものです。
①おはようございます
②ありがとうございます
③失礼します
④すみません
⑤いらっしゃいませ
この頭文字を組み合わせて「オアシス」と言っています。
挨拶には、言葉と行動(会釈)が同時にあった方が、相手に伝わりやすくなります。
会釈は、敬意の表れです。
言葉で友好を示し、会釈で敬意を表します。
ただし、重々しい挨拶だけが挨拶ではありません。
時と場所によっては、会釈だけでも挨拶となり、歓迎の意思表示となります。
社内ですれ違う見知らぬお客様などは、自然に会釈できるようにしたいものです。
慣れた社員同士では、おはよ~、お先に~、さよなら~、などの簡単な言葉でも許されるでしょう。
挨拶の4大効果として、次のように言われています。
①他人から知人になる手続きである
②自分の相手(お客様・仕事仲間)として認めることである
③信頼の交換である
④礼儀であり作法である
ここでの礼儀とは敬意を表す動作であり、作法とは正しい動作のことです。
先輩や、上司、お客様から話しかけられたら、「キチンと、大きな声で」返事や挨拶を返すことです。
こちらから心を開いて近づけば、相手も近づいてくるものです。
挨拶のできる人は、挨拶をされる人になります。
信頼は、挨拶の言葉から生まれてきます。
挨拶はコミュニケーションの原点です。
心得違いをしている人が少なくないので、特に付け加えておきます。
仕事では、「何もないから報告しなくて良い」ではだめです。
「何もないことを報告する」ことも必要なのです。
何もないことを報告する人は、コミュニケーションがとれる人です。
コミュニケーションがとれる人は、人間関係を作れる人です。
人間関係には、常にトラブルがつきものです。
人間関係と聞くと、ほとんどの人は、「むずかしい」とか「わずらわしい」というイメージを持っています。
人間関係とは、そもそも、矛盾だらけなのです。
それに気づかないで、「うまくやらなければならない・・・」と思いこんで悩む人が少なくありません。
人間関係は、矛盾だらけなのが当たり前と考えましょう。
少しぐらい矛盾があっても、くよくよしないで、それを肯定して受け入れてみるのです。
人との関係は、1十1 = 2とは必ずしも限りません。
割り切れない、矛盾している、難しい、ややこしい、そんなことを肯定して、そこを起点にして考え、行動するのです。
そうなれば、「そりゃあそうだ、色々な考えがあって当たり前なんだ」と受け入れることが出来ます。
人は、時には、「考え方に基づいて行動する」から、「行動にあわせて考えを変える」に変えてみると良いこともあります。
「考えに合わせて行動する」を貫くと、苦労することが少なくありません。柔軟な考え、協調性・・・-とはそういったことです。
それが、コミュニケーションのとれる人になるコツです。
最後に、仕事の場は、人と人とが接する場です。
そこには、必ず人に対する感情「良い感情、良くない感情」がともに入り込みます。
一方で、仕事は一人でやっていくことはできません。
他の人、多くの人の協力がなくては、やっていけません。人の助けを借りなければ、仕事は容易に進まないし、やっていけません。
したがって、人にネガティブな印象を与えないように注意が必要です。
そのためには、人から好意を持って接してもらえるような言動が大事になってきます。
その第一歩が挨拶なのです。