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中高生のための就職ガイダンス「学生と社会人では何が違う?」

学生と社会人では何が違う?

今日は、原点に返って、(中学生、高校生、大学生を含めて)学生と社会人の違いについて考えてみます。
最も大きな違いは、ミスしたときの責任と評価でしようか。

まず学生から
学生の日常の仕事は勉強です。
勉強のミスで最も大きなものは、単位不足や所謂赤点といった成績不振でしようか。

しかし、成績不振だからといって直接的に、他人に迷惑や損失を与えることはありません。
強いて言えば、追指導や追試験など、担当教員の労力がプラスされることでしようか。

それとて、学校内で処理されることで、対外的に影響するものではありません。
因果関係がハッキリした、自己資任、自己完結の世界です。
評価にあっては、いっとき、クラスや仲間内で話題にはなるでしょう。
成績証明書として校外に出ることはありますが、そこは追試で再評価されることが多く、大きなダメージを受けることは少ないでしょう。

なんと言っても、次回試験の成績次第では、「±0」か「+」になる可能性が得られるといった、汚名挽回のチャンスがあります。
学生には公平に、回復のチャンスが与えられています。

次は社会人です。
会社の仕事でミスした場合はどうなるでしょう。
ミスの内容や程度にもよりますが、一般的には仕事の相手に、それはエンドユーザーであったり、取引先であったりしますが、迷惑や損害を与えることになります。
もちろん、自社内においても同様です。

つまり、迷惑や損害の及ぶ範囲が広く、自分一人の責任ではすまされないのです。
責任をとって会社トップが辞職とは、間々あることです。
 
評価にあっては、まずミスした本人の信頼が失われます。
失うのは簡単ですが、一度失った信頼は、ほとんどの場合、回復困難です。
よしんば、回復できるとしても、相当のエネルギーを必要とします。
責任を負って、役職の格下げ、本社から関連企業へ出向や地方へ異動など、待遇ダウンや、事によっては解雇もあります。

会社の受けるダメージは相当大きく、会社の社会的信用を失うこともあります。
事の重大さによっては、責任者や代表者の辞任では済まなくなり、会社の存亡にかかわる事態にまで発展した例もあります。

「学生だから許される」
「社会人なので許されない」

この間には相当大きな差があります。

極論すれば、「学生=卒業式」から「社会人=入社式」までのわずかな時間で、扱われ方が、世間の見方が、反転するのです。
学生の生活リズムと意識が深く染みついている人ほど、この切り替えが難しいのです。
だから「就職=社会人になる」ことは難しいのです。

仕事は、今日までの日常生活の延長上にあるものです。
一般的に、生まれてから今日までの長い間に身についた癖、考え方、生活習慣、行動パターンなどは、容易には変えられないものです。

そこで企業は、
1) 核家族化や両親共働き化などにより、かつては地域や家庭が果たしてきた「しつけ」の機能が弱くなっている。
2)景気低迷、低成長経済の時代となり、企業は効率重視の経営姿勢を強め、社員教育のカが弱くなっている。
事などから、学校に対して、生徒が「社会性や基本的生活習慣」を身に付ける場であることを期待しているのです。

会社では、
1)自分がやらなければならないことを教えられます
2)真面目に取り組まないと仕事が進みません
3)嫌な人でも折り合いを付けなければなりません
つまり、会社は「人間修行の場=成長の場」でもあるのです。

一方、学校では、
1)自分がやらなければならないことを教えられます
2)真面目に取り組まないと勉強が進みません
3)嫌な人でも折り合いを付けなければなりません
となり、学校も「人間修行の場=成長の場」なのです。

つまるところ、「集団のなかでどう行動したらよいか?」を学ぶのに、学校ほど適した場所はないのです。
学校の勉強は、世の中を知り、世の中に自分の居場所を見つけ、自分の身を守る能力を身につけるためのステージなのです。
このことをキチンと自覚した上で、学校での生活を過ごしてください。

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