中高生のための就職ガイダンス「仕事は覚えないとつまらない」
仕事は覚えないとつまらない
「仕事がつまらない」状態から抜け出せない人は、「仕事を覚えない」ということが、原因の大部分を占めています。
仕事について、「こうやるんです」と教えられ、それが合わなくて「いや」になる。
「いや=辞める」と短絡する。
仕事を覚えるのは、仕事暈ではなく経験量です。
経験量とは、「仕事からどれだけのものを吸収できたか」です。
仕事の暈が多いだけでは、キャリアとはなりません。
仕事を覚えるとは、「仕事を覚えることで自分も成長できる」ことです。
ただ単に、「この仕事がこなせるようになった」というものではありません。
仕事とは、会社と自分の双方にメリットがあるものです。
①会社は、売上を増やし利益を得る。
②自分は、給料を得て仕事のノウハウを身につける。
会社のなかには、多種多様な仕事があります。
その仕事が、たとえ組織の中の小さな1個の歯車であっても、必要性があるから存在する仕事であり、必ず役割(ポジション)があります。
役割(ポジション)は、経験を積み重ね、仕事を覚えて初めて分かるものです。
自分流に仕事のやり方を工夫したり、自分の考えで仕事が進められるポジションに出会うと、もう仕事が楽しくなります。
そうなるまで、懸命に仕事をすることです。
自分のやりたいことに思いを巡らすよりも、いかにこの仕事を早く覚えるかが肝心なのです。
古い話になりますが、2009年放送のテレビ番組「カンブリア宮殿」で、当時の花王の社長・後藤卓也氏のこんな言葉がありました。
村上龍さんや荒川静香さんのような、特異な才能のある人は、それをそのまま伸ばせばいい。
私を含めて、大多数の人は平々凡々の人間。
そんな人たちは、どこにあるか分からない自分さがしよりも、会社の夢に自分の夢を重ね合せてみてはどうか。
私がよく社員に言うのは、「目の前の峠に登ろう」
目の前に峠が見えていたとき、ふもとで寝っ転がって、汗かくのは嫌だから、あんなところに登ったって何にも良いことはないよ、などと言うなかれ。
そんなことを言わないで、とにかく登ってみよう。
*******2009年の毎日新聞掲載記事から*******
「したいことと できることは違う!」
という言葉に出会い
会社で「したいこと」と「できること」は
異なっていることに気づいた。
こう考えはじめたのは、
中堅企業の社長との面接であったり
説明会で
「自分の市場価値を考えなさい」と
経営者から聞いたときだった。