Shigechan716

還暦超えて少々経過、子供達も家庭を持って独立、読書できる時間が増えました。原田マハのア…

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還暦超えて少々経過、子供達も家庭を持って独立、読書できる時間が増えました。原田マハのアート小説、東野圭吾、池井戸潤、向田邦子、そして山崎豊子、司馬遼太郎、安部龍太郎の骨太なのも好きです。アートや映画と共に日常のエッセイや読書のこと気軽に語りたいと思います。

最近の記事

日本の夢に懸けた画家 〜ファン・ゴッホ〜

ファン・ゴッホという人間の生きざまを端的に知ることができるとても素晴らしい教本とも言える本です。ゴッホの性格、苦悩、そして絵に込められた彼の思想、精神、境遇などが切々と読者に訴えてきます。後年、なぜこれほどまでにゴッホの絵が愛され、ファンが多く、そして脈々と書き連ねられ、人々を捉えているのかは、最後の「おわりに」の章を読むことで深く理解できます。それほどにこのあとがきは秀逸です。 オランダのハーグ~ニューネン時代の絵は暗い色調のものが多い。特に好んで農民を描いていました。自

    • 2021年に読んだビジネス書から5冊   ~明るい未来に期待して~

      晴れた日の夕暮れには、葛飾北斎の「赤富士」のような富士山が我がベランダから見えます。心和むひとときです。 今年ほどビジネス書を読んだ年はなかったように思います。還暦を超えてから就いた新たな仕事のための情報収集が目的だったが、そこから派生的に興味の幅が広がり、様々なジャンルを読みました。2月に可愛いかわいい孫ができたことも重なり、地球や社会の未来まで考えるようになった自分に驚きです。かといって何ができるわけでもないのですが、知識欲だけが湧いてきてしまい、本代にわずかなお小遣い

      • 「モネのあしあと」と心に残る風景

        モネがまだ20代のときに描いた珍しい冬景色の絵。私はこの絵が大変お気に入りで引き込まれそうなほど愛着を感じる。なぜなら北海道の片田舎出身の私にとってまさにこの絵は故郷の冬の風景だから。 雪がしんしんと降った翌朝、冬の晴天の日の太陽の光が雪の表面を真っ白に照らし、その反射の眩しさに目を細めながら、長靴でひたすら学校へ向かって歩いている幼少の自分を見ているような感覚におちいる。 通学の途中には、絵の右にドンと構える大きな農機具などの用具小屋があり、その屋根には真っ白な真綿で編ん

        • 上野の森の「ゴッホ展」へ行きました!

          ラストデイに間に合って何とか上野の東京都美術館で開催されていたゴッホ展を見ることができました。 今回はゴッホが、まだ評価が定まらない途上のときに、ゴッホの絵に惚れ込み、1908年から20年間にわたって、彼の作品を収集したへレーネ・クレラー・ミュラーの収集の中から油彩画28点、素描・版画20点が展示されました。 事前に読んだ原田マハの「たゆたえども沈まず」の情景を思い描きながら、その絵の描かれた時期と、その頃のゴッホの状況、心の中を想像しながら見ると、また一味違った絵画の楽

        日本の夢に懸けた画家 〜ファン・ゴッホ〜

          原田マハの「たゆたえども沈まず」とゴッホ展

          先月のある日、友人からラインに「今から上野のゴッホ展へ行ってきます。運よく予約が取れた!ラッキー!」と連絡があった。私も12月中旬の開催中までに追々予約の上、行こうと思っていたが、先々までほぼ × 状態ではないか! あきらめかけていたところ、たまたま空いたのかついに最終前日の予約をネットで取得できた。12月11日、ラッキー!! しかし、私がファン・ゴッホのことについて知っていることと言えば、「ひまわりや糸杉、独特の自画像などを描く、情熱的な性格の持ち主。また耳を切り落とした

          原田マハの「たゆたえども沈まず」とゴッホ展

          カズオ・イシグロ「日の名残り」に自らの人生を重ねて。

          ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作でブッカー賞も受賞した作品である。心に深く響く名作であると思う。ネタが少々分かってしまうが、静かな感動の余韻の中で書くことを許されたい。 この物語の主人公であるスティーブンスは長年にわたり、ダーリントン卿に執事として仕え、卿の屋敷に各国の政治家や、それに係る人物たちが常日頃集まり、密室の会議を行う激動の時代が背景にある。大きく歴史が動く中で、自らの思想や考えはいっさい持たず、常にご主人に忠実に仕え、あらゆる会合、晩餐会をつつが

          カズオ・イシグロ「日の名残り」に自らの人生を重ねて。

          転職と自身の成長、新たなことを知る喜び!

          11月から転職した長女が久々に遊びに来た。働き始めて2週間経過したが、思ったより元気そうでひと安心。新卒で入社し2年勤めて転職を決意、4月に希望の会社から採用通知をもらい、意気揚々としていたのに残念ながら2ヶ月でリタイア。転職できた時の大喜びはぬか喜びで、思っていたのと全く違う仕事環境。3ヶ月ほど静養せざるを得ず、ゆっくりと就活し、迷いながらも今の会社へ入社を決意した。20代半ばですでに3社も経験、40年間で2社に勤めた私に比べて、すでに経験豊富な人生を送っている。 商社に

          転職と自身の成長、新たなことを知る喜び!

          10月に読んだ本から

          紅葉の季節になってきました。 毎週末覗くイオンモール内にある未来堂書店の店頭には、芥川賞、直木賞を受賞した作品が積み上げられている。目立つ場所にドーンと置かれているのは分厚い「テスカトリポカ」。カバー写真も目立っており、近々読みたいと思うが単行本はちと高いなあ。 先日、受賞を目指す作家達の戦いと、どの作品が受賞するかによって売場の準備をする書店の裏側がNHKで放映されていた。発表前から番組は候補の作家たちを追いかけており、各作家の心情がよく分かって面白く興味深かったが、受

          10月に読んだ本から

          ガリレオ探偵シリーズの東野圭吾「沈黙のパレード」を読んで

          今月はビジネス書を読むことが多く小説は少なかったので投稿をご無沙汰してしまった。ビジネス書については別な機会にご紹介したいと思う。昨今のテクノロジー特にAIの進化に驚き、企業戦略の置き方も大きく変わらざるを得ないように思う。そんな合間に読んだのが東野圭吾の「沈黙のパレード」、先月読んだ「ナミヤ雑貨店」に続き大変面白い物語であった! このシリーズを読むと必ずガリレオこと湯川教授が登場するシーンでは福山雅治を誰もが思い描くと思う。それほど役柄と役者が対になっているキャラクターだ

          ガリレオ探偵シリーズの東野圭吾「沈黙のパレード」を読んで

          9月に読んだ本から

          日がとても短くなり秋の気配が濃厚になって来たことを日々感じる今日この頃。そろそろ紅葉の便りもちらほらと聞こえますね。9月は積んでいて未読本や図書館を利用して借りた本を中心に読みました。 映画にもなったようですが、久々に東野圭吾氏の本を読んだ。非常に面白かった。私は年齢的に雑貨店の親父である浪矢雄治に重ねて読んでいった。あまり書くとネタバレになるので書けないが、どんな人間でも人に相談したいほど迷うことがある。しかし意外と近親者には相談できない。悩みながら選んだ方法を結果的に良

          9月に読んだ本から

          歌舞伎と絵には切っても切れない繋がりがある ~歌舞伎座にて「東海道四谷怪談」を見ました~

          それなりにお金がかかるので滅多に歌舞伎を見ることはできない。またこのコロナの状況ではおいそれとは行けなかったが、家内がずいぶん前から予約し楽しみにしていたのが、玉三郎と仁左衛門が共演する「東海道四谷怪談」、例のお岩さんの恐ろしい復讐のお話である。 いつもならきらめくように美しく艶やかな役を演じる玉三郎だが、今回は真逆の恐ろしい情念の役を演じる。 毒薬によって顔面が恐ろしい顔に変わったお岩さんが、伊右衛門と共謀して毒薬をもった隣人を訪ねるために、お歯黒を塗り、乱れた長い髪を

          歌舞伎と絵には切っても切れない繋がりがある ~歌舞伎座にて「東海道四谷怪談」を見ました~

          ピカソのゲルニカが呼び起こすもの  〜原田マハ「暗幕のゲルニカ」を読んで〜

          原田マハ作「暗幕のゲルニカ」を読んだ。果たしてアートの力で争いの世界を終わらせることができるか?平和につなげることができるか? ニューヨークMoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーターである八神遥子が、「ピカソの戦争」という企画に、門外不出とされるスペインのマドリードの美術館ソフィアに在るピカソの代表作「ゲルニカ」をアメリカへ持って来るという絶対に不可能な挑戦の中で、ゲルニカが生み出された過去と、未だ争いの絶えない現代とを交互に描き出した物語である。 9.11の同時多発

          ピカソのゲルニカが呼び起こすもの  〜原田マハ「暗幕のゲルニカ」を読んで〜

          NHK大河「青天を衝け」! 読む感動と見る感動、物語の素晴らしさは役者によって倍増する

          表情の変化だけで幕末における一人物の有り様を、テレビを見た者は理解できた。それほど秀逸の演技だった。 日も刺さない中、暗い狭い部屋で待つ渋沢篤大夫の前に現れたのは、かつての若々しくきびきびとしたイメージの慶喜とは全く違う、うらぶれてもぬけの殻のようになった生気のない慶喜であった。 9月12日放映のNHK大河「青天を衝け」第26話に登場した草彅剛演じる徳川慶喜は頂点から落ちた哀愁漂う男になっていた。着ているものは殿様の装いではなくかつての栄華はない。自身は新政府軍に敗れ駿府

          NHK大河「青天を衝け」! 読む感動と見る感動、物語の素晴らしさは役者によって倍増する

          “食のエッセイ”は読んで味わう心の食べ物みたいなもの。

          飽食の時代と言われて久しく、世にはグルメ本やグルメ番組が数多く提供されており、特に週末ともなるとテレビでグルメ系の番組やコーナーを見ない休日はありません。 という自分も実はこの系統の番組は嫌いではありません。なぜかというと食べるのが好きということもあるが、とかく食は何かとエピソードとお揃いになることが多く、けっこう心に響くことが多いのです。土曜深夜の加藤浩次の「人生最高レストラン」はお気に入りの番組の一つです。 そこで、食のエッセイ本を少々ご紹介したいと思います。読まれて

          “食のエッセイ”は読んで味わう心の食べ物みたいなもの。

          8月に読んだ本から

          数ヶ月前までは今の社会を取り巻く課題や経営が向き合うべき課題など時代をキャッチアップして行くためにビジネス書を集中的に読んでいました。しかし、このところ心の渇望するままに小説を中心に読み始めましたが、noteには様々な読書記録や感想が多く、どんどん読みたくなる小説が増えてきたり、改めて歳を重ねた今、読み直してみたい物語が思い出されてきました。 8月はお盆休みもあり、コロナで出かけることも少なく、けっこう読書に時間を当てることができました。その中で印象に残ったお勧めしたい本を

          8月に読んだ本から

          コンビニのお菓子、スィーツにけっこうハマってます!

          コロナのせいで最近は休日といえども出かけることが少なくなりました。映画館や美術館へ行きたいがもうしばらくガマン。となると休日も運動不足解消で近所を散歩。足が向くのは公園とか図書館、そして私の場合はコンビニです。コロナ前は必要な時にしか訪問しなかったが、最近はフラッと入ってしまい、店に入ればやはり何がしか買ってしまうのが悲しいサガです。 実は無類の甘いもの好きなのです。若い女性にとってスイーツは別腹などと言われますが、実は老年の爺である私も甘いものには目が無いのです。スナック

          コンビニのお菓子、スィーツにけっこうハマってます!