七味屋(小説整理中)

小説整理中のため、一旦下書きに戻してます!最近のだけ置いてあります。 2学期が始まり仕…

七味屋(小説整理中)

小説整理中のため、一旦下書きに戻してます!最近のだけ置いてあります。 2学期が始まり仕事(教育系)がバタバタのため、落ち着いてから戻ってきます。少しお休みです😴

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【短歌】7月の夜の底に降る星たち

サイダーの瓶越しに覗く7月は泡沫の光に溢れて 散らばった金平糖を天の川銀河に見立ててかたどる星座 砂浜に一等星が瞬いて夜へと延びるパラソルの影 ほとぼりは夜の底…

【短編小説】 シロクマと音楽

 かつて僕はシロクマでした。僕らの生息地であった北極の氷が溶けて棲家を失ったのは四半世紀も前のこと。それでも僕らは泳ぎが得意だったから、どこか遠い土地へと泳いで…

【短編小説】 星を食べる

 惑星を飲み込む巨大な魚が宇宙には泳いでるんだって、そんなことをいきなり言い出した妹に子どものころから相も変わらずメルヘン入っているなぁお前、なんてギョッとした…

【短歌】7月の夜の底に降る星たち

【短歌】7月の夜の底に降る星たち

サイダーの瓶越しに覗く7月は泡沫の光に溢れて

散らばった金平糖を天の川銀河に見立ててかたどる星座

砂浜に一等星が瞬いて夜へと延びるパラソルの影

ほとぼりは夜の底へと落ちるから火消しバケツに夏が満ちていく

花束の代わりとしての彗星を拾い集めに漕ぎ出す自転車

 抱えた感情に関係なくこの季節は世界に心を開いてくれるから、夏の光に照らされて外に出る機会が増えている。最近は読書会に参加したり山に登

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【短編小説】 シロクマと音楽

【短編小説】 シロクマと音楽

 かつて僕はシロクマでした。僕らの生息地であった北極の氷が溶けて棲家を失ったのは四半世紀も前のこと。それでも僕らは泳ぎが得意だったから、どこか遠い土地へと泳いでいき、別の北の大地に移り住むこともできたのです。例えばスカンジナビア半島だとか、サハ共和国だとか。それでもそんな運命を選ばなかったのはずっと一緒に暮らしてきた家族や仲間たちのことが大好きだったからで、そしてそんな同族たちと生活を共に過ごして

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【短編小説】 星を食べる

【短編小説】 星を食べる

 惑星を飲み込む巨大な魚が宇宙には泳いでるんだって、そんなことをいきなり言い出した妹に子どものころから相も変わらずメルヘン入っているなぁお前、なんてギョッとしたけれど久しぶりに笑った顔がみれた気がして、それでそれで、その魚に飲み込まれた星はどうなんのって食い気味に話に乗ってやった。こっち帰ってきたんだし、にぃにぃの休日につき合わせてよって言われて出町座でレイトショーを観た帰り、京阪三条駅まで鴨川の

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