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走馬灯に飛び込んでバッドエンドを回避せよ!変な神様の力とヨガの呼吸法を駆使すれば出来ないことなんて何もない?「ビフォア•マイ•アイズ」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(810日目)
「ビフォアマイアイズ」(2023)
ジェド•シェパード監督
◆あらすじ
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侵入者に襲われ、命の危機に直面したヨガインストラクター。これまでの人生がフラッシュバックするなか、なんとかして愛する人の命を救おうと過去に戻った彼女は...。(Filmarksより引用)
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『突然の死で走馬灯が駆け巡る主人公は過去の思い出にダイブし、未来を変えて死を回避しようと奮闘する!』
という、いわゆる過去に戻って未来を変えて自分や家族が死ぬ運命を変えようとするタイムトラベル系の短編ホラーです。
昨日と同じくNetflixで見つけてきたんですけど、最近これ系の作品をよく見る気がするんですけども気のせいでしょうか。
突如出現したタイムマシーンを駆使し、正体不明の殺人鬼から姉を救おうと主人公が奮闘する姿を描いたNetflixオリジナル作品「タイムカット」(’24)。友人が発明したポンコツタイムマシーンで過去に戻って同じく正体不明の殺人鬼から母親を救おうとするAmazonプライムオリジナル作品「ハロウィン•キラー!」等など
というか、タイムスリップ云々ではなく、「スクリーム」シリーズや「ラストサマー」シリーズのような正体不明の殺人鬼が登場する系のスラッシャーホラーが多いだけかもです。
今作は“犯人は誰なのか”というところにはスポットを当てていません。短編なので省いただけかもですが、もし長編化するならこの犯人の正体等にも注目ですね。類似作品と似てしまうかもですが…
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見せ場もしっかりありますし、終わり方も切ないですけど、これはこれでハッピーエンドなのかなと思わせてくれる非常に秀逸なものでとても良かったです。
なんですけども、短編(エンディングを除けば10分ほど)ゆえに“なぜ過去に戻れるのか”の説明が一切なく、強盗に射殺された主人公は『ヨガの呼吸で冷静さを取り戻し、走馬灯を途中で止めて、その思い出にダイブして未来を書き換える』というパワープレイにも程がある強引な手法で自身のターニングポイントとなる13歳のお誕生日会に戻ります。
仕方ないっちゃ仕方ないんですけど、ここはなぜそうなるのかの説明が欲しかったですね。おそらくは彼女に付き纏う謎の存在•ドクターボーンズが時間を司っているのか、それで彼女に未来を変えるチャンスを与えたんだと思いますが、その辺りも全てご想像にお任せしますということなんでしょうか。
是非とも皆様の解釈もお伺いしたいです。
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監督•脚本を務めたジェド•シェパード氏は公開当時かなり話題となった、全編Zoomのやり取りのみで構成された異色の低予算ホラー「ズーム/見えない参加者」(’20)の脚本で一躍有名となり、その後は迷惑系動画配信者が事件に巻き込まれていく人怖系ホラー「ダッシュカム」(’21)では脚本と製作総指揮。そして短編ではありますが今作で初めて監督を務めました。
現在Netflixにて配信中です。切ない恋物語仕立てになっており、グロいシーンもほぼほぼ無いのでホラー映画が苦手な方でも楽しめると思います。
珍しく昨日今日と忙しくさせてもらい、2日に渡って短編のレビューになってしまいましたが、良いのか悪いのか明日からはまたいっぱい時間があるのでしっかりと長編ホラーを見て、レビューをあげたいと思います!
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◇最近、黒いフードの怪しい人物を目撃するようになったヨガインストラクターのジェス。それは彼女が幼い頃から好きだったドクターボーンズというキャラクターにどことなく似ており、また、それは自分にしか見えていないようだった。
ある晩、自宅にて就寝中に物音が聞こえ、恋人のスコットは様子を見に行くが戻ってこない。恐る恐る部屋を出るジェス。そこには頭から血を流して倒れているスコットの姿が。すぐ近くにいた強盗の男は目撃者であるジェスを射殺。この時、ジェスは走馬灯のように自身のこれまでの記憶が回想される中、最愛のパートナーであるスコットとの“ある大切な思い出”で自分の意識を留めて、未来を変えようとするが…
というのが今作の細かめのあらすじです。
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現在(2022年)、ヨガインストラクターとして働くジェスは今日も多くの生徒たちとヨガのレッスンを行っていた。
人は死ぬ時、過去の記憶が蘇る。それは走馬灯のように宝物のような記憶を思い起こさせ、人生を回想させる。良い思い出や嫌な思い出、もしその回想を操ってやり直せるなら過去を操作する?
という彼女の独白の後、ドアの向こうに黒いフードの怪しい人物が静かにジェスを見ており、また彼女だけがその歪な存在に気づいていた。
その怪しい人物の胸元には赤いデジタル数字で0826と表示されている。果たして、これは一体何を表しているのでしょうか。
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友人から声を掛けられて我に返るジェス。思い切ってその不気味な人物について打ち明けてみる。
彼女曰く、それは子供の頃に見ていたテレビ番組に登場するハゲワシをモチーフとしたキャラクター•ドクターボーンズにどことなく似ており、何をするでもなくただただこちらをじっと見つめているという。
当然友人は何かの見間違いだろうと笑ってまともに取り合うことはない。
少々ナーバスになっている彼女はその晩、最愛のパートナーであるスコットに励ましてもらって気を紛らわし、眠りにつこうとする。
彼女はドクターボーンズのぬいぐるみをずっと大切にしており、枕元に置かれたそのぬいぐるみの胸元にはあの謎の人物同様に赤いデジタル数字で0826と表示されていた。
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二人が眠りにつこうとしたその時、何か物音がし、念の為スコットが様子を見に行く。数秒後に今度は何かが倒れる音が聞こえる。恐る恐るジェスが部屋から出ると、そこには頭から血を流してピクリとも動かなくなったスコットが倒れていた。
近くに立っていた強盗らしき男は「殺すつもりはなかった」等とのたまうも、目撃者であるジェスに向けて発砲。撃たれた彼女は脳内でこれまでの記憶が一気にフラッシュバック。
グルグルと時計のように周る彼女は自分の過去を見ていく。入園式、お遊戯会、お誕生日会etc…
ここで彼女は冷静になるよう自分に言い聞かせ、日頃のヨガの実力を遺憾無く発揮して呼吸を整える。そして、過去の思い出を改変すればスコットと自分が死ぬ未来を変えられるのではと思いつく。
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そして、なんと彼女は“2008年の自身13歳のお誕生日会”という過去(思い出)に一時的に戻ることに成功。13歳の姿になったジェスはお誕生日会に来てくれているスコットを呼び止め、事のあらましを説明。
当然信じてもらえるわけもなく、ジェスは仕方なく自分たちの馴れ初めを話し出す。どうやら25歳の時に交際がスタートした二人だったが、スコットから「13歳の誕生日の時から好きだった」と告白をされたらしい。
「だから私と付き合わなければあなたは死なないかもしれない!」
当然そんなことを言われても何の事情も知らないスコットはちんぷんかんぷん。そうこうしているうちにお誕生日会の催しであるレーザー銃の撃ち合いが始まってしまいます。
どこかの専用の会場を貸し切っているのか、大勢の子供たちがユニフォームを着て、レーザー銃を撃ち合っています。
しかしジェスはそんなのお構い無しにまたスコットを掴まえて、限られた時間で思いを伝えようとします。
すると突如、あの黒いフードの怪しい男が出現。それはまるで人間のような出で立ちのドクターボーンズでした。
彼は死神なのか、はたまた時間を司る神様か何かなのか、おそらくその辺りを悟ったジェスは大好きなスコットに対しても「二度と私と喋らないで!付き合ったら死んじゃう!」、そして「あなたを愛してる」と言ってキスをします。
あと5分で戻らなければならないらしく、最後にジェスは自分のことを嫌ってもらうためにスコットの頬を思いっきり叩き、そのまませわしなくドクターボーンズに抱かれるように姿を消します。
好きな子に「二度と喋らないで」と言われた直後に告白を受けてキスされたと思ったらビンタされるって、スコットの情緒はバグりっぱなしでしょう。
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目覚まし時計が鳴っている。時間は8時26分。ジェスは自宅で目を覚まします。
これで全て大丈夫なはず…
ドクターボーンズの姿も見えません。
2022年、彼女は変わらずヨガのインストラクターを務めていますが、どうやら一人暮らしのようです。
その後、ジェスがカフェで一息ついていると少し離れたところにスコットが立っており、目が合う。
「違う人生を歩む機会があったらそれを選ぶ?自分の幸せを犠牲にしても?」
この新しい未来ではスコットは冒頭に登場したジェスの友人と結婚しており、さらには子供もいた。
ジェスは仲睦まじい3人の姿を眺めながら「私には幸せになる時間がたっぷりある…」と呟くのだった。
というところで物語は幕を閉じます。
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何とかハッピーエンドになって欲しかったですけど、スコットを救いたいというジェスの目的が果たされているのである意味これもハッピーエンドなのかもしれません。
ドクターボーンズはおそらくは彼女の運命を司る神様的なポジションのキャラなんですかね。だから彼女の死期を悟ると、その数日前から彼女の周りをうろついて、死んだ瞬間に未来を変えるチャンスを与えたのかもしれません。
幼少期からずっと大切に可愛がっていた目覚まし時計付きのぬいぐるみであるドクターボーンズだったからこそ、時間を操ることが出来たのでしょうか。
このあたりのディテールを詰めて、何度も死に戻りをして苦労したのに最後にこの終わり方だったら相当良いんじゃないでしょうか。“過去に戻る”という展開がかなり雑というか、勢いでやっちゃっているので、それを含めて整理してコメディテイストにしたら面白いと思います。主人公のキャラ的にもそっちのほうが向いてる気がしました。
短編なので全てを描ききれておらず、少々荒削りなところもありますがポテンシャルは相当なものがありました。これは是非とも長編化して欲しいです。
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