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ローリー後ろ!数々の作品に影響を与えた古典名作「ハロウィン」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(457日目)

「ハロウィン」(1978)
ジョン•カーペンター監督

◆あらすじ
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1963年のハロウィーンの夜、イリノイ州ハドンフィールドでマイヤーズ家の長男で6歳のマイケルが姉のジュディを殺害した。その後、マイケルは精神病院に送られる。そして、1978年のハロウィーンの前夜、マイケルは精神病院を脱走し、とある少女の命を狙う。(公式より引用)
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『6歳の時に姉を殺害した精神異常者が15年後に病院を脱走し、白いマスクのつなぎ姿で肉切り包丁片手に人々を襲う』

というシンプルな内容ながら

動機や感情も一切不明の狂気、神出鬼没、異常なまでの怪力と不死身、か弱い女性をターゲットにする

などなど想像できうる最大限の恐怖を詰め込んだキャラクターは登場のたびに流れるピアノ調のテーマソングも相まって一度見たら忘れることはないでしょう。

お面越しのマイケルの視点で始まる冒頭のシーンで
一気に引き込まれます。
からの、外に出たところで警官にお面を取られ、さっきまで我々が見ていた凶行がまだあどけない少年によるものだったことが明らかになります。

わずか30万ドルの製作費で製作されたにも関わらず、現在の価値で2億5000万ドルの興行収入を叩き出し、最も稼いたインディペンデント映画と言われている不朽の名作です。

☆インディペンデント映画とは
欧米においてはハリウッドのメジャースタジオ6社の傘下に属していない作品や自己資金で制作された作品のことを言います。ちなみにジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」新三部作(Ⅰ〜Ⅲ)などもこれにあたるそうです。

ちなみに2006年には「文化的、歴史的、美学的に重要」としてアメリカ議会図書館のアメリカ国立フィルム登録簿に登録されたそうです。

シンプルなジャケ写がまたかっこいいですね!

内気で奥手だけど子供たちを守るためにマイケルに立ち向かうヒロインのローリーは行動や発言がいちいちイラッとするなどの意見も見受けられますが、個人的にはものすごく応援したくなる芯のある女性でとても好感が持てました。手近にあるものをなんとか武器にしようとするあたりも健気さを感じました。

ヒロインのローリー
木片でぶっ叩いたり、針金ハンガーでマイケルの目をついたりと奮闘しますし、階段から落とされても走れるタフさも待ち合わせています。
マイケルを追い続ける精神科医のルーミスが渋くてかっこいいです。

登場人物のバックボーンが想像できる脚本にハズレ無しです!ホラーというよりかはサスペンス要素が強めで物足りなさを感じる方もいるかもですがとても面白かったです。

余談ですが

80年代から90年代にかけて、今作に影響を受けた低予算スプラッターホラー映画が爆発的に増加します。

しかし今作は低予算が浮き彫りになりやすい血飛沫や残虐なシーンなどのグロ描写はほとんどなく、シンプルにストーリーで勝負しにいっておりまったく低予算を感じさせません。しかし内容で勝負できない模倣作品はどうしても派手なグロ描写に走る傾向がありますが、結局そこで安っぽさを露呈してしまい本末転倒になるパターンが見受けられます。

個人的には開き直ってそういう安っぽさを一切隠さないスタイルのおバカホラーは大好きなのでこれからも意欲的なパクり、もとい模倣作品がたくさん作られることを願ってます!

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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