あらすじさえ読めば視聴したも同然!今度はサメが陸地で大暴れ!女性に素手で秒殺されるサメ人間も出るよ!「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(692日目)
「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」(2017)
マーク•ポロニア監督
◆あらすじ
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カリフォルニア沿岸で、謎の変死事故が多発する。その頃、マルコ海洋研究所のルシンダは、サメ達が水槽から消えていることに気付く。水槽と海は繋がっていない、まさか陸を!?上司のフォスター博士に伝えると、研究所の真の目的を聞かされる。それは遺伝子操作により殺人サメを開発し、軍事兵器として供給する事だった。さらに、この計画に協力するよう脅迫してくるのだった...
(landshark.crayonsite.comより引用)
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悪名高いクソ映画数々の名作Z級サメ映画を世に生み出し続ける“ペンシルバニアのスピルバーグ”ことマーク•ポロニア監督の作品です。
これまでに同監督の「シャーケンシュタイン」(’16)、「エイリアンVSジョーズ」(’20)、「シャーキュラ 吸血鮫」(’22)、「トイ•シャーク」(’22)、「KANIZAME シャークラブ」(’23)の5作を視聴させてもらっておりますが、そのどれもが奇想天外な発想や魅力的な設定を持っていました。
なんですけども予算や技術の都合もあってか、手作り感満載の人形や安っぽい合成のお粗末なサメ、時には資料映像を垂れ流すだけ、素人に毛が生えた程度の無名役者、一昔前のYouTubeでよく耳にしたフリー音源、何も起こらない虚無のシーン、血しぶきはケチャップetc…と、低予算なりの創意工夫といった類ではなく、“壮大なストーリーを低予算で表現するとこうなる”を我々に提示してくれるのがポロニア映画なのかもしれません。
皆さんの推しサメ映画を見つけてください↓
映画が好きな方や映画を楽しみたい方からすると、今作のようなZ級映画は「ふざけるな!こんなのは映画じゃない!」と非難したくなるところでしょう。お気持ちは十二分に分かります。
しかし!
毎日映画を見ている私のような人間からするとこの“どうしようもない程のチープさ”を定期的に接種したくなるんです。本当です。嘘じゃないです。
なもんで、この手のZ級映画はいわゆる名作を見た後や、見応えはあるものの長過ぎて中盤で疲れてしまうような映画(ベン・ハーとか)の途中に箸休めとしてそのギャップやレベルの違いを楽しんだりしながら見るのが良いかもしれません。
私は昨日見た「ハロウィン」(’18)が見応えたっぷりだったので、今日は軽めのでいきたいなと思い選ばせてもらいました。
ということで今作は
『秘密裏に軍事兵器として遺伝子操作を施されていたサメが研究所から集団脱走し、陸上で人々を襲い始めた。フォスター博士とルシンダは被害を食い止めるべくサメの回収に向かうが、フォスター博士にはまだ明かしていない自身の恐ろしい秘密があった…』
という如何にもな内容なんですけども、ポロニア監督のサメ映画の中では比較的初期の作品であるためか、まだそこまでぶっ飛んでないというか、意外なことにちゃんとしている方かもしれません。
もちろん、もはやお約束となっている海中やサメの資料映像にフリー音源の数々、見所となる丘シャークはチープな人形と合成だけと、我々の期待を裏切らない作品に仕上がっておりますのでご安心ください。
現在アマゾンプライム、U-NEXT、ABEMA、WOWOWにて配信中です。
もう本当にあらすじさえ読めば視聴したも同然というか、実際に視聴した人と話を合わせることが可能な程に中身がありません。
これで全部です。
これ以上の情報は本編にはありません笑
開始早々、研究所のパソコン画面やサメの水槽は思いっきり合成ですし、合成だとしても雑過ぎるでしょ!と言いたくなるような出来で少々不安な立ち上がりを見せます。研究員のルシンダは毎日目視でサメを数えており、それで「なんか足りないかも」と上司のフォスター博士に報告し、その結果2人で回収に向かいます。
このサメ捜索パートが本編の大半を締めますが、どうでもいいカップルのやりとりや物乞いのおじさんを登場させることでしっかりと尺を稼ぐとともに、追跡装置やレーザー銃という世界観ガン無視の道具を用いてサメを倒していきます。
ちなみに陸を泳ぐサメと謳ってはいるものの、実際は陸にサメがいるだけというか、泳いでいる感じはこれっぽっちもありません。一応、いかにも作り物な背びれが陸地を移動するみたいな合成はちょっとあります。
基本的には『一体倒したらまた違う場所を探索してまた倒す』の繰り返しなんですけども、この探索パートが本当に虚無でほぼ無音なうえに当然のことながら何も起こらないので非常に退屈です。なんのための追跡装置なんでしょうか。
その虚無過ぎる探索シーンの後だからか、バトルシーンは意外に見れます。山小屋での籠城戦や池に追い詰めて集中砲火&電線を使って感電させたりとそこそこ楽しめます。
本来であればここで終わりそうなものですが、ここからもう一展開あるのが個人的には相当ポイントが高かったです。
実はフォスター博士は作中でもサメのDNAを度々自分に投与しており、その度に自分の顔がサメになる幻覚を見たり、禁断症状が現れて投与すること自体を止められなくなっている描写があります。そしていよいよクライマックスではサメを全て倒したはずなのに追跡装置は反応し続けており、とうとうサメ人間となったフォスターがルシンダに襲い掛かります。
フォスター曰く『サメ人間ならば水陸両用なうえに銃や車も使える』とのことです。安っぽいサメのマスクとそれっぽい手袋をしただけの低予算サメ人間がルシンダを襲うんですけども、レーザー銃がエネルギー切れで窮地に立たされたルシンダが必死に抵抗してサメ人間のエラをほじくったところ突然サメ人間が死んでしまいます。弱点だったのでしょうか。
あと数分で終わるというところでいきなりフォスターがサメ人間に変身した際は「どうオチをつけるんだろうか」と一人気を揉んでいましたが、あっさり倒されました。素手の女性に秒殺です。
ラストは『ビーチに超巨大な背びれが現れ、人々が悲鳴をあげる』という壮大な終わり方をしており、これは個人的にかなり好きな終わり方でした。
そもそも『陸を泳ぐってどういうこと?』とか『泳げたところでサメが軍事兵器になるの?』とか『副題の丘シャークの逆襲って何に対する逆襲なの?』とか『サメ人間弱すぎ!』とか、そういった細かい部分に対するつっこみみたいなものはお控えいただいて、80分間しっかりと目の前で起きている事象をお楽しみください。
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