クモ嫌い医師が町を救うべく、殺人毒蜘蛛に立ち向かう!スピルバーグの名参謀が監督を務めたパニックコメディ蜘蛛ホラー「アラクノフォビア」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(779日)
「アラクノフォビア」(1990)
フランク・マーシャル監督
◆あらすじ
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ベネズエラのジャングルで発見された新種の毒グモは、撮影に同行したカメラマンを殺害するとその遺体に入り込み、彼の故郷であるカリフォルニアの小さな街•カナイマへ運ばれてしまう。やがてクモは同地に医院を開業するため引っ越してきた医師•ロスの家の納屋に巣を張って繁殖。ついに同地で人間が次々に変死する事件が発生する。クモ恐怖症のロスは蜘蛛を退治せんと行動を起こす。(https://www.wowow.co.jp/detail/002284より抜粋)
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『アメリカの田舎町で新種の毒蜘蛛が大量発生!そんな町を救うべくクモ嫌いの医師•ロスが立ち上がる。果たして彼はクモの恐怖に打ち勝ち、町の人々を守ることができるのか!?』という、コメディテイストの蜘蛛パニックホラーです。
昨年末のサタシネ(毎週土曜日にテレビ東京の深夜にやってるちょうどいいロードショー)で放送されていたものを録画しており、そういえばまだ見ていなかったなと思い、見させていただいた次第です。
内容も概要もほとんど知らず、なんとなく蜘蛛がいっぱいでてくるB級映画だろうなと思っていましたが、想像以上に面白かったです!
蜘蛛が苦手な方は絶対に無理だと思いますが、当時のVFX技術の粋を集めたハイクオリティな蜘蛛たちは出色の出来で本物と見紛う程です。本物を使用しているシーンもありますが、正直なところ、私には違いがわかりませんでした。
そんな蜘蛛の顔のアップや眼に映る炎、意思を感じられる動きの数々は役者顔負けの名演技で、あまりにも精巧過ぎて「これは本当に1990年の作品か?」と疑いたくなるレベルです。見たあともしばらく余韻に浸れます。
基本的にはパニックホラーなんですけど絶妙なコメディテイストな仕上がりで、特に『害虫皆殺し』というとんでもない社名の害虫駆除業者•デルバートは専用のコミカルBGMで登場しては、活躍しているようなしていないような作中屈指のおとぼけキャラで作品を盛り上げるのに一役買っています。
また、彼以外のキャラも非常に魅力的で、蜘蛛が苦手な主人公の医師•ロス、騒動の元凶を招いたとも言えるMr.不用心•アサートン博士、典型的な小市民な保安官•パーソンズ、いつも緊張感がない葬儀屋のアーブ等などメインも脇役も個性豊かです。
『どこか牧歌的でのんびりした田舎町の雰囲気』と『こっそり大繁殖した毒蜘蛛による大パニック』は相性抜群で激ハマりしました。素晴らしい良作です。
そんな今作の監督を務めたのは「インディ・ジョーンズ」シリーズや「グーニーズ」(’85)等、スティーヴン•スピルバーグ氏が監督や製作として携わった数々の作品を支え、また「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「グレムリン」(’84)、スタジオジブリ作品(英語版)等など、挙げだしたら切りが無いほどの名作でプロデューサーを担い、「大ヒット映画にこの男あり」とまで言わしめた“ハリウッドの名プロデューサー”フランク・マーシャル氏です。
今作はそんな敏腕プロデューサーの同氏が初めて監督を務め上げた作品で、またスピルバーグ氏と共に製作総指揮にもクレジットされています。
大ヒット!とまではいかなかった今作ですが、その後もイーサン・ホーク主演の「生きてこそ」(’93)、そして私の大好きなブルース・キャンベル氏も出演しているアドベンチャー映画「コンゴ」(’95)等、コンスタントに監督業もこなしますが、どの作品も興行収入的にはギリギリ黒字に留まり、以降はしばらく監督業から離れてしまいます。
しかしその後、2006年にディズニーが「南極物語」(’83)のリメイク権を取得したことで作られた「南極物語」(原題はEight Below)において久々に監督(製作総指揮も兼任)を務め、こちらは興行収入1億2千万ドル越えの大ヒットを飛ばしました。
なお、今作「アラクノフォビア」は2018年頃にリメイクの企画が持ち上がりました。
「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズでお馴染みのジェームズ・ワン氏がスピルバーグ氏のアンブリン•エンターテイメントとリメイクについての企画を進行中だそうで、公開日や監督•脚本•キャスト等はまだ未定の段階ながら、フランク•マーシャル氏とワン氏は製作総指揮を務めるとも言われています。
なんですけども、この記事が出てから6年以上何の進展も音沙汰もないので立ち消えた可能性も全然ありますね。個人的にはこのオリジナル版が大好きなのでリメイク版も気長に待ちたいと思います。
現在DMMTV、Lemino、楽天TVでレンタル(440円〜)が可能です。この時代だからこその熱量とリアルすぎる蜘蛛の大群は必見です!
◇ベネズエラの熱帯雨林にて昆虫学者のアサートン博士は非常に毒性の強い新種の蜘蛛を発見する。しかしその毒蜘蛛は同行していたカメラマン•ジェリーを殺し、さらには遺体に紛れ込み、彼の故郷であるアメリカ•カリフォルニア州の田舎町カナイマへと上陸。時を同じくして、この町に赴任してきた大のクモ嫌いの医師•ロスは次々に起こる一連の変死事件がクモの仕業ではないかと突き止める。なんとその毒蜘蛛は地元の蜘蛛と交配し、新種の兵隊蜘蛛を大量に生み、ロスの自宅の納屋にてひそかに繁殖を続け、その数を増やしていた。ロスはアサートン博士や害虫駆除のスペシャリスト•デルバートと共に町を救うべく、毒蜘蛛退治に身を投じていく…
というのが今作の細かめのあらすじです。
『南米の熱帯雨林を調査してたらヤバい新種の毒蜘蛛発見したけど、そいつがカメラマン殺しちゃうし、しかも遺体に紛れてアメリカの田舎町までやって来ちゃった!』という導入からして良いですよね。
しかも、この激ヤバ蜘蛛が地元の蜘蛛と交配して、また新たな兵隊蜘蛛(毒あり)を繁殖させてしまうわけですから、そりゃあ大騒動にもなりますよ。胎動する大きな卵から小グモがワラワラと出てくるシーンは鳥肌ものですが凄すぎて目が離せませんでした。
蜘蛛上陸と時を同じくして、田舎町カナイマに赴任してきた医師•ロスは高齢を理由に退任する予定だった町唯一の医師であるメトカーフが退任を撤回したことで職を失いかけるも、ロス宅の隣に住む親切な老婦人•マーガレットの主治医(みたいな感じ)を務めることになる。
このあたりの牧歌的ながらどこか閉鎖的で、新しく来た人をあまり歓迎しない人たちがいる田舎の嫌な所も描かれているのも高評価です。
しかしこの頃、ロス宅の納屋にて蜘蛛が繁殖し始めます。幼い頃に蜘蛛に噛まれて麻痺したことがあるロスは妻に蜘蛛嫌いを克服するチャンスと促されて確認しに行くも、偶然が重なり、巨大な蜘蛛の卵を発見することはなく、繁殖に気づきませんでした。
こうして大繁殖した蜘蛛たちは次から次へと人間を襲い、マーガレットも毒牙にかかり、帰らぬ人となります。しかし誰も蜘蛛の仕業とは露ほども思っておらず、マーガレットに関してはメトカーフが出していた高血圧の薬(本来は飲む必要が無かった)の服用をロスが止めさせたことが原因の心臓麻痺だと診断され、ロスは患者殺しの汚名まで着せられてしまいます。
その後さらに被害は拡大し、ついには老医師メトカーフまでもが亡き者となり、いよいよ職を失いかけていたロスにお鉢が回ってきます。こうしてようやっと遺体の検死が行われると、体内からは微量の未知の毒が検出され、ロスはこれまでの遺体も検死させた結果、マーガレットを含む全ての遺体から同じ毒が発見される。
一連の騒動が蜘蛛の仕業と踏んだロスはさっそくデルバート博士にコンタクトを取り、ようやくここで騒動の原因があの新種の毒蜘蛛であることが明らかとなります。
しかもその大繁殖している場所はロス宅の納屋であることも判明。ロス、アサートン博士と助手、そして皆大好き『害虫皆殺し』のデルバートはさっそく退治に乗り出しますが、単独行動&私服&素手で毒蜘蛛の巣窟へと足を踏み入れたアサートン博士は秒殺されてしまいます。
ロス宅にまで夥しい数の毒蜘蛛が押し寄せ、なんとか家族やアサートンの助手は避難するもロスは逃げ遅れ、そのまま地下にて女王蜘蛛と壮絶な死闘を繰り広げます。
このシーンのロスがこれまためちゃくちゃかっこよくて、人間窮地に立たされると怖いだの何だのと言ってられないとばかりにスコップや火炎放射でバッタバッタと蜘蛛をなぎ倒し、最後は炎上しながらもなお襲い掛かる女王蜘蛛を吸盤の弓が飛び出す玩具の銃で吹き飛ばし、巣ごと燃やすという最高の倒し方で締めくくってくれます。
また地上ではデルバートが殺虫剤無双であらかたの蜘蛛を殲滅しており、さらには燃え盛る家屋の地下からロスを引っ張り上げて一言「お待ちどおさま」、これがまたキマってるんです。働く男のかっこよさがここに凝縮しています。
『こうして町には平和が訪れ、ロスは町医者としてカナイマで家族と一緒に幸せに暮らす』と思いきや、普通にこの騒動のあと、ロス一家はニューヨークに戻ります。しかも高層マンションで田舎をそこそこディスります笑
荷解きをしながら田舎をディスっていると突如大きな地震が発生。何やら嫌な予感がする…
というところで物語は唐突に幕を閉じます。
すいません。このオチだけまったく意味が分かりませんでした。あの地震のような揺れは何だったのでしょうか。テレビ放送なので何か大事な部分がカットされているような気もするんですけど、ご存知の方いらっしゃいますか?
個人的にはかなりハマりましたのでオチの検証含めDVD購入するかもです。中々見られる機会はないかもですがオススメです!
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