本当の鬼は自分だったのかもしれない
就活体験記の第一章:公務員試験挫折について触れた
前回の記事はこちらから。
「就活どうしよう。公務員試験に落ちたらその時考えよう」の「その時」がついに訪れてしまった。
公務員試験に落ちた話を親にした。
「ダメだった…」
『あら、しょうがないわね。頑張っていたのにね。これからどうするの?』
「怒らないの?」
『何でよ、勉強頑張ってたじゃない。怒らないわよ。」
親は結果より過程重視なのだろうか。特に責められなかった。から、私は余計に胸が苦しくなった。模試や自習室に行くときはお弁当も持たせてくれていた。受験期間中、余裕が無い私の八つ当たりも受け流してくれていた。親はいつも不安定な私を支えてくれていた。
「落ちちゃって、ごめんなさい…」
ここで謝るのは違うだろ、と心の中では思っていたけど気付いたら口から出ていた。
悔しかった。謝ってしまう自分も情けないと思った。
ありがとう、と笑顔で言いたかった。
母から「元気ならいいのよ」
父から「公務員だけが全てではないぞ」という言葉をもらった。
私の心の中にいた「公務員でなければ許さんぞ」と訴えかけてくる鬼のような親は幻だったのかもしれない。実際の親は、ありがたいことに優しかった。
そこでやっと、私を縛っていた私の考えから解かれた気がした。
親の期待に応えなきゃ、という考えである。
ただ、その期待が具体的に何なのかは把握していなかった。
私が親だったら子どもに何を期待する…?
子どもがどういう姿だったら嬉しいだろうか。
健康で生きていたら最高。どんな仕事でもいい。仕事していなくてもいい。その中でも目を輝かせて、夢や目標に向かって頑張る姿は特に嬉しい。
なら、とりあえず私がそう生きてみようと思った。
今までの生き方と180°違うが、私なりの夢や目標を探す行動をしようと決意した。
なんだかとてもワクワクした。
目的や意思を持って「だから私はこの仕事がいい!」とプレゼンできるような仕事に就いて誇りを持って働いてみたいと思った。
前より自分に期待するようになった。どこまでいけるか試してやろう。
そんな決意を胸に夏用の就活用ブラウスをようやく買いに行った。
スーツ屋さんではインターンに応募するのであろう一個下の子が試着をしていた。ちょっと焦った。一個下の子ももう活動してるのに、私は…
いやいや、年齢や時期なんて関係ない。
大変だよね、一緒に頑張ろうね。素敵な環境に出会えますように。
心の中でおまじないをかけておいた。
つづく