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「業界地図」は人生の地図?
ここから就活体験記第二章:民間就活序盤戦に突入する。
とはいえ、どうしようか。ESやSPI、合同説明会の意味もよく分からない大学4年生が誕生してしまった。
大学の就職支援課の相談員さんにこれから先、嫌というほどお世話になるweb面接の形式で話を聞いてもらった。
「民間に切り替えるのね。まだギリギリ間に合うと思うわ。自己分析と業界分析を進めながらESの下書きをすぐに提出して。就職ナビサイトでエントリーをどんどんして頂戴ね。今年はコロナだから…うーん…プレエントリーが60~70社、エントリーが45社程度かしら。」
ハッキリとした言い方をしてくれる方で背筋が伸びた気がした。
しかし出てくる数字の大きさには驚愕した。
手始めにナビサイトを見て、いいと思ったところの説明会の予約を取る。
つもりが。早速、手が止まった。
…商社って何するの?システム開発って何?金融?人材?インフラ?物流?
頭の中は疑問符だらけ。
辞書を引っ張り出すかのように、先日購入した業界地図を広げてみた。
そこには会社の名前が業界別に地図のように記載されていた。
業界内におけるシェアランキング、感染症による打撃、今後の成長の見込み、リスク、平均年収や平均年齢なども。
一つの業界で一つの地図ができるんだ。そんなに会社って、あるんだ。
社会の変化によって常に業界は変化していくんだろう。
私はここに記載されている企業に勤めるのかな。
取引先になるような企業があるのかもな。
友達が勤める企業や、恋愛すらろくにできていないけれど将来の旦那さんの企業もあるのかも。
10年後、30年後、50年後にはもう無い業界もきっと多くあるんだろうな。
新しい業界もどんどん現れるんだろうな。
そう考えると今生きている社会が儚いものに思えた。
自分の存在の小ささも分かった。
色々な業界の会社説明会に参加した。映像やオンラインでの開催だったが社長のお話を伺ったり、現場の社員の方の思いや働き方を紹介していた。
どの業界の企業も「利益追求」が一番に目指す所なのかもしれないが「社会を本気でもっと良くしたい」と思ってる人が必ず一人は、いるんだと思う。
そうでないと企業理念なんて思いつかなくないか。
社会人経験もないのに「ブラック企業」「パワハラ」という言葉の強さから会社に対して勝手にマイナスなイメージばかりを抱いていたが、そう考えると悪いことだけではないのかもしれない。
私も本気で社会をよくしたい!!とか思ってみたい。
でもどう社会を変えたいの?そのために、どの業界のどの企業にする?
うーん、何も頭に浮かばない。
業界地図とにらめっこしてもカーナビのように自動で企業へのナビゲートはしてくれない。
面接すれば、業界の人と直接お話すれば、何か見えてくるかもしれない。
あとは行動あるのみ。
メーカー、人材、金融、商社、IT系…とにかくエントリーをしてみた。
留学経験があることから「海外事業」という言葉があればエントリーをした。
気付いたらエントリー数は就職支援課の方がおっしゃっていた大きな数字を達成していたし、意外といけるかも、なんて思っていた。
まだ何も始まっていないのに。
たくさんエントリーした分、ご縁がない企業が多く不採用になること、
結局入社するのは1社だけ、という事実を見失っていたかもしれない。
『「就職活動」は長い旅のはじまり』だと今は感じている。
そう考えると今回で、ようやく空港にたどり着いたあたりだろうか。
コロナで採用が減る業界も多い。欠航便も多い。
行先が全然決まらなくて困ってしまう。
決まったところで席は取れるのかな。
いつになったら搭乗ゲート=内定にたどり着けるんだろう。
つづく