#28 人生の余白、「遊び」がないと、息ができないよ!
「遊ぶ」って何をすることなのでしょうか? 小学生時代と大学生時代、社会人になってからでは「遊び」の意味も変わってきたように思います。それでもきっと、「遊び」は人生の余白としてしあわせに深く関係しているはず。
メンバー2人が実際に対話した記録を記事として毎週水曜日に投稿、導入部分は2人によるトークでお届けします。再生ボタンを押して放送をお聴きいただけると光栄です✨
(ヘッダ画像はこちらより)
〜 以下の記事は、上の stand.fm 放送の続きです 〜
毎日同じ遊びで楽しかった、幼稚園〜小学校時代
美織さん、幼稚園や小学校の頃って、何をして遊んでいましたか? 美織さんは和歌山出身、僕は神戸出身なので、同じ関西地方ではありますが、年齢も場所もかなり違うので、実際は違っているかもしれませんね。小さい頃の遊びの話から始めて、徐々に最近に戻ってきましょうよ。
いいですね。私はとにかく、学校が終わると近くの公園で友だちと遊ぶことが多かったですね。それも、ボールを持って行って遊んだりというのではなく、公園にある遊具で遊ぶのが好きでした。覚えているのは、大きな滑り台があって、ひたすら滑って楽しかったですね。透さんはどうですか?
美織さんが公園の遊具で遊ぶのが好きだったというのは、結構意外です。最近は危険ということで、公園から可動式の遊具が次々と撤去されつつあるので、美織さんの時代にはもう、「公園の遊具で遊ぶ」というのは一般的ではなくなっていたのかな、と思っていました。そうではなかったんですね?
私が小学生の頃は、まだまだ残っていました。地方都市の方が、最近まで残っていたのかもしれません。透さんは、公園の遊具って何か思い出はありますか?
僕が小学生の頃は、今ではてっきり「危険遊具」として有名になってしまった、「箱型ブランコ」の黄金期でしたね。友だち4人くらいで乗って、長時間揺らして遊んでいました。美織さんの大きな滑り台と同じで、ただ揺れているだけなんですけど、とにかく楽しかったのを覚えています。
僕が好きだった多くの公園は、今は駐車場になってしまいました。でも、一箇所だけ昔のまま残っているところがあって、帰省するといつもブランコに乗りに行くんですよ。
ブランコ! いいですね。でも私、今ブランコに乗ると、降りた後に少しフラフラしてしまいます。透さん、そういうことないですか? 身体的に弱くなったなって思うことがあります。
ありますあります、僕も弱くなったなって思いますよ。でも、5分ほどブランコに乗っていると、ちょっとだけ昔の楽しい気持ちを思い出します。ちょっと調べると、ブランコや回転系の遊具などは、子どもの発達過程で「三半規管を鍛える」っていう明確な目的があって設置されていたようです。子どもたちの遊びがスマホゲーム中心になってしまうのは、やはり心配ですね。
その頃に楽しかった遊びを、今公園でやってみたらどう感じるんでしょうね。食べ物や飲み物を持って行ったりということではなくて、ただ公園の遊具で遊ぶっていう……でもきっと、それは年齢に合った遊びの内容だったと思うので、今あの時と同じように楽しむことはできないのかもしれませんね。
遊びの内容は、行動範囲による?
中学生になると、お互い行動範囲が広がって、「遊び」の内容も変わったんじゃないかと思いますが、どうですか? 美織さんは地元の公立中学校へ進学されたんですよね? 僕は中高一貫の私立校に進んだので、中学生になった途端生活ががらっと変わって、電車で片道1時間半、往復3時間の通学になりました。
一気に生活が変わってきますね! 私は中学も徒歩通学でした。駅前にある小さな商業施設へ行くのが楽しみでしたね。内容としては、映画を観に行くことと、カラオケに行くことがメインでした。洋服屋さんも入っていたので、ちょっと見に行ったり。少し背伸びをし始める時期ですね。
僕は、神戸市内で一番大きい繁華街である三宮が通学途上になったので、休みの日も定期で行くことができ、同じ中学には広い範囲から友だちが通ってきていたので、行動範囲が一気に広がりましたね。制服なので、飲食店に入ることはあまりありませんでしたが、いろんなお店を学校帰りに覗くのが楽しみでした。
いかにも都会って感じですね! 私の場合、中学時代で思い出すのはなんといっても、大量のプリクラです。当時1回撮るのに400円くらいでしたが、実家にある缶には多分100枚以上あるので、いったいいくら使ったんだろうって言うくらい、大好きでよく撮っていました。
その時代ですね! 僕には双子の妹がいるのですが、よく二人で撮っていました。あれって、「無駄なことにお金を使うのはよくない」とかではなくて、あの時期はなぜかあれが楽しかったんですよね。そういうのってとても大事だと思います。これも、公園の遊具と同じで「年齢に合った遊びの内容」なんでしょうか……美織さん、今度一緒にプリクラ撮りませんか?
楽しそうですね……でも、もう卒業したので遠慮しておきます(笑)
高校時代は、時間があった or なかった?
次は、高校時代です。僕の通っていた学校は、中高一貫校でしたが別々の場所にあって、高校は私服になったので、何でもありな感じでした。和歌山でも、高校になると学区が広くなるので、「遊び」の内容もさらに変わったんじゃないですか?
高校からは自転車通学になり、ついにイオンデビューしました! 地方都市だと、イオンモールって映画館に飲食店、洋服屋さんととりあえず何でもあって、遊ぶ場所の中心的存在でしたね。映画館で映画見て、マクドナルドで食べて、みたいなのが楽しかったです。その頃はサッカー部のマネージャーをしていたので、部活も楽しかったです。あと覚えているのは、当時はとにかく時間があったなあって。毎日が忙しくなった今とは対照的でした。
そこでも僕の高校時代とは違っていますね……僕の高校時代は、まず通学に3時間取られてしまうことがあって、その上かなりの進学校だったので、勉強も大変で、課外活動も精一杯していたので、とにかくひたすら動き回っている毎日でした。
社会人になって最初の仕事は教員で、今思うと激務でしたが、それでも、高校生の時に比べると時間の余裕ができました。
私の場合とちょうど逆なんですね。でもお互い、高校生の頃って、「大人になるフリをすること」が結構「遊び」の重要な一部だったと思いませんか?
公園から駅前の商業施設へ、そしてイオンへ行くことが大人になる道筋のように感じていました。ちなみにその頃って、私が15〜18歳なので、透さんは40〜43歳、そう思うと年齢差は大きいですね。
美織さんと僕って、そんなに年齢離れてたんですね……でも、「遊び」を経て少しずつ大人になっていく過程は、驚くほど似ていると思いました。さて、次はいよいよ大学時代ですね。どう変わったのでしょうか?
念願の大学生活、何が「遊び」になった?
私は大阪の大学に進学して、ついに電車通学になりました。JR大阪駅や梅田のあたりは、とても煌びやかに見えました。都会出身の友人も増えて、都市と地方の情報の差の大きさを改めて感じましたね。
当時はちょうどタピオカティーが流行り始めた頃だったので、それを飲んで映画を観てっていうのが遊びの定番でしたね。透さんの大学時代はどんな風に始まりましたか?
美織さんとちょうど逆でした。僕は神戸から茨城県の筑波大学へ進学したのですが、当時の筑波研究学園都市は、今では都心からの通勤の足になっている「つくばエクスプレス」もまだなく、文字通り「陸の孤島」でした。
それまでは、学校の帰りに三宮のおしゃれなカフェで女子校の友だちと待ち合わせしてたりしたのが、急に毎日自転車の生活になりました。
ちょうど逆だったんですね! でも、透さんの話を聞いていると、そんなつくばの地がかなり気に入ったみたいですね。今でも定期的に行っているみたいですし。
そうなんです。当時の筑波大学周辺は本当に何もなくて、逆に、「何もないなら自分たちで作ろう」的な雰囲気がありました。それは多分今でもそうで、筑波大学が学問でもサークル活動でも、「何かを生み出す活動」に強いのはあの場所の特性が影響してるんだと思います。
卒業後は同じく筑波大学の大学院に進学しましたが、勉強したかったというよりも、あの土地に住んでいたかったという理由が強かったですね。
デンマークに暮らしていた頃に、遊びといえば森を歩いたり湖で泳いだりだったのを思い出しました。何もないと、人間は自分で工夫して作り出そうとするものなのかもしれませんね。そしてそんな時代も過ぎて、いよいよ社会人デビュー、現在に近づいてきましたね。透さんは、社会人になってからの「遊び」って、何をしてましたか?
社会人デビュー、そしてこれから
音楽は学生時代からずっとやっていましたが、「遊び」という感覚ではなく、もっと「ライフワーク」に近い感じで今も続けているので……「遊び」として感じていたのは、車であちこちドライブして回ることですね。僕は、車が大好きなんですよ。美織さんは社会人になってから、どんな「遊び」をするようになりましたか?
特に今年の6月に上京してきてから思うのは、東京にはあらゆる種類のイベントや娯楽がありますよね。そういうイベントに参加したり、あとは美味しいものを食べに行ったりすることでしょうか。
言い方を変えれば、商業的にお金を払って楽しむことが増えたと言えるかもしれません。透さんは、ドライブの何が好きですか?
僕は、飛行機で目的地に着くような「点から点へ」的な旅よりも、車でドライブするような「点をつないで線にする」スタイルの旅が好きですね。特に好きなのは、高速道路のサービスエリアです。手頃な値段でその地方の食べ物やお土産も置いてあって、長距離をドライブするとサービスエリアの個性も少しずつ変わって行って、旅の醍醐味だなあと思います。
確かに、最近は休憩のためにサービスエリアに寄るだけではなく、「目的地としてのサービスエリア」的な注目もされていますね。私は東京へ来てまだ半年なので、やはりいろんなイベントに行ったり、都内を観て回ったり、そういう都会の生活を楽しみたいという欲求があります。
今何して遊びたい?
これで、ほぼ現在まできましたね。なんというか、家の近くの公園で「毎日同じことをして遊ぶ」から、「近くのお店や飲食店で大人への背伸びをする」に進んで、次に「お金を払って得る遊びを楽しむ」を経て、その後自分らしい遊びのスタイルを見つけていくっていうプロセスでは、美織さんも僕も似た過程を辿っていましたね。途中の順番は多少違っていましたが。
一旦、商業的なものにお金を使って楽しむ「遊び」も満喫して、そうすると年々きっと「お金を払って得られるものだけでは完全には満たされない」ことが分かってくるんだろうなぁとは思います。これって、しあわせに向かって進んでいく道筋のようですね。透さん、最後に、今は何して遊びたいですか? いろいろあると思いますけど、一つ挙げるとすれば!
僕は、焚き火がしたいです。炎が揺れている感じも、薪がパチパチ立てる音も、暖かい雰囲気も、僕にとっては「しあわせの象徴」のような時間ですね。美織さんは、何したいですか?
私は、思いっきり典型的な「遊び」に戻って、映画館で映画を観ながらポップコーンを食べたいです! 学生時代はよく映画館に行きましたが、やはりこれも社会人になるにつれて、わざわざ行く機会が減りました。サブスクリプションでいつでもどこでも映画を見られる時代だからこそ、映画館という雰囲気に特別感を感じます。焚き火と映画は場所も全然別なので、残念ながらご一緒できませんね(笑)
いえいえ、実はキャンプ先にスクリーンを持って行って、焚き火をしながら屋外で映画を観るっていうのも結構人気なんですよ。いつかどこかでそういうのもやってみたいです!
「 今ここで、しあわせを繋ぐ意味がある」〜 しあわせ探求庁でした✨
また来週水曜日にお会いしましょう!
(2024年10月23日)