湊町の風景と心に響く音
すっきりと晴れた日に、カメラを持って出かけた。こんなに晴れたのは、ここ最近なかった。海もきっと青いだろうと期待していた。海と空の青は、時間を忘れさせてくれるのだ。
何か心の中にある曇をすっきりと取り払ってくれるようだ。自分の心が晴れになるまでの時間、脳は休んでいるのだろう。だから、時間は止まって感じる。
この日は湊にある船を見に来た。
思った通りだった。空が青く、海は穏やかな、まるで湖の様に静かに澄んでいた。だから、空の青よりも海は青かった。船は眩しい。白い船がたくさん浮かんでいる。この海と空の青に、眩しい白い船が無数に停泊している。
なんて、きれいなんだ。
思わずシャッターをきる
いつもなら、あれこれ考えて、悩んでからシャッターに辿り着くのに、この日は違った。たくさんシャッターをきっていく。
今日は、美しいのは色だけでないからか。
太陽の暖かい陽光が、空気を暖める。湿度の中に潮を含んだ風を感じる。肺を大きく膨らませ、その生暖かい空気を身体の中に吸い込んだ。
夏だと思った。太陽の光は肌も焦がす。
遠くで造船のドックがある。本当に微かだが、作業している音が聞こえる。
そうだった、今日は昨日の夜から今朝まで働き通しだったから、休みをもらって平日の昼間に出かけて来たんだった。だから、働いている音がするんだ。
少しの間、耳をすます。遠くで、金属が叩かれている音や軋む音。小さな魚が跳ねる音もする。
僕のシャッターの音は、この海で聞こえる音のひとつとなった。
サポートしていただけたら、嬉しすぎてレンズを衝動買いしてしまいそうです(笑)