なぜ「フクロウが羽ばたく送風機」を考えたのか
私、フクロウに囲まれて育ちました。
両親が無類のフクロウ好きなもので。
旅先のお土産屋さんでしょ?まちの雑貨屋さんでしょ?陶器屋さんも危険地帯。両親がどこかでフクロウの置物を見かけたらもう最後、その子はわが家に迎えられる。
「なんでフクロウなん?」と母に聞いたことがある。そしたら「フクロウは、不苦労で、福朗で、福老だからね。幸運を運ぶ鳥なんよ」と、うれしそうにフクローフクローと連呼された。
ホーホー、なるほど。ギリシャ神話やローマ神話ではフクロウは知恵の女神の従者だし、シマフクロウは世界で神として崇められているもんね。
という話は大人になって知ったのだけれど、子どもの頃から家中そこらじゅうフクロウが飾られていて、私の深層心理にはフクロウがぐりぐりと刷り込まれていった。
しかもフクロウは家の中だけじゃない。実家が山奥にあったので、家の周りにはめっちゃフクロウがいた。夜、窓を開けたらホーホーホー、そこらじゅうで鳴いていた。姿は見えない。隠れっぷりは、さすが森の賢者。あれ、賢者ってゴリラだっけ?
ゴリラはいないがフクロウは(どこかに)いる山奥で育った少女が、
シャープに入社して、
生物模倣「ネイチャーテクノロジー」の研究に没頭し、
そしてこのたび「フクロウが羽ばたく送風機」を考えました。
これって偶然だけど必然ですよね? つうか運命ですよね?
そんなうちのフクロウが、IT・エレクトロニクス技術の総合展示会「CEATEC 2023」にコンセプトモデルとして仮デビューしました!かっこ仮!めざせ商品化!
ヒーリングファン「はねやすめ」
うちの子の名は「はねやすめ」と申します。
その正体は、小さな体で大きな翼をゆっくりと羽ばたかせ、人が心地よいと感じる「自然の風」を再現するヒーリングファン。
写真右奥に写っている白い子は「フクロウ」の雌で、モデルはメンフクロウ。長いまつ毛と目元のホクロがチャーミングな女の子。
左にいるベージュの子は「ミミズク」の雄。モデルはコノハズクで、キリッとした顔つきの男の子。
ずずずいっと寄ってみると、うっ、かわいさ炸裂!
左のベージュの子は、試作した6羽のうち、1羽だけのレアキャラなので、どこかの展示で見かけた人はとってもラッキー。きっといいことが訪れます。後ろに回って、しっぽも見てね。
展示会での反響
CEATEC 2023に参考出展した「はねやすめ」は、会場でも、ネットニュースでも、Twitter改めXでも、ちょっとした話題になりました。
そりゃ、そうかも。今をときめくデジタルイノベーションの展示会で、シャープが最先端の技術を展示しているブースの真ん中で、フクロウがのんびり羽ばたいて風をソヨソヨしていたら、私だってギョッとして二度見する。
お客様からいろんな声も掛けていただいた。
「フクロウ、好きなんです」
「もっとフクロウふくろうしたデザインにしてほしいです」
「風は横じゃなくて、前に吹くんだ!?」
「風………優しい…」
「まだ試作ですよね。うちの会社も一緒にやりたいです」
「商品化されたら、すぐ買います。数百台ぐらい導入したい」
フクロウ好きの人から、共同開発や商談モードの人まで、想像以上に幅広い人たちから好意的なご意見をいただけたのは、研究開発者としてめちゃめちゃうれしかったです!
フクロウの形態と動きを模倣
「はねやすめ」は、フクロウの柔軟な大きい翼という「形態」と、ゆっくりと羽ばたく「動き」を模倣している。
出ました、これがメンフクロウ。
脚、長っ!いや、そっちかい!
このフクロウを模倣した「はねやすめ」の風は、吹いたり、やんだり、間欠的で不均一。自然の風そのものに近い。
扇風機のように、一定の風量で、均一な風が吹くわけではない(扇風機にも自然風モードはあるけれど)。扇風機のように、風で涼しくするわけでもない。
カテゴリーとしては風を送る「送風機」に入る。でも、そんな枠にもやすやすとは収まらない。だってフクロウだもん。だから分類はソウフウキ属ヒーリングファン「はねやすめ」。新種です。
「はねやすめ」の風の特徴は?
では、扇風機の風と新種「はねやすめ」の風を、まず映像で見比べてみると、
また、下のようにグラフで見ると、自然の風と「はねやすめ」の風のリズムが似ていることがわかります。
波が打ち寄せる音、雨が降る音、ろうそくの炎のゆらぎ、ちらちらと揺れる木漏れ日。
光や音、振動など自然界にあるリズムを、人は「心地よい」と感じるのです。
「はねやすめ」の風は、縁側に吹く優しい風に似ている。レースのカーテンを揺らす優しい風にも似ている。想像するだけでもいい感じ。
事実、扇風機と「はねやすめ」を比較した社内試験では、「はねやすめ」の風に人をリラックスさせる効果が期待できることがわかった。
そう、「はねやすめ」の風は、やわらかくあたって心地よい。
それに対して扇風機は、高周波。
翻訳すると、風が硬い。
周波数とは1秒間に繰り返す波のこと。
扇風機は、羽根が1秒に数回〜10数回、回転して細かい風(波)をたくさん生み出す。硬いけど涼しい!
(補足:シャープには、やわらかい風を生み出すネイチャーウイング搭載の扇風機もある。お手本はアサギマダラ蝶!)
THE高周波の家電といえばドライヤーだ。モーターが数万回転/分でファンを回転させて風を起こす。ドライヤーには大風量やムラの少なさが求められるので、高周波の硬い風が向いている。
そんな高周波組とはかなり違う送風機「はねやすめ」の翼は1秒で1往復。
THE低周波。
翻訳すると、風がやわらかい。
「はねやすめ」の風が優しいといわれるのは、ここに理由がある。
CEATECで「はねやすめ」を体感された人たちの中には、羽音(風音)がほとんどないことに注目された方も多くいた。ふふふ。そこに技術が詰まってます。
本物フクロウは、ほとんど音を立てずに羽ばたいたり、滑空したり、ホバリング(空中停止)したりできる。鳩やカラスはバッサバサ。スズメはパサパサ。フクロウは静かな夜でも獲物に気づかれないように無音。といった具合。
そもそも、小さな体に対して大きな翼を持つフクロウは、羽ばたく回数が少ない。
そのうえ、翼の後ろ側にある風切り羽のギザギザが、空気抵抗を減らして音を打ち消す。モフモフとした体の羽毛が、音を吸収する。
そんなフクロウの静かな羽ばたきを「はねやすめ」は再現している。
え、ギザギザもモフモフも無しで?
ふっふっふ。ポイントは、羽根の骨格と翼の動きの「本物感」です。
本物の骨格に近づける
「はねやすめ」の肩あたりに見える白いパーツは、本物フクロウの上腕部分にあたる。
本物フクロウの骨格は、翼の根元の骨がとても太くてしっかりとしている。羽ばたくと、翼に大きな荷重がかかるからだ。だから、「はねやすめ」の根元もしっかり太く頑丈に!
「はねやすめ」の羽根は、本物フクロウの手と前腕にあたる。
設計当初、この羽根を支える骨格(模様のように見える白い線の部分)は、もっと単純な構造にしていた。思い描いていたのは、無線操縦できる鳥型の飛行機のような、凧のようなもの。なので、凧っぽく、太い骨を横にピッ、そこから細い骨を放射線状にピッピッピッ。
ところが、この羽根で実験しても思うような数値が出ない。なんでやねん。悔しいときはお国言葉がこぼれでる。
なにより見た目が格好悪い。フクロウのデザインはあんなにも美しいのに。なんか、ちゃうねん。悲しいときもお国言葉がこぼれでる。
そこで私はハッとした。
生物模倣「ネイチャーテクノロジー」の研究者としたことがウッカリしてた。
迷ったら原点に立ち返れ!
本物の骨格に近づけろ!
私は原点に戻って設計し直し、「はねやすめ」の羽根構造は、より本物フクロウに近い今のかたちにたどり着くことになる。
本物を見習って、翼の軽量化もとことん追求している。骨格は極限まで薄くして軽量化できる材料を、羽根の布は軽量で硬いものを選んだ。
本物の動作に近づける
かたちは見えてきた。次は動きだ。
ここで質問です。皆さんは、空を飛ぶ鳥がどうやって翼を動かしているかご存じでしょうか。
上下でしょ?と答えた方は残念!
鳥は羽ばたくとき、実はめちゃくちゃ複雑な動作を行っている。
「はねやすめ」は4つの動作のうち、「1.上下に動かす」「2.ひねる」動作を模倣している。
羽根を振り下ろして、風を生みだす。
そこに、羽のしなりを加えて、風を前に送る。
本物フクロウの場合、上下運動で生まれた風は、風切り羽によって後ろに向かい、それが前に進む推進力になる。「はねやすめ」にギザギザ風切り羽はないけれど、「1.上下」「2.ひねる」動きで風を送る仕組みになっている。
ぱっと見は、羽根を上下に動かしているだけに見えるかもしれない。CEATECでも羽根の横や下に手を持っていき、風を確かめている人がいらっしゃった。ご安心ください。風は横や下じゃなく、正面にいるあなたに向かって、そよそよと吹きます。
このあたりで、もしくはずっと前から「おかしい!」と気付いた人がいるかもしれません。
本物フクロウは風が「後ろ」に吹く。
「はねやすめ」は風が「前」に吹く。
逆やん!
つまり「はねやすめ」の顔は180度回って、後ろを向いている状態なのだ。顔だけクルッと振り返って、あなたに風を送っていると思ってほしい。
180度なんて、かわいいもんです。本物フクロウは顔が左右に270度ぐらい回るらしい。上下逆さまにもなるらしい。きっと肩凝りには縁がない。
そんな本物フクロウを間近で観察するため、フクロウカフェにも調査しに行った。
静かさと軽さが衝撃的
そこは、フクロウ好きなら誰もが一度は夢見る天国だった。どの子もみんな目はクルルン。体はモッフモフ。「はねやすめ」のモデルにしたのはメンフクロウとコノハズク。メンフクロウは先ほど写真で登場したので、お次はコノハズクをご紹介します。
いやー、たまらん!かわいすぎるやろ!
コノハズクは、日本にいる野生のミミズクの中で一番小さい。ちなみに耳のように飛び出た羽があるフクロウを「ミミズク」と呼び、それ以外は総称して「フクロウ」と呼ぶそうな。
エサやりにも挑戦させてもらった。分厚い手袋を着けて、エサを手に持ち、離れたところにいるメンフクロウを呼ぶ。最初は全然興味なさそうだったくせに、さっと飛び立ち、あっという間に私の元へ。うぐっ。愛しいっす。
そんでもって驚いた。飛ぶ音が全くしない。腕に止まっても、めちゃめちゃ軽い。止まってる気がしないぐらい、怖いぐらい軽い。
体感って大事やね。研究者、肝に銘じる。
そして、うちの子とコノハズク、奇跡のコラボも実現した。
あかん!たまらん!もう無理やろ!
あまりのかわいさに悶絶して床をのたうち回る私のことは不審げに見るくせに、横で羽ばたく「はねやすめ」には心を許してるみたい。フクロウ仲間だと認めてくれたのね。
と思ったら、理由はどうも違うらしい。
フクロウカフェ店員さんによると、扇風機はビックリして逃げるらしいが、「はねやすめ」は横にいても気になっていないみたい。
フクロウ(本物)が認めるフクロウ(仮)、爆誕です!
開発にあたって学んだこと
開発にあたっては、フクロウカフェだけじゃなく、フクロウについて徹底的に調べ倒した。
生体図鑑をはじめとする専門書を穴の開くほど熟読する。海外の論文を手当たり次第に読みあさる。鳥類の学会を鳥類研究者に交じって聴講する。
読む聴くだけでなく、動物園にも足を運んだ。柵にはばまれながら、フクロウの鳥舎にできるだけ近づき、飛ぶまで待つ。じっと待つ。フクロウがサーっと音もなく飛び降りるのを見届けても、それだけでは飽き足らず、他の鳥だって見に行っちゃう。フラミンゴも見る。ペンギンも見る。
動く生き物は観察対象
私は街なかでも生き物をめっちゃ見ている。
視界の端でなにか動いたら、パッと見る。
人間だって、急に動く人がいたら、パッと見る。
一緒にいる友だちに「な、なに?」って引かれるぐらい、猫並みに反応する。
動いていなくても、ジッと見る。
鳩も見る。スズメも見る。カラスも見る。
鳩だったら、首の構造色がキラキラしてるなぁって、ジッと見る。あのキラキラとした緑色や紫色は、構造色といって見る角度によって色が変わって見えるのだ。
陸上の生き物だけでは飽き足らず、水生の生き物も見る。プライベートでは水族館に月に1度ぐらいは行く。
リアルだけでは飽き足らず、生き物を特集した動画やDVDも見る。会社で大好きな動物番組を観るのも仕事のうち。やれやれ、あー、たいへーん。
幼少期からの生き物好き
そういえば母がよく話題にするお気に入りの話がある。
私が子どもの頃、生き物図鑑を手に持ったまま、階段で寝落ちしていた話だ。
図鑑の「蛇」のページを開いたまま。
なんで蛇なん?と嫌がる母。なんでフクロウなん?の自分を棚に上げる母。
私だって、蛇がお気に入りなわけじゃない。ただただ、生き物が好きなんです!
それなら進路は生物学を選びそうなものだけど、私は物理学も好きだった。
特に力学。力学は、物体に働く力と運動との関係を明らかにする学問だ。
車が走るのも、車のドアを閉めて音が出るのも、みーんな力学で解き明かせる。
たぶん、謎を解き明かして法則を見つけるのが好きなんだろな。大学では、地球で起こることをさまざまな観点から解き明かす工学科へ進み、海洋工学を学んだ。
私の専門は「生物模倣」。魚のひれ運動を研究していた。
周りの学生たちもユニークな研究をしていた。マングローブで津波を止められるか。カモノハシの動きをロボットに活かせるか。重油が流出したらどうやって回収するか、などなど。
そんな環境下で、研究室の先生がシャープと組んで共同研究を行うことになった。「鳥の羽ばたき」を模倣した送風機で、超高効率を実現できるか、大幅な省エネが実現できるかを検討する研究だ。
魚のひれと鳥の羽根。ひらひら動いて、ひねりも入る。ヒレとハネ、似てるよねー、てな流れで私も共同研究を手伝うことになる。
途中は省略するが、結論は「いけるかも!」だった。
それを卒論にまとめて発表したら、学会で賞もいただいてしまった。
この「いけるかも!」を、いずれは実際のモノとして具現化してみたい。シャープならいけるかも?
私が研究する生物模倣も、シャープならぴったりハマるかも?
共同研究で出会ったシャープの人たちのプロフェッショナルぶりや技術力の高さにも感銘を受けていた。
そんなこんなでシャープへ入社することになり、私は1冊の本を会社に持ち込んだ。
大学の恩師が「これ、読んどき」と渡してくれた「生物の動きの事典」という本で、卒業するときに「これ、持っていき」と贈ってくださった本だ。
今も会社の机に置いていて、付箋だらけにして愛読している。頭を整理したいとき、行き詰まったとき、「はねやすめ」を構想するとき、事あるごとに開いては読み返す。
背表紙がビリッと破れたときはショックやったなぁ。だからって新冊に買い直したりなんてしない。ボロボロになっても、この本は唯一無二。迷ったとき、恩師のように道を指し示してくれる宝物なのです。
「はねやすめ」を作った理由
入社してからの10数年、生物の動きを研究し続けた10数年は、あっという間に過ぎていった。「生物模倣って、なに?」と同僚に聞かれる無名っぷりから、社内に浸透して「ネイチャーテクノロジー」というジャンルとして認められるまで10年かかった。
でも、でも、お客様にはまだよく知られていない。
残念です。悔しいです。生物模倣技術の素晴らしさと可能性を、もっと多くの人に知ってもらいたいんです!
そのためには、家電の1パーツ、1技術じゃなくて、ネイチャーテクノロジーそのものを体現する「プロダクト」をつくって、多くの人に見てもらいたい!
心の奥底には、10数年前に書いた卒論が眠っていた。あのとき、「いける!」と確信した「生物模倣型送風機」をなんとかして具現化したい。マグマのような熱い思いがフツフツと湧き上がっていた。
そんな私を天は見放さなかった。チャンスのしっぽを差しだしてくれた。社内で新規事業創出プログラムの公募があったのだ。もし採用されたら、商品化や事業化を目指すルートに乗せられる!
私たちネイチャーテクノロジーのチームは、他部署の人たちも「一緒にやろう!」と巻き込んで、いくつものアイデアを練り上げた。その中に「はねやすめ」の案があった。
鳥の中でフクロウに着目したのは、静かな飛翔と、その愛らしさから。フクロウを模倣した送風機なら、寝室に置いてもリビングに置いても、きっと癒やされるはず。
新規事業創出プログラムの応募総数は108件。
煩悩の数だけ集まったアイデアの中から、なんとなんと「はねやすめ」が選ばれた!
卒論以来の夢がついに花開くときが来た!やった!やった!除夜の鐘がゴーンゴーンと鳴っていた!
そう喜んだのも、つかの間のことでした。現実は甘くない。
そもそも私は研究者。商品開発部門から依頼を受け、ネイチャーテクノロジーを応用して従来部品の性能を改善するのが、いつもの仕事。
しかも通常、一つの商品を開発するときには、商品企画、技術、品質、営業などなど、各部門の担当者が寄ってたかって協力し合う。ところが今回は私が自分で決めないと、なんにも前に進まない。めっちゃ大変!すんごい苦労!
今、はねやすめチームは開発担当の私と事業担当者の体制で動いている。世の中で見たことのない新種のヒーリングファンだから、なにもかもが手探り状態。周りの人たちにめっちゃ手伝ってもらいながら、「なんとか頑張って商品化を!」と2人で励まし合っている。
私が管理職になって、自分の裁量で仕事内容や作業時間を決められることも助けになった。前は、部下のいる管理職って大変そう……と思っていたのに、いざなってみると、自分で自分をコントロールできるところが面白い。現場大好きな研究者の皆さん、管理職も捨てたもんじゃないですよ?
失敗も、もちろんある。
開発初期、羽根の骨格を鳥型飛行機に寄せてしまって回り道をしたのも、その一つ。実は卒論では、既存の鳥型飛行機を加工して試験体に使っていたのだ。なので、ついそっちに引っ張られ、本物のフクロウから離れてしまった。
でも、そこは研究者なので、エジソン風に「失敗すればするほど、われわれは成功に近づいている」と断言しておく。
「はねやすめ」胴体のデザインも、初期からかなり変えている。
最初は真っ白な箱に羽根を付けていた。アートの世界やね。
次に顔を描いてみた。スッと切れ長の目をしたイケメン系。推しの世界やね。
そこから、もうちょっとかわいい方が癒やされるよね、となって今の顔に。うちの子、サイコーやね。
まだ開発途中のコンセプトモデルだから、ブラッシュアップしていくと他にも変わるところが出てくるかもしれません。
まずは商品化を目標に
商品化を実現したら、次のステップでやりたいことも、たくさんある。
環境にいい材料でつくりたいな。
動物保護活動にも広げていけたらいいな。
やりたいことが次々出てきて、今、大学院の博士課程にも通っている。
学会だってドンドン参加するし、学会発表だってバンバンしたい。
「はねやすめ」を世に羽ばたかせるためなら、
ネイチャーテクノロジーをもっと知ってもらうためなら、
こんな苦労なんて苦労じゃない!これぞ不苦労!そのうち福来ろう!ほんとは梟!
お父さんお母さん、私をフクロウ好きに育ててくれて、ありがとう。
私の両親のように、フクロウに癒やされたい人たちに向けて、ヒーリングファン「はねやすめ」をつくっています。
商品化を実現するまで、皆さん、どうぞ見守っていてください。
いつかあなたの家へ、仕事場へ、お店や施設へ、日本中へ、世界中へ「はねやすめ」が羽ばたいていく日を楽しみに待っていてください。
そしてフクロウが飛んできたら、その優しい風をぜひ浴びてみてください。
🦉🦉🦉
【撮影協力ありがとうございました】
幸せのフクロウカフェ「シュエット」さま
【ネイチャーテクノロジーとは】
巻末おまけエピソードとして、私がずっと取り組んでいる生物模倣「ネイチャーテクノロジー」のお話をします。
自然界の生物には、ムダや無理がありません。そんな自然の摂理に学び、生物の優れた身体構造や生きるための知恵を応用して、暮らしにも環境にもやさしく快適なモノづくりを目指すのが、シャープの「ネイチャーテクノロジー」です。
まだまだあります。
こんなに生物好きな家電メーカーって、シャープぐらいかもしれません(私調べ)。
生き物のみんな、ありがとう!
あなたたちのおかげで、家電の能力が上がり、家事の時短や消費電力量の削減につながりました。開発や改良にかかる時間もすごく短くなりました。
人間の皆さまも、ぜひシャープの「ネイチャーテクノロジー」の今後にご期待ください!