2019年下半期の舞台
2019年、本格的になった舞台観劇およびお笑いライブ鑑賞。2020年1月の外出予定はほぼ舞台だったり、めちゃハマり中。ネタバレ禁止な公演も多く。その都度感想が書けなかった分、今年最後のnoteとして好き放題感想を。
10/11 千鳥の大漫才 2019@福岡市民会館
去年に引き続きなんとかチケットをもぎ取れた。昨年衝撃を受けた大悟の作演出による芝居、今回はまさかの芝居始まりで早速面白かった。大悟フレンズの天津、ダイアン、ネゴシックスに加え、登場だけで大歓声だった宮下草薙、ボケとしての豪華出演者・間宮祥太朗と新川優愛をまじえたクソ劇「西遊記」。「ストンプが1番ダサいんよ」というツッコミが冴え渡りすぎ。
本編の漫才も当然すさまじい。3本はこれまでのフォーマットをアレンジしたもので、安定の、という仕上がりだったが最後にやったネタが完全に別次元。先日の「THE MANZAI」でも騒然となった「開いてる店は開いてるし 閉まっとる店は閉まっとる」のネタ、本当にタイトル通りのネタで、展開を殺し無間地獄のような言葉のループでこちらの腹筋をぶっ壊す。千鳥、漫才師として完全にネクストフェーズに突入しているよ。面白すぎて怖かった。
11/4 万能グローブガラパゴスダイナモス「月ろけっと」公開稽古
福岡の劇団、数年前の公演を宮崎の高校で上演するということで、その通し稽古を見せてもらえることに。初めて、完成されつつある作品、というのを見たのだけど面白かったなぁ。舞台裏で役者さんたちはこう動いてるのか、とか直前まで結構小声で台詞合わせてるんだな、とか演劇を始めるわけじゃないんだけど勉強になった笑。裏側が見えてくると楽しい事ってあるよね。
内容は非常にダークで示唆に富んだ、シニカルなコメディで。やっぱ欲望とこれ、高校の時に観たらなんか触発されそうだなぁ!っていうすごく良い内容。やっぱり、綺麗事ないい話よりも、毒を盛った話のほうが魅力的だ。
11/24 ジャルジャル「JARU JARU TOWER 2019」@JR九州ホール
念願叶っての初単独。M-1は引退したけど、キングオブコントは現役ファイターであり、また毎日ネタ動画をアップしているというかなりギラギラしたコンビである2人。ここでも、ほぼ瞬発力のみで行き着いたようなひとつのくだりを1本のコントに発展させたような"発想の筋力"を強く感じるようなネタばかり。どこをどう切り出しても斬新という、隙の無い笑いをくれた。
唸ったのが、1本目のコントで、それ以降やるコントタイトルを全部述べてしまうということ。オチにも値する重要なタイトルもあったが、それを逆手に取って予想外な展開に繋げたり、フリの時点で笑いを誘ったり、こういうほうほがあるのか!と。何より、タイトルぐらい明かしても問題ないという自信よ。そして2時間、10本近いコントを披露しながら、その1つ1つを見事に繋げながら届けていったのも意外で良かった。構成力も抜群なんだよな。
11/24 オークラ「崩壊シリーズ~派~」@イムズホール
バナナマン、東京03のコント作家でもあるオークラ氏が山崎樹範を座長に迎えて行っている演劇作品「崩壊シリーズ」の第3弾。第3弾から見てもなぁ、と思いつつも、ウレロシリーズも始まる直前だったし、となったので鑑賞。
内容はまさにオークラ!という緻密な言葉遊びと構成力で魅せるスラップスティックなコメディで。リアルタイムで進行するお芝居が欠陥だらけで、、というメタ的な楽しみ方もできるし、崩壊シリーズという名のもとにセットがどんどんぶっ壊れていくド派手な笑いの多さも良かった。唯一の芸人キャストだったラバーガール大水洋介が割とマトモな役だったのが素敵だった。
12/1 シソンヌ モノクロ @パピオン24 ガスホール
60分、セット衣装替えなしで全国を周遊するライブ。てっきり5~10分ネタを7,8本くらいやるのかなぁと思っていたら、10分、20分、30分のネタを3本。それぞれ日常の裂け目に現れた奇人・じろうを、長谷川が何とかしようとする内容で。声色によってタイプの異なる異常性を纏うじろうの演技を直に観ると、その狂気にクラクラしてしまった。目がね、おかしいんだよ。
長谷川のツッコミはこういう演劇に寄ったコントにしては珍しくパワフルで柄が悪いのだけどそれもまた不思議とじろうのトーンとマッチするなぁ。"奇妙"に対抗するにはパワーしかないから。2人のコントは観ようによっては怪優2人によるガチの演技合戦にも見えてくる。今回は簡素なライブだったけど、がっつりと演出をつけた構成の豊かな単独公演も見てみたいなぁ。
12/22 ゴジゲン第16回公演「ポポリンピック」@イムズホール
映画監督としても活躍する松居大悟が率いる劇団による1年ぶりの単独公演。2020年東京オリンピックの新種目から落選したボウリング、その天才選手の苦悩を描く、、というかなり時代に即した内容で。好きな女を集団ストーカーしたり、テディベアに恋する男たちを描いたりしてきた松居大悟にしてはかなり社会派であるし、メッセージ性の強い内容に思える。
と、その方向性に向かうこともできたであろう設定。実際、政治的思想を絡めたり、オリンピック批判という作劇に陥っていく可能性もあったとアフタートークで語られていた。しかし、最終的にすべての苦悩が個人のものに帰っていき、"誰かにとっての大切は誰かにとっての大切でしかない"という当たり前に着地していくのは流石であった。あのラストシーンは忘れがたい。
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