5.15 SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022@山中湖交流プラザきらら
SPACE SHOWER TVが主催する山中湖の音楽フェス、春では初開催となるラブシャの2日目があまりにも好みドンピシャだったので参加。初のラブシャ、というか初の富士山麓フェス、そして2019年のSunset Live以来の野外フェス。
会場に着いてみて実感する。めちゃ空いてて快適すぎるのだ。シートエリアに椅子を設置した後、最前に座ってスカートのリハをガッツリ観れる状況。佐藤優介がシマダボーイのパーカッションを触り続け、佐久間裕太に叱られて戻り、澤部渡と岩崎なおみが微笑むというひと場面も見逃さなかった。
10:30- スカート
朝らしい爽やかな楽曲を取り揃える中、僕が事前番組でリクエストした「離れて暮らす二人のために」をやってくれたことが嬉しすぎて!!スカートにとっても久しぶりの野外フェスということもあり、その再会のイメージも重なって1組目からまつ毛濡らしかけた。そして終盤、「駆ける」はコロナ直前にリリースされたのでライブで聴くのはこれが初めて。ステイホームの時期なんかが浮かび、遠くにきたものだな、と。そして「海岸線再訪」も初めて。この寂しくも前を向く様が、まさに今のモードだ!と。「静かな夜がいい」で抜群のツヤを聴かせエンド。バンドも新鮮に素晴らしかった。シマダボーイのパーカッションを明るいとこでたくさん観れて嬉しい限り!佐藤さんも電池が切れたように見せかけて確実な鍵盤タッチに見惚れてしまった。
<setlist>
1.視界良好
2.回想
3.君がいるなら
4.さよなら!さよなら!
5.離れて暮らす二人のために
6.ずっとつづく
7.CALL
8.ストーリー
9.駆ける
10.海岸線再訪
11.静かな夜がいい
サインと写真も撮っていただいて。2018年からぽつぽつとファンサービスしてもらってるけど、いつの間にか澤部さんも僕も結婚してた。時の流れ!
11:30- HIMI
俳優としても活動する気鋭シンガーで初見。しかし「ムーンライトシャドウ」や「ゴッシュ!」などで役者として拝見していたので芸能人を観る気分になった。役柄は掴みどころないキャラが多い印象なのだが、本人はジャマイカルックでピースサインを繰り出すとても陽気なボーイで驚くばかり。音源はかなり打ち込みの印象が強かったけど、4ピースのバンド編成。やる曲もブルースとレゲエを行き来するようなクラシカルな楽曲揃いだった。若い人がギターソロを飛ばさないようにするには彼のようなアイコンが渋いギターを弾き続けるの、大事かも。まるで友達のバンドかのようなラフな軽やかさで HIMIくんは自由な振る舞いでバンドを指揮してたけど、ドラムがBREIMENのメンバーだったり目うて揃いだからこそかなりコントロール効いてた。
<setlist>
1.だきしめたいよ
2.baby
3.Summervibes
4.Downhill
5.A Song For You
6.Intro
TENDREを聴き小躍りしながらご飯。京都ぽーくの塩豚丼と沖縄ソーキそば。全然地方にゆかりのものじゃないけど食いたいものを食うことの良さ。
13:10- butaji
全員メガネという雰囲気ありまくりなバンドメンバーを従え、流浪の旅人かのように登場したbutajiさん。あまり観客は集まっていたなかったかのように思えたけど、なんと勿体ないことか!彼は令和を代表する、歌のバケモンとして名を馳せることになるでしょう。フォーキーな歌モノを軸にしながら、J-POP然としたメロディをその太く誠実な歌声が芯を通す在り方がライブだとよりダイレクトに伝わる。情感豊かなフェイクも、ファルセットを超えた先のハスキーボイスも、どれも昨今の歌手にはないケレン味とムーディーさがあった。折坂悠太との共作である「トーチ」はバンドのダイナミズムも相まって興奮した。ドラムの方が滲みながら叩くの良すぎた。じっくり聴く曲が多い中、「free me」ではこの日初めて拳を突き上げたり、アプローチ多彩!
<setlist>
1.calling
2.free me
3.トーチ
4.中央線
5.抱きしめて
14:10- カネコアヤノ
直前でバンドセットから変更となり、結果的に1年ぶり2度目の弾き語り編成での彼女のライブ鑑賞。この日、おそらく最大集客アクト。しかしメインステージでは唯一の弾き語りという特異な状況。そこに対し特に気負うでもなく白いワンピースでふらりと現れて「座っててもいいんで自由に聞いてください」と最初に伝え、50分間ただひたすらに曲を連ねていく彼女にしか生み出せない時間となった。その気高い咆哮と美しい闘志は座って聴いてはいられない!という気持ちになる。ラストに歌った最新曲「わたしたちへ」は弾き語りでは初めて聴いたが、原曲の突き刺し抱きしめるような質感がより強調され、最後のフィードバックノイズも、引きちぎれんばかりに弦を掻き鳴らすことで表現していた。そうして彼女は再びふらっと去った。風のよう。
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リハ1:ごあいさつ
リハ2:序章
リハ3:カウボーイ
1.愛のままを
2.セゾン
3.爛漫
4.明け方
5.閃きは彼方
6.朝になって夢からさめて
7.栄えた街の
8.グレープフルーツ
9.燦々
10.わたしたちへ
yonawoを聴きながらキューバサンドとオレンジ&レモネードを。yonawoは本当にとろける。この界隈のフェスを全制覇しつつあるのも納得の育ち方。
15:30- 折坂悠太(重奏)
2018年に弾き語り、2019年に合奏と来て遂に重奏を初見。気圧されるような分厚いグルーヴに慄く。パーカッションがフィジカルに踊りを叩き込んできて痛快。またコントラバスの低音による厳かさな重厚さ。「夜学」では幻惑的な弦の鳴りもあり、表現技法がとにかく多彩な重奏セットだ。そしてbutajiを呼び込んでの「トーチ」はサックスがエネルギッシュに響き渡る、butajiバンドとは一味違う仕上がり。そして2人の歌声の重なりの美しい調和たるや。個性と個性が奇跡的に互いを支え合う、これは令和の「夏の終わりのハーモニー」?2人はそう、井上陽水と玉置浩二なのかもしれない。様々に独特なライブだったが「さびしさ」で始まり「坂道」で終わる構成や、「朝顔」〜「針の穴」でポップスとしての強靭さも見せつけるから隙がなさすぎる。
<setlist>
リハ:芍薬
1.さびしさ
2.心
3.鯱
4.あさま(Dub ver.)
5.朝顔
6.針の穴
7.夜学
8.トーチ w/butaji
9.坂道
だんだんと日が落ち、ライトアップもほどよく。
16:30- 君島大空(独奏)
初見。2020年の森道市場の配信で物凄く心掴まれて以来、待ち焦がれていた。少し遅れて到着すると、オートチューンのかかった声が聞こえてくる。え、こんなライブだったか??と思うとしっかりとアコギの爪弾きも聴こえてくる。そして瞬時に曲の内側へと意識が滑り込むような心地になってしまった。しかし2曲目では「向こう髪」では鮮やかな早弾きと穏やかでポップなメロディが心ほぐしてくる。後半は本来なら5分くらいある早弾きをカットすることを可愛く伝えるなど、愛嬌もあるので更に意味が分からなくなった。その後も、神秘的で吸い込まれるような時間がひと時続く。雨と霧かかる山々の風景も相まって凄まじい没入度だった。ラスト「光暈(halo)」では終盤にノイズをループさせてエンド。孤高の美しさが光る、恍惚の30分だった。
<setlist>
1.午後の反射光
2.向こう髪
3.きさらぎ
4.銃口
5.光暈(halo)
この辺りから雨も本格的に降り始め、準備していたKIUのレインポンチョが大いに役立つことに。ぎこちない着方。でも、防寒にもなって最高だった。
17:10- ハナレグミ
ハナレグミはバンドセットは初見だったのでリハの音から嬉しい気分になった。のっけからゴキゲンなグルーヴに乗せてくれるし、降りしきる雨も演出かのように祝祭をもたらしてくれる。「霧でこの後、僕の姿も見えなくなるかな?そうなったら、、、面白いね」と、霧の解釈すらもポジティブで面白すぎた。「ありふれた言葉」ではHIMIくんもステージインしてすこぶるピースフルな時間だった。「明日天気になれ」という瞬間の祈りとしてピッタリな曲を挟み、結婚してから聴く「家族の風景」は実に沁みるなぁとのんびり見ながら思った。そうそう、このフェスはライフステージの変化にも優しいフェスっていいなぁと子連れの観客を観ながら思ったり。そしてラストに鎮座した「発光帯」の眩さよ。またエビバデスクリームできる日を願って。
<setlist>
1.独自のLIFE
2.大安〜Peace Tree〜オアシス〜大安
3.Quiet Light
4.Smile〜ありふれた言葉 w/HIMI
5.あいまいにあまい愛のまにまに
6.明日天気になれ
7.家族の風景
8.発光帯
最後の飯は静岡おでんとほうとう。どっちもうますぎて帰りに土産として調達した。頭おかしいバターの量の揚げじゃがバタも良かった。この後、豚バラと牛タン串も追加。そして食べながら後ろでは冥丁がなんらかの妖怪を山から召喚しているのではないかと
19:10- 岡村靖幸
トリは4年ぶりに観る岡村ちゃん。登場時から歓声も凄まじく、いきなりバキバキのサウンドで送られる「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」なのだから大興奮だ。"フィーバー!"の声から連なる「だいすき」から、あのキレキレのモーションと投げキスの応酬は止まらず、何だか脳汁がドバドバ出てくる。そしたら「カルアミルク」で山中湖の夜を90sの六本木に染め上げてしまうのだから、一流のエンターテイナーでありショーマンであると言うほかない。「ステップUP↑〜住所」をノンストップに繋げ、「ステップアップLOVE」ではダンサー2名も舞台に現れ、そしてその2人に負けじと岡村ちゃんも踊るのだから、スター性の横溢とはこのことか!と。
一転、ドープな「家庭教師」ではあまりにもセクシュアルな動きで惑わし、「彼氏になって優しくなって」では軽やかでメロウに僕らを繋げてしまう。MCはベースの横倉さんが穏やかに担当。その間に後ろで休憩するという一連も謎なのだが、岡村ちゃんならまぁそうかと納得してしまうのが不思議だ。そして最後は「愛はおしゃれじゃない」の多幸的なクラップから、「ビバナミダ」でドリーミーな一体感でエンド。最高の演奏陣を動員した音楽的な迫力とメロディの強度はもちろん、結局のところ、人の魅力なのだ、と思わざるを得ない圧倒的な1時間だった。大トリに相応しすぎるDATEだった。
<setlist>
1.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
2.だいすき
3.カルアミルク
4.ステップUP↑〜住所
5.ステップアップLOVE
6.家庭教師
7.彼氏になって優しくなって
8.愛はおしゃれじゃない
9.ビバナミダ
花火なんて何年ぶりよ!フェスの終わりってこれだな、って。
素晴らしい余韻。ホント、もっとお客さん来るべきフェスだった。
帰り道のライトアップも幻想的でとても良かった。
岡村ちゃんを観た直後なのでポーズはこうなる。楽しかった!!
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