ウツ病が教えてくれた精神世界
『今 目の前に広がっている世界は あなたの心の内側が映し出されたもの』
ヨーガの教えでもあり、仏教の教えでもあるこの言葉は、
今、見ている物事の価値づけは、私たちのマインド(心)の状態で変わるということ。
今でこそ、この認識は、一般に広がって、そんなの当たり前じゃん、と思うところだけど、若い時の私は、この事を頭では理解していたけど、あまり意識はしていなかった。
それがある事をきっかけに、この認識を体験したのだった。
20代前半、私は東京のファッション・アパレル業界の、いわゆるブラック企業で販売員したのちに、デザイン業界に移るも、慣れないハードな仕事のプレッシャーから体調を崩してしまった。
新しい職場での、厳しい人間関係。仕事が遅い!といじめられ、ほぼ毎日、残業。
朝、何とか起きるも、会社が怖くて泣く。一人暮らしをしていた私は、実家の母に朝から電話をして、「怖くて、会社に行けない」と泣きながら伝えた。
朝、通勤する電車の中で、高校の時の同級生に泣きながら電話をして、子供のように、「仕事に行きたくない、怖いよ」と伝える。
私は人生で初めて、鬱病になったのだった。
ウツ病。
それまで、はっきり言って、人生あまり悩みも特になく、そこそこ楽しくて、順風満帆だった私は、自分がウツになるまで、ウツになるような人を実は見下していた。
ウツになるなんて、心が弱いんだ。
自殺するような人は、心が弱いんだ。
そう見下していた。でも、私は自分がウツになって、初めて、死にたい、と、もう明日は来なくていい、と思った。
目の前に映るすべての事が、その時の私には暗く、悲しいものに思えた。
どうしてみんな、楽しくしてるんだろう?と、平和に楽しくやっている友達や同僚を心底、羨ましく思った。
体調も大きく不調になり、ホルモンバランスが崩れて、無月経が9ヵ月も続いた。顔には、毎日、一つずつ、新しい吹き出物が出て、人生で、もっとも外見的にも、自分に自信がなく、異性の前に出るのが本当に嫌だった。
周りがきれいだね!と言ってる花が、私にはきれいと感じない。
周りが楽しいね!と言ってることが、私には、苦痛に思えて、やってみようとも思えない。
長くて暗いトンネルが、ずっと続いてるような、そんな日々だった。
でも、そんな暗いトンネルも、いつかは光が見えてくる。
約一年間の、長い鬱生活も、家族のあたたかいサポートと、こんな鬱でも会ってくれた友人たちのお陰で、少しずづ終わりが見えてきた。
私は会社をやめて、しばらく自宅休養し、ヨーガや東洋医学などに興味を持ち始めた。
『心と体は繋がっている。』
『目の前に移る世界は、自分自身の心の現れ。』
ウツ病をきっかけに、これらを体験した私。
苦しかったあのウツの時間も、今や、私にとっては、ヨーガや東洋思想を探求する大きなモチベーションとなり、過去だから言えるけれど、私の人生を深くしてくれた大切な宝の思い出となったのだった。
(続く)
今日も読んでくれて ありがとうございました♫
Om Shanti
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