『BtoB』と『BtoC』と『D2C』のお話。目指すべきはどのビジネスモデルなのか?
自分の好きな分野でブランドを立ち上げたいと思っている人もいることでしょう。その際に、どんなコンセプトにのどんな商品をどんな人に届けたいとか、そういった事ももちろん大切ですが、もう一つ大切なことを考えなければなりませんよね。
それは、どのビジネスモデルを選択するのか?
代表的なものを極めて簡単に説明します。
BtoB→〈企業が企業に売る〉
BtoC→〈企業が個人に売る〉
CtoC→〈個人が個人に売る〉 ~詳細説明はコチラから~
それとは別にDirect to Consumerといういわゆる『D2C』といったビジネスモデルがあります。
簡単に書くなら、自ら企画・製造した商品をどこの店舗にも介すことなく販売するビジネスモデルのことです。SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)Speciality store retailer of Private label Apparel)と違うのは、店舗を持たず自社運営のECサイト上でのみ販売している点にあります。
このビジネスモデルの選定はブランド運営の根本的な部分ですので、慎重に選ぶべきなのは言うまでもありません。
CtoCに関しては、メルカリ代表とする個人間でのやり取りになるので今回は触れずに置いておきましょう。
まず考えるにあたって、今アナタの立場はどういったものなのかを明確に理解しておく必要があります。
①アパレルメーカー ②工場
③小売 ④その他(なんのシガラミもないスタートアップ希望者)
おそらくですが、①②③の共通点としては、BtoBのビジネスモデルに課題を持っていることではないかと推察します。
云々申し上げずササッと書きますが、目指すべきなのは、
BtoBとBtoCの適切なバランスの構築です。
『工場』を例にして書きます。
工場の帯場としては多くが受託生産(OEM)を主とするBtoBビジネスモデルで経営をしてきたことでしょう。
しかし、生産流通物量と加工費などのバランスが取れなくなり、利益率の確保のためにBtoCまたはD2Cnoビジネスモデルへの転換を目指して動いておられるパターンが比較的に多いのではないかと思います。
選択肢として間違っていると申し上げるつもりはありませんが、
BtoBから完全にBtoCまたはD2Cに構造転換することは極めて難しいということを自覚しなければなりません。それを無視して夢見心地で取り組んでいる方、取り組もうとしている方も少なくないように感じています。
言ってしまえば餅は餅屋。
無理だとは言いませんが、工場は工場であり、その特性を最大限に生かさない限り勝機はありません。
だからこそ、バランスが大事なのです。
そのバランスモデル構築するための切り口はズバリ
BtoBからBtoCへの転換しBtoBを取りに行くことです。
どうゆうこっちゃ?何が言いたいねん?
と思った方もいらっしゃるかと思います。
しかし新たなビジネスモデルに挑戦しようとしている方には悩みはつきものですし、新展開を決意した『原体験』もあるかと思いますので、ただこの内容を読むだけではなく、ご自身のケースに当てはめながらご覧頂ければと思います。
さて、
そのバランスモデル構築するための切り口はズバリ
BtoBからBtoCへの転換しBtoBを取りに行くことです。
と書かせていただいた内容について書かせていただきます。
これは、私の実体験と進行プロジェクトの内容です。
私の仕事は縫製工場です。
今までは一般的に言う『下請け工場』でした。※今も変わりませんが・・・
そして持っていた課題は以下の通りです。
上記の図にもあるように、従来の商習慣の中では商品が消費者に届くまでにたくさんの中間業者の方が関わっていました。
※図にある〈小売〉というのは有名な一部上場企業です。
この環境で陥っていた状況というのが【典型的受注依存体質】です。
昔はこの環境でも十分な経営ができるだけの仕事量と売上の確保ができていました。
しかし時代変化の中で、生産拠点は海外に移り、受注量が減少しました。
そして、加工費についても厳しい要求をされていたんです。
通常であれば【正当な交渉】をするのが至極当然のことですが、
この受注依存体質というのは厄介なもので、言いなりになるしかないんです。
それはなぜか?
もし正当な理由があろうがコチラからの要求を出せば、
・ならば他所の工場に出して、アナタには仕事を出さない
・条件を飲めないなら潰れてくれ
と言われてしますからです。さらに、
そんな状況であっても他社への営業はするな
というパターンさえありました。
そんなある日。
我々が苦しみながら必死に作り上げた商品がテレビのCMに出ていたのです。
そこでは、商品を身に着けた有名な人気タレントが
優雅にカッコよく踊っていました。
誇らしいなと思うのと同時に違和感と悔しさを感じたことを今でも強く覚えています。
自分もこんな華やかな場所で活躍する商品作り
に関わっているはずなのに、なんだこの状況は?
この違和感を力に、2015年にブランドを立ち上げました。
※ブランド紹介記事ではないので長々とは書きません。
ご興味のある方はコチラから御覧ください。
しかし、このブランドも最初は鳴かず飛ばず。
やっぱり餅は餅屋。
工場は所詮工場だ。
ということを思い知らされました。
しかし、何もやらずに未来は作れません。
どんなに馬鹿にされても挑戦を続けました。
その結果、少しづつではありますが、実績も出始めたのです。
前提として、
挑戦し努力した人がすべて報われるわけではないですが、
報われた人のすべてが挑戦し努力をしています。
といった感じで、ブランドを通して自社の価値を高めていく活動を続けてきました。
とは言え、会社の売上の比率を見てみても、確かにブランド事業は伸びてきましたが、下請け仕事の構成比がまだまだ高く、8:2くらいでした。
言ってしまえば8割苦しくて、2割楽しいみたいな感覚です。
ただ、この2割の価値を活かす方法があります。
前述したことですが、受注依存体質になっている時に元請けから言われたことを思い出してみましょう。
・ならば他所の工場に出して、アナタには仕事を出さない
・条件を飲めないなら潰れてくれ
これは裏を返せば、アナタの工場に生産依頼をする必然性が無かったとも捉えられるのです。
もしアナタがブランドを作って、そこに他者が認める価値を少しでも創造でいたのであれば、それはアナタが生み出した必然性です。
これを最大限に生かして魅力に最大化を目指すのです。
渡しの場合、ブランド価値が高まってきた時点で、出会いを求めて展示会に出店しました。我々みたいな零細企業で東京の展示会に出展すること自体かなりハードルが高い事ではありましたが、色んな人のお支えのおかげで実現しました。
そしてそこで今までは間接的にしかお取引の無かった某一部上場企業の方に出会うことができました。
今までは業界の縁の下の力持ちと言えば聞こえは良いですが、
その実は表に出ることもない、出ることさえ許されてこなかった小さな下請け工場が奇跡に出会った瞬間でした。
その際にはご挨拶程度と商品や取り組みの説明だったのですが、後からお礼の連絡を取らせて頂きました。
そして、紆余曲折ありましたが本社に呼ばれたんです。
そして現在進行系で自分の立ち上げたブランドと大手企業の所有ブランドとのコラボレーションで全国展開を計画をしています。
この取り組みが決まったことを社内共有した時のスタッフ一同で感動した瞬間は今でも忘れません。
大手との取り組みとなると、やはり一定の生産数は期待できます。
となれば、BtoB→BtoC→BtoBといった風に、展開していくことができます。
とはいえ既存お取引のあるメーカーからの受注はしないというわけではなく、既存事業は活かしながら、バランスをとって転換展開をしていくことが鍵だということです。
正直こういったことを目指していたかと言えば目指してはいましたが、具体的にどうやれば実現させることができるかと言ったことまでは想像できていませんでした。
しかし、様々な挑戦の中でこういったチャンスに巡り会えたということは事実です。
BtoBを主戦場とする企業がBtoCを目指す場合、極端にBtoCまたはD2Cに寄せて考えてしまう傾向にあるように感じることも度々あります。
私の例が必ずしもアナタにとっての正解のパターンではないかもしれませんが、ご自身の課題と目標を改めて考えて、よりバランスの良い着地点を見つける参考にして頂ければ幸いです。
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