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自分をリセットする時間が「相手を受け入れる余白」を作る

私は非常に流されやすい。

特に、その時に一緒にいる人の行動に引っ張られやすい傾向がある。

誰かの意見や言葉については、「ここは共感できない」というはっきりとした意思を持っていることが多いが、行動に関しては、家族や相手のペースに巻き込まれることが多かった。

故に、無意識に「人疲れ」的なものをしてしまう。その原因はおそらく二つの特徴が重なって起きているように思う。

一つは、好奇心からくる「もっと知りたい」が収まらないことだ。

その人の話で興味や関心が強い分野、あるいは全く知らない分野で面白いことが知れたり、気になっていた人と話ができるとつい楽しくなってしまい、気持ちのほうを優先してしまう。人疲れの許容範囲を超えていることに気がつかず、後から疲れがドーンとのしかかってくる。

思い返せば、昔から友達との帰り道、もっと話をしたくて遠回りして、それでも飽き足らず結局その子の家の前まで話をする、というようなことをよくしていた。

もう一つの理由は、「気が利く」こと(自分で言って違ったら恥ずかしいけれど)。

飲み会のような場面で「お酒頼みますか〜?」とか、そういう表立っての行動は苦手だけど、相手の動きを観察して「次の動きで、こんなものが欲しいのではないか」「何か困ってるようだ」ということには、すぐに気がついてしまう。これは、自分のいいところでもあると思っている。

また、相手が喜んでくれたり、少しでも生産性が上がることは、快感でもある。シュートが狙える位置にいいパスを出せると、「よっしゃ!」と気持ちもグッと上がって、次の行動のやる気にも繋がる。

今、フードスタイリストのアシスタントの仕事をたまにしている。センスがあるかはわからないけれど、撮影現場などでいろんな人の動きを見ながら、ここぞとばかりにアシストする作業は向いてるのかもしれない。

一方で、逐一そうやって人の動きを気にしていることは、どんどん自分がなくなっていくので危険だなと思う。接する人の数が多ければ多いほどすごく頭を使う。暑さでスマホ充電の減りが早くなるような感じに近い。

この2つがアウト・オブ・コントロールになると、私の頭は突然ショートしてしまう。そして2週間に1回とか、1年半に1回、「全く人と関わりたくない」というタイミングが来てしまうことがある。

本当はそんなことないのに、「人が苦手だ」と自分を思い込ませて、引きこもる言い訳を作ってしまったりする。

許容量とペース配分をわからずに動いてしまった自分の未熟さが原因なのだ。

今は1人で家にいる時間や、1人で行動する時間が多い。休憩したり作業したりできる時間を無意識ながらに取れているようで、大きく落ち込んだり、他人を拒絶することはないように思う。

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生活や仕事での行動に、ゆとりと意思を持って整えたいと思っていたところ、蔦屋家電でふと目についた松浦弥太郎さん著書の『今日もていねいに。』を購入した。

松浦さんの著書はいくつか読んでいるが、静かな語り口が好きで電車の中など、あえて人が多く、気持ちが引っ張られてしまいそうな時によく読んでいる。

松浦弥太郎さんは、丁寧を超えてだいぶストイックだなと思うところもあるけれど、人に対する誠実な態度、事象への細かい気づきがとても好きで、こうなれたらいいだろうなという憧れの存在だ。

この本の中でも、他の著書と同様にいいなと思う話がいっぱいある。すぐに生活の中に取り入れられそうなこともあるから、次に同じような場面に遭遇したらやってみようと、読んでいない時間にも繋がるようなワクワクがある。

ある章で特に気に入ったのが、前述の悩みにまつわることだった。

一人という贅沢
“裸んぼうの、なんでもない自分になれるひとときがあれば、そこで自分を取り戻し、一息つけます。そこから真剣に人と関わり、精一杯、コミュニケーションに心を砕く力が生まれると思うのです。一人の時間がなくては編集長にも父親にも、何者にもなれない、僕はそんな風に感じています。”(『今日もていねいに。』松浦弥太郎著 108頁

この後には、「相手にも一人になれる時間をあげること」「一人の時間は、周りの協力なくして作れないこと」についても書かれていた。

一人というのは、どうしても他者と自分を切り離して考えてしまいがちだけれど、本当は常に自分と相手の立場をぐるぐると交換しあっているような状態なのだと思った。

中高体育会系の環境に身を置いていたので、「組織に献身的でないといけない」「上の人の言うことをなんでも聞くべき」と本心では思っていないのに、他者の目が気になってそうしてしまう。

もちろんそういう体育会系な会社はあるだろうけれど、個々の意思を尊重してくれる会社、多様性を認めることの重要性に早い段階で気がつき、文化として定着させているところも多くあることも、様々な会社の記事を読んで目にしている。

相手を知ったり、気遣ったり、喜ばせるために、自分を大切にする時間をとること。引っ張られて少し傾いたり、ズレてしまうことは人と接していく中では必ず起こる。


自分の軸を元の位置に戻したり、できるだけ軸の位置が動きすぎないように、日々工夫していくことが大事なのだと感じた。そして、日々生きることをもっと頑張りたくなりました。


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まりも
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