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のうがはじける美味な食べもの
ここ数ヶ月食べたものの中で、ヤバいほどおいしかったもの2つを紹介する。
一つ目は、これ。
もう一つは、これ。
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名前をつけるならば
ピッツァ・マルゲリータの名前の由来はご存知だろうか?
…ピッツァ・マルゲリータの名前は、イタリア王ウンベルトⅠ世の王妃、マルゲリータ(1851年11月20日生まれ、1926年1月4日74歳没)に由来しています。
1889年、マルゲリータ妃がナポリを訪れた際……ピザが王妃に献上されました。2人が焼いたのは、3種類。ひとつは、バジルとラードを乗せたもの、ひとつはトマトのトッピング、そしてもう一つは、トマトソースにモッツァレラチーズ、バジルを乗せて焼いたものでした。トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑、まさにイタリア国旗の色合いのピザをマルゲリータ王妃が大変気に入ったことから、エスポジトは、このピザを「マルゲリータ」と名付けました。
王妃様が「このピザの名前はなんていうの?」と聞いた時、ピザ職人は機転を効かせて「マルゲリータです」と答えたのだとか。
料理名は使われている食材とか、調理の状態をあらわす言葉が多く見受けられる。
(トムヤムクン=煮る・和える・海老のスープ、アクアパッツァ=狂った水、など)
マルゲリータとかアクアパッツァのように、有名人の名前から取るものもあるらしい。
ここから考えると料理名というものは、(少なくともその時代に)誰にでも共通して伝わること、つまり公共性のあることが条件なようだ。
私が料理の生みの親だったら、サバ缶アヒージョは「電光石火」、クナーファは「重罪」と名付けたい。
これは食べたときに味わった感覚の名前だ。
感覚は人それぞれで公共性がないからと、ボツになるだろうか?
一度食べてみてほしい。
サバ缶の方は、簡単に試せるのでぜひ明日にでも作ってみてほしい。
私はさらにチーズも加える。
オリーブオイルとニンニクは出し惜しみせず、なみなみと注ぐのがよい。
脳がバキュン!と弾けるうまさだ。
雷に打たれた、感電した、という表現でもしっくりくる。
クナーファは、中東料理のスイーツ。
調べてみると地域によっていろいろなタイプがあるらしいが、
私が食べたのは「カザイフでチーズをはさみ、はちみつをかけて温かいままいただく」タイプ。
いただいたお店はこちら
クナーファ|今までの人生でいちばん、罪の味
クナーファの激ヤバポイントは以下の3つ。
①食感がいい。カザイフとナッツの「サクサク、パリ…、ゴリッ」という振動と音が、歯から骨を伝って耳、そして脳へと届く。心地良さにおもわず目をとじる。音と感覚だけに浸る、瞑想状態にはいってしまう。
※カザイフ・・・小麦麺。最近流行りのドバイチョコの中身にも使われている。
②あまじょっぱい。大量のチーズとはちみつが舌と脳をバグらせる。甘いだけだと飽きる。しょっぱいだけだともういらない、となる。そのギリギリ手前で甘いとしょっぱいが交互に押し寄せてくる。
③限界が永遠に来ない。①②により、感覚器官が際限のない幸福感に包まれる。あれ、おかしいな、手が止まらない。私も脳はまだ食べれるよ、もっと食べたい!とセーフ&ゴーの判定を下しているのに、血がめぐって心臓がバクバクと警報を鳴らす。これはやばいと、体は気づいている。
この「限界が永遠に来ない」ところが最も怖いところだ。
正確にいうと「限界が来ないのではないかと錯覚する」食べやすさなので、このカロリー爆弾を「食べ続けろ!」という脳からの指令に完全支配されて、身の破滅さえ思い浮かべてしまう。
クナーファは激重スイーツのくせに、あまりにも食べやすすぎるのだ。
「大量のチーズとはちみつを軽くまとめたければは、カダイフを用いよ」
数学の難問がものすごくシンプルな数式で解明されたような、すっきり感。
・・・
こんな料理を生み出した人がいるんだ、と過去の偉人に畏敬の念をおぼえた。
こんなにおいしい食べものがあっても戦争はなくならないんだ、とちょっとかなしくなった。
私は今日、「生きててよかった」が更新された。