「わかりやすく」はわかりにくい
これは結構前から言っていることではあるのですが、「わかりやすく」と言う言葉ほどわかりにくいものはないと思ってます。
僕は普段企画関連の仕事をしていますが、提案とかプレゼンとかをよく行ったりします。最近はそこそこキャリアも積んできたので、その類のことに関して後輩からアドバイスを求められたり、監督的に関わったりすることもあります。
そんなときに、若手の人たちのプレゼンにて必ずと言っていいほど出てくる言葉に「わかりやすく」というものがあります。
✅ 図を使って「わかりやすく」表現しました
✅ 写真を使ってより「わかりやすく」しています
✅ レイアウトを工夫して「わかりやすく」します
など。そういう表現が聞こえたときに、僕は注意をします。
そして、僕自身もこの「わかりやすく」という表現には気をつけるようにしています。
ついつい使いがちな「わかりやすく」ですが、タイトルにもしたようにわかりにくい表現だと思っているのです。
なぜなら「わかりやすい」かどうかというのは受け手の問題であり、送り手のコントロールが効かないものだと思っているからです。そして、「わかりやすくする」ことが目的ではなく「わかってもらうこと」が目的であり、そのための手段として、とても抽象度の高い言葉だと思っています。
後輩たちがそのような言葉を使ったときには、
とアドバイスを行います。
例えば、ある商品を紹介するWebページを作ると仮定をしたときに、
みたいな扱いは当たり前の最骨頂です。事実それを求めてクライアントは依頼をしてきてくれているのに、そんな宣言はいらないと思うわけです。
「おいしいうどんが食べたいんです。どんなのがありますか?」という問いに対して、「うどんをおいしく作ります」」と言ってるようなもんです。
同じ意味になるのかもしれませんが、表現として
こういう表現をしたら、「わかりやすい」という表現を使ってはいませんが、わかりやすいのではないでしょうか?
ぶっちゃけ「わかりやすい」というのは、意味の幅の広く、いろんな解釈ができる言葉であり汎用性も高く、使い勝手のいい言葉だというのはすごく理解していますし、だからこそつい使ってしまうというのが性じゃないでしょうか?
しかし重要なのは、この「わかりやすい」というのは先述の通り「受け手の感想」でしかないのです。
あえて使うのならば「わかりやすいと感じてもらうために」という表現が一番適していると思います。
自分だけの関係性の中で使うのであれば、なんの問題もないでしょうが、やはりビジネスで・・仕事で・・・となると他者との競争がそこには存在します。その競争を考えたとき、この使い勝手のいい「わかりやすく」っていう表現はあちこちで使われます。極端な話、この部分では「差」を印象付けることができません。どこもかしこも「わかりやすく」ですから。
相手と少しでも「差」をつけて競争に勝つためには、この表現はマイナスとまでは行かないまでも、あまり意味のない言葉になることはなんとなく感じてもらえるのではないでしょうか?
使うなというわけではありません。使うならきちんと使おうということです。こんなことを書いている僕自身もつい「わかりやすく」という表現は使ってしまいます。その時は、「あ、使ってしまった」と瞬時に反省して、フォローというか説明というか・・・そこに時間を割いたりしています。
「わかりやすく」はわかりにくいという意識を持って、プレゼンや提案を作ってみると少しレベルがあがる・・・そんな気がしています。
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