未来展望委員会は「戦略とはなに?」を考えました
「戦略って、どういう意味か、分かりますか?」
摂津倉庫女子社員4名と社会文化研究家の池永先生で、未来社会を展望して、これからの会社のありたい姿を考える摂津倉庫未来展望委員会は、10回目となりました
1 戦略が好きな日本人
「本日は、戦略について考えていきます。戦略という言葉で、なにを思い浮かべますか?」
「日本人は『戦略』が好きで、このような概念言葉を使うときは、『意味』をおさえることが鉄則ですが、日本人は曖昧にして雰囲気で使いがちです」
「戦略という言葉の語源はこれです。戦略によく似た「作戦」という言葉とあわせて、意味を考えていきましょう」
戦略とは、戦いの前と戦いが進むなかで“今、右か左のどちらを選ぶか”を決めること。戦いのなかで生き残るため、勝つためになにをどうするのかを考えること。一方、作戦は、戦う前に考える。“いつか、こんな社会になる” “いつか、わたしはこうなりたい”というのが作戦です
2 戦略は、どうしよう?こうする!を繰返してゴールにたどりつく
「課題と問題という言葉も似ていますが、意味が違います。“いつかこうなる、こうしたい”が『課題』で、“今、どうするか”が 『問題』です」
「この問題と戦略とは関係があります。次の図で説明します
現場ではいろいろな問題が発生します。発生する問題ごとに、答えを出していきます。答えを出したら、“電車”は動き出す。しかしながら、“電車”は、そのままスムーズにゴールに到着できるとは限りません。ゴールにつくまでに、様々な問題がおこります。そのたびごとに
“あれ、どうする?”“これ、どうする?”
という問題に答えを出して、ゴールに導いていくことが戦略です。スタートしたらゴールにたどりつかせるのが戦略です」
「戦略をタクシーで説明します。お客さまを、安全に、目的地=ゴールにお届けするのが「課題」です。“あっちを右に” 、“こっちを左に”、 “急いで” “そこで止まって”という、いろいろなお客さまの注文に応えて、ゴールにたどり着かなければなりません」
「目的地までに発生する数々の問題に答えを出すごとに、局面が変わる。この道だと思って進んでいたら、熊が出てきたので別の道を行く。すると今度は虎が出てきた。また別の道を選ぶ。このように当初に考えた通りには現実はいきません
このように現場では次々と局面が変わる。その局面ごとに、なにがおこっているかをつかみ、分析して、考えて、実行する。現場では、いっぱいの「どうしよう?」が発生し、問題ごとに「こうする」と答えを出し、動きつづかなければ、ゴールにたどりつかねばなりません」
3 戦略とは、ゴールにたどりつき、勝つためのもの
「戦略は、言葉を換えていうならば、ゴールをたぐり寄せる問題解決の連続的プロセスの全体ともいえます」
「たとえば経営コンサルタントが、『これをこうしたら勝てる、うまくいく、儲かる』といったりします。しかし『これをこうしたら、絶対に勝てる、必ずうまくいく』といった成功方程式はありません。当初考えたとおりにならなかったり、予想外の局面になったりします。そのときどうする?そうならなかったときどうする?このように軌道修正しつづけて、ゴールにたどりつくという問題解決を連続的におこなっていかねばなりません」
「『私が考えた戦略は良かったけど、 あなたがうまくやらなかったから、ダメだった』と言う人がいます。しかし本当の戦略とは、知識だけではない、誰かが考えた理論や枠組みや公式でもありません。戦略とはゴールにたどりついて、必ず勝つためのものです。『わたしはすごい戦略を考えた。実行するのはあなた』ではゴールにはたどりつきません」
「本日の委員会をまとめます。
進んでいくなかで、刻々と発生する様々な状況をつかみ、そのたびごとに判断をおこない、答えを出しつづける。それがソリューション、戦術です。
術(すべ)とは、現場の経験にもとづいて身につける技術のことです。戦術をもって、一連の問題解決をおこない、試行錯誤しながら、ゴールにたどりつく全体プロセスが戦略です。本日の未来展望委員会は、これで終わります」
【ご連絡】
池永先生にご指導いただき、摂津倉庫グループ若手社員中心に作成した「コロナ禍後社会を考えるー未来展望・2030年社会はどうなる?」冊子をご希望の方は、当社にご連絡ください
【摂津倉庫 広報室 (kouhou@settsu-soko.co.jp)まで】
次回の第11回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週10月29日(火)に配信させていただきます