未来展望委員会は、「生成AIで会社はどうなる?」を考えました(仕事と会社はどうなるか篇④)
「生成AIを主語で考えたら、あかん。主語は働く私たちで、生成AIはあくまでも手段です」
摂津倉庫の女子社員4名と社会文化研究家の池永先生未来展望委員会は、「仕事と会社はどうなる篇」に入り、4回目の本日は「生成AIで、会社はどうなる?」を議論します
「『すごい技術がでてきたら、新たな商品が出たら、新たな市場ができる、新たな用途が生まれる』と考える。会社のみならず役所、大学も、技術、商品から思考を出発する
パソコンができて社会が変わった。スマホができて社会は変わった。最近でいうと、生成AIで、社会は変わるのか?というように、技術を主語にして思考をスタートするプロセスが多いが、本当にそうだろうか?と考えてきました
「そうです。コロナ禍に入って、社会を変える、物事を変えるなかでの技術の位置づけを考えました。技術を主語にして思考を開始してはいけません」
「いくら良い技術を開発して、いくら良い商品を作っても、お客さまに届かない、おもったようには売れない。IT,AI、生成AI,ロボットから議論を出発してはいけない。暮らしている人たちの想いや姿、働いている人たちの想い・姿、勉強している人たちの想い・姿、くつろいでいる人たちの想いや姿から議論を出発しないといけません。主語がとても大切です。技術と社会をどう接続できるかを大阪大学で研究しています」
「これまでの未来展望員会でなんども議論していますが、コロナ禍を契機に本格化したテレワークは、オンライン技術を使った新たな働き方を生みました
「家でライフ・会社で仕事」のスタイルが変わりました。前回もお話したように、出社から在宅勤務ではなく、コロナ禍を契機とした、会社と仕事の本質は『家と会社のハイブリッドワーク』です。働く場所は、会社や工場から『家と会社とサードプレイス』となりました。これは劇的な変化が進んでいるのです」
「つまり
・いつもいた場所が変わるーWHEN・WHERE
・いつも一緒にいた誰かが変わるーWITH WHOM」
「『いつも』一緒だった会社の人たち、『ときどき』会う関係に変わりつつあります。コロナ禍を契機に進んでいるのは「場と時間革命」であり、私たちはその渦のなかにいます。10年先、20年先から振り返ったら、あの時がそうだったと思うだろう時代にいると思っています」
「会社勤めという言葉も変わるかもしれない。わたしたちがいつもいた場所がなくなり、いつも一緒にいた人がいなくなくなる。すると、会社のなかの人と人の関係性が変わり、働くうえでの会社観、仕事観、就業観が変わります」
「会社、仕事の変化は、それだけではありません。生成AIがあらわれました。新聞やSNSには生成AIが出てこない日はありません。深刻化する人手不足をDXやAIや生成AIで解決するのだというイベントやセミナーも多いが、ビジネス現場はどうなっているのでしょうか?
生成AIについて考えてみましょう」
「知り合いのマーケティング会社さんでは資料作成で使われていますが、生成AIへの質問の仕方によって答えが違うので、生成AIを『いつもお世話になっている同僚』のように、丁寧な扱いをして、言葉遣いで質問したら、良い答えを返してくれる」
「しかし全般的にビジネスで導入が世界と比べたら、日本では導入状況はまだ低いですが、友人の弁護士と話をしたら、『ほとんど生成AIで仕事をしている。生成AI導入で仕事の生産性は10倍以上進んでいるのが実感。これから弁護士・裁判官・会計士・税理士はいらんようになるのでは』と言っていました。その法律事務所独自の生成AIを導入しているようです」
また大学の工学系の先生と話をしたら、研究、論文作成も、プログラミングに先生も学生も活用している。生成AIの技術はさらに進化するので、もっと進むのではないかと言っていました」
「生成AIで仕事がなくなる、なくならないというよりも、仕事の手順、流れが変わります。かつてITと言われた仕事の変革がありました。パソコンが導入された、インターネットが導入された、メールが使えるようになった、情報連絡がしやすくなった、スケジュール調整が簡単になった。つまり働くというスタイルが大きく変わる。会社の風景は一変したのです。ずばり、仕事の生産性は飛躍的に高まり、人員の効率化は進みました。ITは効率化、合理化という文脈で使われます。職場の要員数は減った」
「生成AIはこれまでのIT化と比べて、情報収集力と編集力とアウトプットに使え、現在のビジネス法の8割は生成AIで代替される可能性があるのではないかと言われています。
しかしすべて良いことなのか?IT化で得たことと失ったことがあります。生成AIで得ることと失うことがあります。それがなにかをつかんでいないと、わたしたちはまたITの失敗を生成AIで繰り返していくのではないかと思っています
どうしたらいいのいか?どうしたら生き残れるのか?は次回の未来展望委員会で議論しましょう」
次回の第15回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週11月26日(火)に配信させていただきます