未来展望委員会は、「テレワーク革命は、会社をどう変えるか?」を議論しました(仕事と会社はどうなる篇③)
「テレワークから戻ったワークは、元ワークではなかった」
「2023年5月に5類に移行して、テレワークをやめて、出社スタイルに戻ろうという会社が増えた。みんなが一緒でないと、コミュ二ケーションがうまくいかない、肌感覚がつかめない、雰囲気が感じられない、みんな一緒でないと仕事がまわらないからと、会社はテレワークから出社スタイルに戻ろうという流れとなっている。みんな、会社に戻って見たのはなに?」
「『会社に戻って来い』と言われ、会社に戻って仕事はどうなったのでしょうか?コロナ禍前にしていたような仕事になったのでしょうか?前回の宿題は、テレワークから戻ろうと言われたあと、会社と仕事はどうなろうとしているのでしょうか?みんな、どう考えましたか?」
「いろいろですね。人それぞれですね。それが実態だと思います。まだ緒についたばかりです。コロナ禍前の経験年数や、職場での仕事の内容、世代によって、仕事観は変わります。それを一緒くたに捉えたり、先入観でテレワークはこうだと思い込んだら、これからの会社・仕事は読み違えます」
「コロナ禍4年目の現在、人流分析をみると、家と会社の距離が100キロを超えるテレワークは収縮していますが、家から会社が100キロ圏内や都心圏内のテレワークは大幅には減っていません」
「通勤が影響していると言えます。テレワークといっても、出社と併用のハイブリッドワークだから、基本は会社には行きます。つまり通勤しないといけない。世界でも超過密と言われる満員電車に乗らないといけない。テレワークで満員電車の通勤する日が減っていたのに、満員電車に戻ってストレスだと言う人がいます」
「ある大手建設会社さんが週のテレワークメインを出社メインに変えると発表したところ、女性や若い世代から見直してくださいとの声があがり、元に戻したそうです」
「月曜日から金曜日まで毎日、会社に通うのはイヤや。お洒落な服を着ても、満員電車に揺られて、乱れてしまう。それが、イヤや。そう思っている人も多いにもかかわらず、『上の人』たちは会社に出てこいという。それはなぜ?」
「そういう声があるのに、出社スタイルに戻そうとしている。では、その戻っていく仕事は、コロナ禍前のワークでしょうか?テレワークから戻っていこうとしているワークスタイルは元ワークではなく、新たなワークではないでしょうか?そのなかにも、元に戻った部分もあれば、元に戻らなかった部分があります」
「テレワークから出社スタイルに戻ろうというが、テレワークの反対は、もともとのワーク「元ワーク」という対立概念で捉えがちですが、「元ワーク↔テレワーク」という対立構造ではありません
コロナ禍から緊急避難的に始まったテレワークから戻るワークスタイルは、元ワークではありません。テレワークは緊急避難的な働き方ではなく、働き方の多様化のひとつとして定着してあります
会社のなかの風景も、大きく変わりました。コロナ禍中に固定席からフリーアドレスにしたり、会議室を減らして社員どうしが交流できるような空間をつくったりしました。みんなが言うように、オンラインミーティングも、普通になりました。営業も、オンライン訪問も増えました。セミナーや講演会もオンラインが、劇的に増えました」
「コロナ禍以降、『仕事の場所』の前提が変わりました。『仕事はどこでもできる』から始めないといけなくなりました。にもかかわらず、職業観が「元ワーク」のスタイルのままだと、テレワークが戻るワークは『元ワーク』となりますが、就業観が変わった現在、テレワークの反対は「元ワーク」ではありません」
「テレワークは、『仕事はどこでもできる』という示唆をもたらすとともに、『自分らしい働き方』をしていきたい。『仕事と生活を通じた自らの成長を実感して、佳く生きたい(Well-Being)』と願うようになっています
この就業観の変化、価値観の変化が、これからの会社・仕事を考えるうえでおさえておくことが重要です。さらに生成AIが急激に仕事を変えつつあります。次回は、この就業観の変化と生成AIなどの新たな技術による仕事と会社への影響と変化について、考えていきます。本日は、このあたりで、未来展望委員会を終わります」
次回の第14回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週11月19日(火)に配信させていただきます。
摂津倉庫未来展望委員会主催のオンラインセミナー「第1回未来展望委員会」を12月5日(木)に開催します。ぜひお申込み、ご参加ください
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