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未来展望委員会は「Well-Beingとはなに」を考えました

「あなたにとって、Well-Beingって、なんですか?」 

わたしたち女子社員4名と社会文化研究家の池永先生の第7回未来展望委員会は、摂津倉庫グループが運営している小学校跡地を利用とした「大東俱楽部」の教室で開催しました

大東俱楽部

1 価値観の観とは、見て、感じ、思い、考えること

「まず前回の復習をしましょう」

未来展望委員会のメンバー4名の1人1人が、発言しました
・テレワーク、オンライン化が、場と時間の構造変化を起こしている
・関係性の変化が、価値観を変える
・価値観の変化はワークスタイルやライフスタイルなど行動様式を変える
・ビジネスにおける主語が、変わろうとしている
・「会社が」から「わたしが」に変わろうとしている
・一人一人が思うありたい姿を追い求めて、その実現をめざしていく
・コロナ禍後社会を展望するうえで重要な価値観がWell‐Being

今回は、未来展望において重要なキーワード「Well‐Being」ですね

摂津倉庫未来展望委員会

これからの社会を読み解くうえで、Well‐Beingという価値観をつかむ、つかまないで、解像度が変わります。本題に入る前に質問です

価値観の観の意味は、なんだと思いますか?

「観には、見るという漢字が入っているので、見るに絡むんですよね?」
「観は、観光・観察とも使われますよね?」

摂津倉庫未来展望委員会

観は見ることです。しかし、観は「目に見える」という意味だけではありません。観音さん、観念ともいいますよね

観とは、見て、感じ、思うこと、考えること
価値観の観とは、見て、感じ、思い、考えること

価値観が変わる。価値観が変わると、どうなるかについては、これまでの未来展望委員会で議論していますが、価値観が変わることでなにをどう引きおこすかを考えることが大切です

©IKENAGA.HIROAKI

この図は、これからの社会を展望するうえで、とても大切な思考方式が盛り込まれています

・まずコロナ禍を契機に価値観が変わる
・コロナ禍を契機とした「場と時間革命」が、社会的価値観、人の価値観を変える
・価値観の変化は、どう生きる?どう暮らす?どう働く?どう学ぶ?どう遊ぶ?という行動様式を変える
・新たな行動様式を通じて、自らのありたい姿、Well‐Beingを実感できる暮らし方・働き方・生き方をめざしていく

「だからWell‐Beingが大事なんですね?」
「Well‐Beingという言葉をすこし調べてみました」
 
世界保健機関(WHO)は、Well‐Beingを「病気や虚弱でないことではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態」と定義して、経済協力開発機構(OECD)は、「人々が幸福で、健康で、生産的な生活を送るために必要な条件」、米国心理学会(APA)では、「個人がポジテイブな感情や満足度を感じ、ストレスや困難に対処する能力を持つ状態」と定義しています。自治体や企業もWell‐Beingを戦略に位置づけているようですが、いろいろと調べましたが、よく分かりません」

摂津倉庫未来展望委員会

Well-Beingは、誤解されています。まずWell-BeingをWellness(心身の健康維持・増進を図ろうとする生活態度・行動)と混同して、Well-Beingを

心身ともに健康

という意味でとらえがちです。その文脈で、メディカルデータ等をAIで組合せることでWell-Beingが実現できるととらえている人や企業もおられますが、それはWell-Beingの本質ではありません

「Well-Beingとは健康のことだと思っていました」
「そうではないんですよね?」

摂津倉庫未来展望委員会

2 Well-BeingのBeingとはなに?

Well-Beingを分解してみます
後半のBeingのBeは、be動詞です。Beは、日本人にとって有名な言葉があります

摂津倉庫未来展望委員会

BeingのBeは英語。英語Beの語源はラテン語のesse。esseは、キリスト教のスコラ哲学由来で、神からものに付与される「存在性」のこと
ラテン語esseは「存在動詞」で、イタリア語はessere、フランス語はetre、ドイツ語はsein、そして英語はbeと派生する。漢字は有で、日本語は「ある」「いる」

ラテン語esseとは存在性、あり様・存しているということ。esseとは生活(生きる活動)・暮らすための技術・方法・工夫というよりも
「そこで生きている様」
「そこで過ごしている様」
「そこで暮らしている様」
をあらわしています。よってこのラテン語esseを語源としたBeingとは「生きている様」のこと

note日経COMEMO(池永寛明)「誤解されるWell-Being ― ビジネス実践編⑤」

Well-Beingとは、「よく生きる」

Well-Beingで有名な企業があります。通信教育などで有名なベネッセコーポレーション。1995年に、福武書店からベネッセに商号を変更されましたが、このベネッセ(Benesse)が、まさにesse

ベネッセ(Benesse)とは、ラテン語のbene(正しい、よい)とesse(生きる・暮らす)を組み合わせた造語で、「Benesse,それは志を持て、夢や理想の実現に向けて一歩一歩近づいていく、そのプロセスをも楽しむ生き方のこと」を商号に込められたそうです (ベネッセグループOur philosophy)

「ベネッセさんって、Well-Beingを先取りした企業理念が込められていたんですね。すごい」

摂津倉庫未来展望委員会

3 Well-BeingのWellとはなに?

次にWell-Beingの「Well」とはなにか?普通は「よい」と訳され、「良い」という漢字があてられ、英語ではGoodとなり
 
Goodには基準があり
なにかよりもいいという「良い」

 
となりますが、Well-Beingの「Well」は「佳い」というほうが相応しく

Well-Beingの「Well」は
美しいという「佳い」
 

「良い」と「佳い」は同じ「よい」でも、意味がちがいます。「佳」の字源は横から見た人の象形で、縦横を重ねて中心であるとともに、均整がとれている人の姿をあらわしています。佳とは美しいこと。佳を人名につかうと、美しい人となります

「秋篠宮家の佳子」さまですね。わたしの同級生にも、佳子さんはたくさんいます

摂津倉庫未来展望委員会

Well-BeingのWellは、この「佳い」です。よってWell-Beingは「佳く生きる」です。「佳い」は、さらに深い意味をもっています。ぐずる赤ちゃんに対して、こう声かけます

よしよし

この「よし」は、この「佳し」です。赤ちゃんや子どもに「よしよし」というのは、「泣かなくていいんだよ、大丈夫。誰にも否定されない。そのままでいい」という意味が込められています

年下の誰かの希望を承知したり、誰かをなだめたり、力づけたりするときにも、「よしよし」といいますよね。この「よしよし」にも「あなたは、だれにも否定されない」という意味が、Well-Beingに込められています
 
「だれにも否定されない」 ― どこかで聞いたことがありますよね?

「SDGsですよね」
「2030年までに持続可能でよりよい世界をめざす」というSDGsが「よしよし」に通じるんですか?

摂津倉庫未来展望委員会

よしよし
 
人にはそれぞれの考え方がある
あなたは今のままでいい
あなたがそうおもうのなら
それでいい
 
これが「佳し」。Well-Beingは、この「佳く生きる」です
 
これで、いいのかな?
それで、いい
 
ということも、Well-Beingです。ともすれば「これでいいのかな?」「他の人はこんなことをしている」「どうしたらいいのだろう?」「なにかしなければだめじゃないか」と不安に思ったり、不満に怒ったり、迷ったり、悩んだりしまいがちだが、一所懸命に生きている人は
 
今のあなたでいい
それが「佳く生きている」ということ
それがWell-Being

「Well-Beingって、すごい意味が込められているんですね」
「健康、幸福という意味だと思っていましたが、とても深い意味なんですね」

摂津倉庫未来展望委員会

Well-Beingを単に「心身ともに健康・幸福である状態」という意味だけで捉えたら、大切なことが見えなくなる。語源に立ち返ってWell-Beingとは何かを考えたら、本当の姿・世界が見えてきます。本日の未来展望委員会はここで終わりますが、ぜひ考えてください

みなさんにとってのWell-Beingは、なにか?

「わたしたちのWell‐Beingを考えたいとおもいます。なんだかワクワクしてきます。本日も、ありがとうございました。」

摂津倉庫未来展望委員会

【ご案内】 
池永先生にご指導いただき、摂津倉庫グループ若手社員中心に作成した「コロナ禍後社会を考えるー未来展望・2030年社会はどうなる?」冊子をご希望の方は、当社にご連絡ください
【摂津倉庫 広報室 (kouhou@settsu-soko.co.jp)まで】
 
次回の第9回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週10月15日(火)に配信させていただきます


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