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キャリアブレイクが「キャリアが壊れる」じゃないと知ってホッとした話

今年の春、公務員(教員)から転職し、個別の塾で週3日だけ働いている。世間一般のイメージと違って、塾の先生とは、つまり営業マンである。ビジネスの世界のきびしさを痛感している。

税金で予算が決まりその中でやりくりする公務員と、営利のために奔走する会社員とは、外国くらい文化が違う。

まず、言葉が違う。

「KPI」は正式名称はよくわからないが、よく口にするので板についてきた。

しかし、「日本語でよくないか」と思うビジネス用語が多くて頭を抱えている。「サマリー」は要約でいいし、「フィックス」は決定でいい。

最近知ったが、「FYI」は「参考にしてね」という意味だそうだ。for your infomationの略だそうだが、はじめて見た時「これはクイズか?」と思った。英検3級なので分からん。

が、ビジネスの先輩たちがさらっとビジネス用語を使っている様はかっこいい。

先日Xで「toCもtoBもない、ぜんぶfor youだろ」とつぶやいたら思ったより反響があった。こうやってギャグのように、積極的にふだんから使っていくことが上達のコツだと思った。ぼくもはやく使いこなせるようになりたい。



さて、週3日の塾の仕事も、いまは時短で勤務している。10月にメンタルを病みそうな気配を感じ、すぐさま「来週から時短で働けないでしょうか」と上司にお願いし、そうなった。

転職して半年で、このありさまである。自分の危機察知能力をほめたい反面、十分に社会不適合者である。

ただ、時間にかなり余裕ができ、自分の今後の進路についてじっくり向き合う時間が持てている。しかも、副業をやっていることもあり、金銭的な不安は多少減るので、心にも余裕がある。ありがたい話だ。


最近、「キャリアブレイク」という言葉をよく聞くようになった。

「なんやねん、キャリアがぶっ壊れるって。アホか。壊したくて壊してるわけちゃうぞ。こちとらキャリアを作り直しとるんや。キャリアリメイクや。」と、ずっと思っていた。

違った。アホなのは、自分だった。

調べると、キャリアブレイクの「ブレイク」は休暇の方だった。

キャリアブレイクとは、一時的に離職や休職をして、資格取得やキャリアの見直しなどを行うことだそうだ。

どうやら欧米では一般的な考え方らしい。「壊す」も「休暇」も同じbreakだという事実に「英語マジか」と思った。

まさに今じぶんがやっていたのは、本来のキャリアブレイクの意味とまったく同じものだった。キャリアブレイクが「キャリアが壊れる」じゃないと知って、とても安心した。


しかし「休む」というのは、ほんとうにむずかしい。

時短勤務になってから、副業の予定もなにもない平日が増えてきた。そういう日は、朝仕事へ行く妻を駅まで見送り、昼はスーパーに買い物に行き、夕方になると夕飯を作り、妻を駅まで迎えに行く。

そのひとつひとつのルーティンをするたび、働いていないという罪悪感におそわれ、ひどく自己嫌悪してしまう。

「休んでいい」と妻はやさしく言ってくれるが、「休む=怠けている」という感覚が自分の中にこびりついて取れないのに気づく。

社会不適合者かもしれないが、キャリアブレイクしている今という時間は、自分にとって大事な時間なのである。

とにかく今は、じっくり自分の進路について考えさせて欲しい。そのために、どうか休ませて欲しい。そして、キャリアブレイクという文化がもっと日本に広まって欲しい。そんな気持ちである。






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