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40代半ばになっても隣の芝生は青い?
「いい会社やなぁ」
採用サイトなどの案件で取材をしていると、しばしばそう思います。自社の良いところをしっかり語ってくれそうな社員が選ばれているのは確かでしょうが、何気なく出てきた言葉が強い説得力を有していることがあるのです。
最近の事例を挙げると、2018年新卒入社の方に新入社員研修について伺っていたら、その後の配属で全国に散らばった同期の仲間たちと今も交流があるという話になり、十数人の同期の中で離職したのは1人だけという情報が得られたことがありました。7年目なのに離職率が1割にもならないのは、言うまでもなく凄いことです。
そもそも、採用サイトにお金と労力をかけているのが、会社の意欲を示しています。仕事柄、採用サイトはいろいろと見ていますが、あまり更新されていなかったり、社員インタビューがコロナ禍以前のものだったりすると、ああこの会社は力を入れていないんだなと思います(もちろん力を入れる必要がない企業もあるでしょうが)。
ちなみに、当社も半年ほど前に採用サイトをリニューアルしました。同僚のデザイナーがきれいに作ってくれたのですが、社員紹介に関しては「俺がちょっとでも関わっていたら絶対にこうはならない」というクオリティです。採用サイト制作のノウハウはあるはずなのに、なぜ自社でそれを生かせないのでしょうか。就職活動中の学生はさまざまな会社の採用サイトを閲覧していますから、採用に力を入れているかどうかは見ればわかるはずで、それで敬遠されることもあり得るのです。
そもそも、デザイナーはプロを起用してライターはプロを使わないというのが、私としては不満です。文章のクオリティを軽んじていると思わざるを得ません。以下の記事で述べたように、けっして悪い会社だとは思わないのですが、自分の価値観やめざす生き方とは合っていないというのが正直な実感です。
現実問題として、私が入社した2018年8月以降に新卒で入ってきた11人のうち、今も残っているのは3人だけで、慢性的にマンパワーが不足しています。若い人の心を引きつける力が不足しているのは明らかです。
営業がいろいろな会社に出入りしているのだから、こういうところはクライアントを見習えばいいのに…と思うのですが、当社の上層部にそんな発想はないようです。