見出し画像

【本要約】ダイバーシティ 女性活躍はなぜ進まない?

ダイバーシティ(Diversity)とは、多様性を指し、さまざまな属性や背景を持つ個人の集合を表します。
これは、個人が異なる人種、民族、ジェンダー、性的指向、年齢、宗教、障害の有無、文化、教育、経験などの多様な面を評価し、受け入れるコンセプトです。

ダイバーシティの注目が高まる主な理由には、豊かな視点がもたらす創造性や問題解決能力の向上、職場環境の改善、そしてより広範な消費者層にリーチする市場戦略の一環が含まれます。
組織や社会がダイバーシティを重視することで、包摂的で協力的な環境を築くことができるとされています。

日本におけるダイバーシティが進まない理由をわかりやすく整理していた本のご紹介です。

ポイント

旧態依然とした価値観による「性別ガチャ」が、日本の組織をむしばんでいること

性別ガチャとは

日本の組織、社会、家庭におけるジェンダー不平等の状態を、著者は「性別ガチャ」と表現しています。
面白い表現かつわかりやすいですよね。

生まれたときの性別だけで分けられたのち、男性ならば仕仕事をする、女性ならば家族を守るというように、一方的な役割を期待される状況のことを伝えています。

現在の学生は小中学校でジェンダー平等を教育されており、ジェンダーレスという言葉も浸透しています。

しかし、会社に入ると幹部層は男性ばかりです。
出産後、育児家事を主に担当するのは女性ですし、会社の幹部候補からは休むからという理由で外されてしまうことも珍しくありませんよね。

こうした旧態依然とした価値観による「性別ガチャ」に、これから社会人になる多くの学生は驚くでしょう。
また「男だから残業は当然」といった考え方は批判の対象となることも考えられます。

ダイバーシティはなぜ組織の成長に必要なのか?

ダイバーシティ経営は組織の成長に必要な経営戦略であり、次の3つのメリットがあります。

(1)投資家対策、企業ブランディング
(2)人材獲得、離職防止
(3)イノベーション醸成

2021年に上場企業の行動指針となる「コーポレートガバナンス・コード」が改訂され、「企業の中核人材における多様性の確保」の重要性が明示されました。
女性を含む多様な人材を役員や管理職に育成・登用している会社は、機関投資家から選ばれやすくなります。
また中小企業は、共働き志向が強まっている大学生や就活生に対する企業ブランディングで恩恵を得られやすくなります。

2つ目のメリットは、人材獲得と離職防止です。
就活生が企業を選ぶ際に、家庭との両立や個人の人生を大切にするという価値観が増えています。
そのため、ダイバーシティを推進している企業が選ばれやすくなります。

3つ目のメリットは「イノベーション醸成」です。
多様性が欠如した組織は「グループシンク(集団思考)」に陥りやすくなります。
性別も年代も同じ人ばかりの集団では、「おかしいと思うことを指摘できない」「新しい発想が受け入れられない」という傾向が強まってしまいます。

こうしたことは、ダイバーシティが組織の成長に必要なことの裏付けとなります。

かなり深く説明されており、非常に読みやすい作品でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
“ダイバーシティ”について考える本
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集