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喫茶水泡海外旅行記

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どこも私のアナザースカイ! 旅に出にくい今だからこそ過去の海外旅行をせっせと振り返っています。
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花と緑と旅

花と緑と旅

くるりの『春風』を口ずさむ季節になった。
普段から花を愛でる方だと思う。
花見といえば桜だけど、毎年だいたい同じ時期に咲いてくれる花は桜だけではない。

2月末には梅を
3月頭にはミモザを
3月末には桜を
4月頭にはスミレを
4月末には藤を愛でる

今年は早くも藤が咲いている。
ちょっとした野暮用で初めての場所に自転車で行った帰り道、通ったことのない道で実に良い藤を見つけた。

思えば春の花には随

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小人を連れて旅に出よう④ パリ里帰り

小人を連れて旅に出よう④ パリ里帰り

考えないで開脚する人はもちろんロダンの考える人のパロディである。パリにはロダン美術館というそれはそれはありがたい美術館がある。

私の大好きなMarvelous Mrs. MaiselというアマゾンプライムのドラマのSeason2で、主人公ミッジの母親が講座を受けに行く美術館としても知られている。

そういうわけで、開脚する人のパリ里帰り編である。素敵なパリ旅行のうちの開脚する人に関する部分のみを

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10年前の旅の話 セルビア

10年前の旅の話 セルビア

コインランドリーの乾燥機を待つ間に行った喫茶店のマスターと今まで行った旅行の話になりました。
マスター曰く、私は東南アジアバックパック旅行のイメージがしっくりくるとのことですが、ヨーロッパが好きです。全然結び付かんとのことですが、長い休みをもらえたら旅先はヨーロッパを選びます。マスターが興味を示した2つの旅先について、しばらく書いてみます。

今から10年前、働き始める直前のことです。
大学院の修

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ハタチの旅 バルト三国

ハタチの旅 バルト三国

喫茶店のマスターが「え?どこにあるかわからへん」と言った旅先です。マスターはGoogleマップを片手に話を聞いていました。場所がわからぬ場合は、まずマップを開くことをおすすめします。
マスターに「嫌な聞き方やけど、いちばんガッカリした国はどこ?」と聞かれて、「どこに行っても桃源郷」なタイプの私が捻り出して「2回目のエストニア」と答えました。

バルト三国は南北に連なるエストニア、ラトビア、リトアニ

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好きな街の条件 アムステルダム

好きな街の条件 アムステルダム

喫茶店のマスターにヨーロッパで何をするのか聞かれて、美術館に行くのが好きだと答えた。

私の好きな美術館のまわり方は、超特急で一巡する。そのあと、気に入った絵をもう一度10分くらいよく見る。見たあとに感想も蘊蓄もいらんので、できれば一人でまわりたい。

一番好きな画家を聞かれて、ゴッホだと言うと、マスターは「切り落とした片耳、送ってこやんといてや」と言ったので、「送るときは着払いにします」と答えた

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過酷な旅 ペナン島

過酷な旅 ペナン島

旅でいちばん大事にしているもの
それは「余白」です。

若くないなあとか、優雅やなあとか、よくいろいろ言われますが、10代のときから無茶はしないタイプです。予定を詰め込む人とは仲良くなれる気がしません。一度の滞在ですべてを見ること、知ること、食べることは不可能だと割り切り、ホテルの近場をうろちょろするだけでも満足してしまう人間です。

そんな私ですが、仕事の都合で時々過酷な旅を強いられます(そして

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台北の好きなところ① 足元編

台北の好きなところ① 足元編

何も見ずに地図を大まかに描けるほど台北の街が好きです。

食べ物がおいしいとか、日本からのアクセスがいいとか、人が優しいとか、もう散々書き尽くされていることは横に置いておいて、私が好きなところを何回かに分けて書きます。

今日は「足元編」です。靴と靴下です。

仕事柄、スーツを着なければならないことが、年に数回は確実にあります。スーツを着るだけでもテンションが下がるので、靴だけでも明るくいきたいと

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成熟した街とは ローマ

成熟した街とは ローマ

近くの川の土手で昼寝をしていると、実にいろんな音が聞こえてきました。

少年たちが滑るスケボーの音
おじいさんが土手を登る「よいしょ」
お弁当を食べる一家団欒の笑い声
軽快なコンガのリズム

いろんな人が集まって、それぞれが思い思いに過ごせる場所がある街って成熟していていいなあと思います。

そんな街として一番に浮かぶのが、もう20年近く前に行ったローマです。

高校生のときに母と2人で行ったヨー

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小人を連れて旅に出よう① プラハ

小人を連れて旅に出よう① プラハ

映画に出てくるパリの街と音楽が好きで、高校生の時から何回も見たフランス映画『アメリ』

この映画に出てくる、実家の庭の小人の置物をCAの友人に託して世界各国で小人の写真を撮ってもらってお父さんを元気付ける小話がとても好きです。

私もよく置物や人形を旅行に連れて行きますが、大きすぎるのは悪目立ちするし、何よりも面倒くさがりの私にとっては写真を撮るためにカバンからいちいち取り出さないといけないとなる

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小人を連れて旅に出よう② プラハ→ウィーン

小人を連れて旅に出よう② プラハ→ウィーン

プラハからウィーンまでの移動は列車を予約していました。ホテルからプラハ駅まではタクシーを予約していて、プラハ駅で少しゆっくりしようと思っていたのですが…時間になってもタクシーが来ない。
ホテルの人がどうにか連絡してくれて、どうやらめったにない渋滞が起きていて遅れているということがわかりました。

30分ほど遅れて到着した運転手さんは、我々の乗る列車の時間が迫っていることを知り、ほんまに通っていいん

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小人を連れて旅に出よう③ウィーン

小人を連れて旅に出よう③ウィーン

※今日の旅行記は開脚する人の視点です。私の中で彼はダンディズムに憧れる42歳男性で、私のことを主人と呼んでいます。

ウィーンといえば「音楽の都」やねんけど、うちの主人はどちらかと言えば音楽より食を重視しよる。現地のあいさつの一つや二つ覚えればいいものを、やれやれまったく、「スープはズッペか…」などと出発前にチェックするのは食べ物の名前ばかりである。まあ、なんてったって彼女にとってウィーンは「カフ

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