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戦時下、工作の教材本も「少年少女国民機械工本」と仰々しく。編纂も機械国防工作研究会だ
「少年少女国民機械工本」3・4年用は、長野県の現・白馬村に住んでいた国民学校の初等科1・2年生が持っていたものをご寄贈いただきました。1941(昭和16)年7月初版発行でこれは10月発行の再販。国民学校が同年4月に発足したのに合わせ、新たな国策に沿ったものとして研究されたのでしょう。ちなみに、4・5年用は1942(昭和17)年4月発行です。
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グラビアからいきなり軍事ネタ満載です。
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気球も見本は防空用の気球のようです。グライダーも、航空兵育成狙いとみれます。中身はもちろん、普通の工作も多いですが、軍事ネタも事欠きません。こちら、きびがらで作る航空母艦です。
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そして、きびがらなどで作る高射砲もありますが、本格的に木製の工作材料も用意されました。「国民学校・機械国防工作科」文部省編纂4・5学年用準拠とありますので、実際にそういう名称の「科目」が設けられたのでしょうか。
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さまざまな形で、戦時下の意識を擦り込んだのですね。自分で選んでプラモデルの戦車を組み立てるのと、学校でこうした兵器の模型を作らせるのは、だいぶ違います。
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4・5年用は国民学校の2年目、太平洋戦争勃発後とあり、グラビア2枚目は「次の時代を私達の手で!」と、航空機製作へ意識を向けさせています。航空兵育成に向けたグライダー作りも体系づけられましたが、軍事教育は、こうした形でも行われたのです。
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学校教育は、一つ間違えば青年をどうとでも動かしてしまう力があります。広い視野を身に付けさせる、考えさせる、そうした延長にあるなら、兵器工作もまた意味が変わるでしょう。でも、戦時下ではそうはならないし、戦時体制を志向する政権であれば、まずは教育分野から手をつけていきますね。近年、政府の主張を載せないと教科書が検定を通過しないという、由々しいものになっています。それも一方的な宣伝を。国益とかに傾くと、たちまち視野が狭くなる。国際的に通用しなくなること、肝に銘じておきたいものです。
2024年7月14日 記
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