<戦時下の一品> 防空用鼻緒
表題写真でも表題でも、何のことやら、とお感じになられる方が多いと思います。下駄の鼻緒なんですが、ならば防空とは、ということもありますので、2セット入手していたもののうち、1セットをばらしました。
1足分なので2個で1セットです。戦争末期を示すように、ひもの後ろの方は紙紐、しんも紙でできています。そして、本来なら白や黒などのさまざまな色があるのでしょうが、カーキ色=国防色となっています。カーキ色自体は軍服や国民服も同様で、敵から見えにくい、景色に溶け込む色ということで採用しているのですが、鼻緒までカーキ色にして何か効果が出るのか。
ただ、特別な効果を狙ったわけではなく、国民服やカーキ色のモンペなどにコーディネートさせるために同じ色の布できちんと作ったとする可能性や、当時入手できる国民服の端切れを有効活用しただけという可能性も考えられます。
こればかりは、当時の製作者に聞いてみないと分かりませんが、いずれにしても、迷彩を高める効果は、結果として共通していたかもしれません。
げたの本体はないので、ちょっと足ではめた状態をお見せしますと…
まあ、普通の鼻緒ですが、土蔵の白壁を黒く塗るのとはわけが違って、白い鼻緒をカーキ色にしたからといって迷彩効果が上がるか。夜なら多少は効果が出るかもしれませんね。ただ、人自体がいればどう迷彩したところで空から見れば分かりますし、それに、防空や戦闘に下駄ばきもないでしょうし…とはいえ、革靴も払底していたのでないことはないか(´;ω;`)
それとも、防空訓練の時とか、足元を見て難癖をつける人がいたのでしょうか。ちゃんと鼻緒も国民色にしろって。そういうのって、結局大局を見れない人なんですよね。
まあ、きょうのところは、こんなものも真剣?に考えられるほどに、戦時下では行くとこまでいっちゃうといったところでしょうか。