(詩)Dolphin Night
夜を泳いで 幻想の快楽に耽る
夢幻の輝きに息をのみ
後ろに迫る悔恨の 荒波に気づくこともできず
私はなにをやっている
私はなんで生きている
無骨な自問が尽くことはなく
空虚な弁解が心を塞いで
手も足も動かなくなり
夜に溺れそうになる
真っ暗な世界はクジラの胃の中
このまま溶けたら楽なのだろうか
それでも瞳をこらしてみると
光はかしこに力を宿して
赤の点滅が警告を促し
紳士は微笑んで蒼をたたえる
端々が欠けた白黒の
レールはほのかに鉄の匂い
私は生かされ 導かれていて
立ち止まってはいられないようだ
動かなくなった私の足にも まだまだ力は残ってる
鼻を鳴らして ドルフィンキックで
夜の架け橋を 飛び越えて進む
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