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褥瘡(床ずれ)ができてしまった! ケアや予防はどうしたらいい? 原因や初期の段階についても解説

こんにちは!
今回は褥瘡、床ずれについてお話していこうと思います。

褥瘡ってどうしてできるの?

褥瘡ができる原因はいくつかあり、いくつかの原因が重なることで褥瘡ができてしまいます。

その原因は主に、低栄養状態・痩せている・同じ場所の皮膚が長時間圧迫される・ベッドや衣服と皮膚にずれが生じる・皮膚が湿った状態が続く、といったものがあります。

皮下の血流が悪くなることで、皮膚が傷つき、初めは皮膚が赤くなる状態が続き、だんだんと悪化するにつれて皮膚が剥けたり、膿んできたりします。その状態を褥瘡(床ずれ)といいます。それぞれひとつずつ、原因について説明していきますね。

低栄養状態

血液検査のなかで、総タンパク質と呼ばれる値と、アルブミンという値が低下してくると、身体の中の栄養が不十分であるという意味になります。

年齢を重ねたり、腎疾患で透析をしている方はこれらの値が低下しやすくなります。

また、これらの値が低下するとむくみの原因になったりします。
これらの項目が低下してくる原因としては、食事から十分なタンパク質や栄養素が摂れていないことが挙げられます。

色々な食材をまんべんなく、タンパク質を多めに取り入れていく食生活を心がけていきましょう。


痩せている

元々の体格もありますが、病気になり動けなくなると、痩せてしまう方も多いです。また、最初にお話した低栄養状態が続いても、痩せる原因となります。

痩せると皮下脂肪が薄くなり、骨が浮き出るような状態になります。肋骨や背骨などが、皮膚の上からでもしっかり見えたり触れられたりする状態は痩せすぎのサインです。

そして、皮膚と骨の間にある脂肪が薄くなった部分は圧力がかかりやすくなるため、クッションや枕を使用して圧力を分散させる必要があります。

同じ場所の皮膚が長時間圧迫される

これを読んでいる方でも、長時間肘をついていたら肘が赤くなったり、起きたら顔に枕の跡がついていたりした経験はないでしょうか。

それと同じで、寝たきりの方は自力で体や手足の位置を変えられないため、体重がかかる部分は赤くなりやすくなります。

一時的に赤くなった状態の段階で寝返りをさせてあげるなどで皮膚の圧力を逃してあげると、赤みは引きます。しかし、赤みがある状態が長く続くと、赤みが引かなくなり、皮剥けや皮下組織まで損傷がおきていきます。

寝たきりの方は自分で寝返りが打てないだけでなく、痛みを訴えることが難しいことも多いため、介護する側が気づいて定期的に体の向きや手足の位置を変えてあげることが大切です。

ベッドや衣服と皮膚にずれが生じる

ずれ、というのは曖昧な表現ですが、例えば背もたれのある椅子に座っていて、だんだんと体がずり落ちてきた経験をしたことはないでしょうか。

この、体がずり落ちて背もたれに背中の皮膚が摩擦で引っ張られている状態のことを、ずれと言います。

私たちは自分で体勢を直すことができますが、筋力がない方は自力で体を持ち上げて体勢を整えることができません。

そういった状態が続くと、同じ場所の皮膚が長時間圧迫されることになり、褥瘡ができやすくなります。

皮膚が湿った状態が続く

汗をかいたり、オムツの中に排泄物がある状態が続くと、皮膚は湿ってふやけてしまい、弱くなります。

この状態で、上でお話したようなずれが生じたり、長時間の圧迫が起こると、褥瘡ができやすくなります。

湿った状態の皮膚はもともと備わっているバリア機能も低下し、汗疹や真菌感染のもとにもなりますので、なるべく皮膚は清潔で乾燥している状態を保てるようこまめに体を拭いてあげたりオムツを替えてあげましょう。

皮膚の乾燥のしすぎもよくないため、保湿クリームなどを塗って適度に水分がある健康的な皮膚の状態を保てることが理想です。


褥瘡を作らないためにはどうしたらいいの?

褥瘡を作らないためには、上でお話した原因となる状態をひとつでも少なくしていくことが大切です。

どうしても療養期間が長いと痩せてしまったり、低栄養状態になってしまう方も少なくないため、定期的に体の向きを変えてあげて、体の一部に圧力がかからないようにクッションや枕を使用していきましょう。

また、できるだけオムツはこまめに替えて、皮膚が湿るのを予防しましょう。

動画サイトなどで、「体位変換」や「体交枕の入れ方」などのキーワードで検索すると、効果的な体勢やクッションの置き方を見ることができます。
体の向き替えやオムツ交換を定期的にこまめに行うことは1人では難しいため、家族と交代で行ったり、訪問介護や訪問看護をうまく使用しながら褥瘡を作らないようにしていきましょう。


褥瘡ができてしまったらどうしたらいい?

褥瘡ができてしまった場合、初期の段階(皮膚が赤くなっているだけ)の場合は、赤くなっている部分がベッドマットなどに直接触れないようにクッションの位置を工夫したりして、圧力がかからないようにしていきましょう。

それよりも進んでしまった褥瘡については、往診やかかりつけ医に診察してもらい、軟膏などを処方してもらえるよう相談しましょう。

状態によりますが、最低1日1回は石けんとお湯で褥瘡の部分を洗い、処方してもらった薬剤を塗ったりガーゼで保護したりしていきます。

処置の方法は褥瘡の状態や場所によっても異なってくるため、まずは医師や看護師に処置方法を相談しましょう。

そして、初期の褥瘡と同じですが、褥瘡がある部位はなるべく圧力がかからないように、クッションを入れたり体勢を工夫していきましょう。

褥瘡ができてしまった場合、自分の介護不足だったと考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、24時間体制で自由に動ける人と同じように体を動かしてあげたり向きを変えてあげることは不可能です。

なるべく、褥瘡ができないよう予防していくことも大切ですが、褥瘡ができてしまった場合は自分を責めず、悪化を防げるように医師や看護師と相談しながら介護を続けていきましょう。



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