ドラマ『不適切にもほどがある』シナリオ本と照らし合わせて映像を観直すと、俳優・阿部サダヲの力量がひしひしと伝わってきました!
ドラマ好きの私は、これまでも気に入った作品のシナリオ本を数多く買ってきました。
文字で改めて読みながら、頭の中でキャストの皆さまの声が響いてくる感じがたまらなく楽しい時間なんですよね(笑)。これはもはや、”シナリオ本フェチ”みたいなものです。
脚本の中の「……」とか、笑い声とか、”間(ま)”とか、言葉としてセリフをしゃべる以外の部分の俳優さんたちの表現力って重要ですよね。シナリオ本を読むと当たり前のことですが、脚本を活かすも殺すも俳優さんの演技力次第だなーとしみじみ感じます。
『ふてほど』はシナリオ本が出たら絶対に買おうと思っていたんですが、それは阿部サダヲがアドリブをまったくしないで脚本に忠実だという記事を読んで、それを確かめてみたくなったからというのが大きかったかもしれません。
シナリオ本と実際の映像を照らし合わせてみるなんてこと、実はこれまではしたことがありませんでした。文字だけでも十分、そのドラマの世界観を改めて味わい直すことができるので…。
でも『ふてほど』については、あえてそうしてみたくなりました。
「あとがき」で番組プロデューサーの方が、
と書いていましたが、まさにその通りでした。削っている言葉こそたまにありましたが、それは他のキャストの方との会話の流れがそっちの方がスムーズに進行するなーと感じられたし、演出上で必要かそうではないかの判断を現場でしたからだと容易に想像ができました。
確かに語順を入れ替えたりはないけれど、セリフの間に自分の呼吸で入れる”間”とかため息とか”苦笑”みたいなものとか、そういうものすべてが「想像の斜め上の演技をする」”阿部サダヲ・ワールド”なんだと強く感じられました。
脚本の中で「シシシシシ」という表現が何度か出てきます。それは阿部サダヲ演じる市郎がニマニマしながらちょっといたずらを仕掛けるみたいなシーンで使われています。
たとえば最終回、仲里依紗演じる渚と磯村勇斗演じる秋津をくっつけようと、市郎が二人に内緒でマッチングアプリに情報を登録するところ。
これそのまま普通に私たちがセリフとして言うと、絶対にわざとらしくておかしくなると思います。でも、阿部サダヲが演技の中で表情豊かに「シシシシシ」と言っていると、不自然に見えないから不思議なものです。
これぞ阿部サダヲの力量というやつなんでしょう!あまりにも自然に「シシシシシ」ができてしまうという…。
阿部サダヲのすごさはもちろんですが、他の俳優さんたちの演技の素晴らしさも、映像と照らし合わせるとさらによく分かりました。これは、なかなかにハマりますね(笑)。”シナリオ本フェチ”としては、新たな世界に突入した感じがしています。
「Destiny」もシナリオ本上下巻発売されるようですし、こちらもやってみたくなってしまいました(笑)。
もちろんドラマ『不適切にもほどがある』シナリオ本は、読むだけでもあの世界観がよみがえってくるし、クドカンの才能を改めて感じることもできるので”読む価値”があると思います!オススメします。
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