なぜこのプロダクトを作るのか(方向性の番人)
プロダクトオーナーはプロダクトの方向性をまずは示さなくてはなりません。
具体的には「ビジョン」「ミッション」「コンセプト」について明確に示すことです。
「ビジョン」というのは「プロダクトを通じて世の中にどのような変化をもたらすのか?」を描くことを言います。
例えば「財布もスマホも取り出すことなくものが買える世界」や「自分の意思を伝えなくても先回りしてやってくれる存在がある世界」かもしれません。
「新たな世界観の共通理解」がビジョンであると言います。
僕もビジョンについては「ザ・ビジョン」や「経営者になるためのノート」を通じて考えてきましたが、こんなにも短い文章でしっくりきたのは初めてです。
この例えがすごくわかりやすいと思いました。「ザ・ビジョン」などでは「価値観」+「使命」+「目的」=「ビジョン」みたいに書かれていたはずです。
とはいえ、プロダクトのビジョンと会社のビジョンとでは少し意味合いが変わってくるのかもしれません。
プロダクトのビジョンも会社のビジョンからすれば、それは手段や目的になるようにも思うのです。
ですが、それでもきっと良いのでしょう。来週頭までに今進めているプロダクトのビジョンを今一度、明確に示すことをしたいと思います。
プロダクトオーナーとして「ビジョン」の他2つ「ミッション」と「コンセプト」についても明確に示す必要があります。
「ミッション」とは「これが実現できなければ自分たちの存在意義が問われる」という使命にあたるものを言います。
これがなければチームは自律的に動くことができません。ミッション(使命)の達成を繰り返していくことで確実にビジョンに近づいていくことが大切です。
「コンセプト」とは「ビジョン」と「プロダクトバックログアイテム」(実装される機能の1つひとつ)を結ぶもので「誰のどんな問題をどうやって解決するのかをシンプルにまとめたもの」です。
これについては企画の初めの段階で検討しているが、インセプションデッキにおける「エレベーターピッチ」に該当します。
プロダクトのコンセプトを誰もが同じレベルで理解している状態を作るためにこれを定義し、プロダクトオーナーはユーザーに成り代わり仮説を提示する役割を担います。
これら「ビジョン」「ミッション」「コンセプト」の3つを示すことがプロダクトオーナーの方向性の番人としての役割です。
この3つをプロダクトオーナー1人で決めることはできますが、おそらくはそうしないほうが良いでしょう。
これらを明確に指し示すことは関係者1人1人が自分事として捉える必要があるからです。議論の軸となる部分はプロダクトオーナーが作るにしても全員で話し合い知恵を絞り決めていく過程が重要です。