インセプションデッキについて
人の期待をマネジメントしながら不確実性に基づく学びに適応するための手段が3つあります。
それが「余白の戦略」「スプリント強度を高める戦術」「全体への共通理解を統べる作戦」の3つです。
まずこれらの位置付けについて整理します。
ミッション達成のために
1.「プロジェクトレベル」=「余白の戦略」
2.「複数スプリントレベル」=「スプリント強度を高める戦術」
3.「単一スプリントレベル」=「全体への共通理解を統べる作戦」
これら3段階に応じてそれぞれの戦略、戦術、作戦があります。
前提として、顧客の期待に応えること、プロジェクトやチームにとっての目的が「ミッション」としてあります。しかし、プロダクトに対する「期待(要求)」というのは誰かが明確に知っているものではありません。
「当事者も気づいていない潜在的な期待」を見える化する必要があります。
そこでアウトプット(成果物)として「インセプションデッキ」というものを作成します。
「インセプションデッキ」とは10個のアジェンダから成り立っており、チームと関係者で答えてまとめていく必要があります。
1.我々の存在意義は何か:プロジェクトのミッションは何か?
2.エレベーターピッチ:プロダクトの特徴を短いステートメントにまとめる
3.パッケージデザイン:利用者から見たプロダクトの価値を表現する
4.やらないことリスト:大まかなスコープの特定。特にスコープ外について
5.ご近所さんを探せ:関係者を明らかにする
6.技術的な解決策:採用する技術の利点とリスクの説明
7.夜も眠れない問題:チームや関係者が認識しているプロジェクトのリスク
8.期間を見極める:必要なプロジェクト期間の算出
9.トレードオフスライダー:QCDSの優先順位「品質「Quality」、価格「Cost」、納期や入手性「Delivery」、対応やサポート「Service」)
10.何がどれだけ必要か:ミッション達成に必要な期間、予算、チーム編成
これらのことを明確にし、チームと関係者の間で共通認識として持っておくことでプロジェクトの軸ができます。また、当然このインセプションデッキは定期的に見直す必要があります。