余白の戦略
不確実性への対処によって生まれる「学び」とはプロダクトバックログの成長です。
プロダクトバックログが成長するということは、プロダクトに対して試行錯誤がなされ、何が正解かが検討、検証された結果です。
余白の戦略は「調整の余白」「期間の余白」「受け入れの余白」の3つによって構成されます。
「調整の余白」とは「広さでコミットし、深さで調整する」ことです。
「広さ」とはプロダクトへの要求の「範囲」のことで、どこまでの要求に答えようとするかということであり、「深さ」とは要求に対してどれだけの「度合い」で応えるかということです。
「広さでコミットする」というのは、ユーザー体験に基本的に必要となるであろう範囲を実現するという約束です。
「深さで調整する」というのはある程度各要求の実現度合いを想定する必要があります。
しかし、想定可能なものもあればそうでないものもあり、プロダクトオーナーが早期に判断できないものもあります。そこで、そういったプロダクトバックログアイテムに対しては「松竹梅」や「上中下」などオプションをつけて段階をつけておきます。
少なくとも、梅案の内容の合意が取れること、竹案や松案の採用は該当の要求を実装する段階で状況をみて判断するという進め方に合意してもらうことが重要です。
また、「広さ」プロダクトに対するユーザーの要求の範囲を捉えるためにはユーザーストーリーマッピングを作ることが効果的です。