「期間の余白」と「受け入れの余白」
余白の戦略は「調整の余白」の他「期間の余白」「受け入れの余白」の2つによって構成されます。
「期間の余白」とは「バッファをとること」です。
見積もりを行う際に、ユーザーストーリー単位や人単位で計画してしまうと予算的にも期間的にも現実的な計画になりません。
「パーキンソンの法則」というものがあり、人は与えられた分の時間や予算を全て使い切ろうとする傾向があるからです。よって、バッファはプロジェクト単位でとり、無駄のない筋肉質な見積もりを立てます。
しかし、様々な理由で見立て通りに行かないことが出てきます。そうした時に、確保したバッファの分まで計画を伸ばしていけるということになるので、「確保したバッファの残管理」は重要となります。
バッファが5割切ったり3割切ったなどという節目には関係者と計画について共有しておく必要があります。
「受け入れの余白」とは「判断の保留」による余白です。
開発しながら、「何が必要か、どんな変更が必要か」新たな理解が得られます。そうした学びをプロダクトバックログではなく別のスロットで管理します。
このスロットを「アイスボックス」と言います。
これは、「せっかく新たに発見した要求なので、いずれは優先度を決めて開発対象としたいが、当初に見出した作る範囲の完成が見えておらず、相対的にも優先度を凌駕しないため、手をつけずに置いておく」ということです。
アイスボックスにおいた要求は、必ずしも開発対象となるわけではないことを関係者の間で合意しておく必要があり、インセプションデッキ作りやスプリントプランニングの段階で行なっておくと良いそうです。